フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

cerise

2009-06-19 10:20:35 | Weblog
6/19は、さくらんぼの日だ。さくらんぼの種を飛ばしながら昔を少し呼び戻すのさ。このところ背広を着てた昔を懐かしく思う。背広を着て、煙草を咥えてたら誰でも大人のイメージがあったからね。そんな苦みばしった(こんな表現もはや死語だね)男達が酒場のカウンターに出された赤い小さな実を口に入れて古里を少し懐かしんで照れ隠しに種をぷっと吐き出して「じょうがないな」なんてつぶやくのが自分なりの「桜桃忌」だ。ダンディズムを回顧する日だ。初めて、作家ってカッコいいんだと思わせてくれた人だから忘れられないんだろう。もう、題名も忘れたけど短編で旅日記のようなものがあったけどそれが太宰らしくて面白かったことを記憶している。自分の中に葉蔵もメロスも居る。セリヌンチウスもディオニソス?も。今なら、子よりも親が大事といいながら子供にサクランボを食わせないあのくそ親父も自分の中に居る。そして、「満願」を読んでほくそえむオヤジの自分がいる。あらためてサクランボ(桜桃)は不味そうに食べて種をベット吐き出すのが正当なんだと思った。そう食えって太宰が言ってるような気がしませんか。cerise aujourd'hui!
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