古い映画だけどドフトエフスキーの「白夜」をビスコンティが作った映画のDVDを見た。マルチェロマストロヤンニの若いこと。でもなんという存在感。彼だけでなく、女優も脇役もそして犬まで。映画って凄いなと思わせる作品でした。まるで、舞台で演劇を見ているようでいつのまにか一体感をもってみていた。ロシアの暗さとイタリアの明るさをミックスした演出が見る側を悲劇なんだけど何となく安心させるというか、彼女の為なら仕方がないさと納得させられるようでそれでいて透き通った孤独感がひしひしと伝わってきた。マストロヤンニの顔ときたら、今で言うイケメンなんて問題外だね。人間として素晴らしい顔をしている。そういえば、昔は、お気に入りのスターが出ているから映画を見に行くのが観客の基本スタンスだった。話なんて二の次で。それでよかった時代があったんだ確実に。きれいな俳優、きれいな女優を見てうっとりとなって性的幻想を抱いて幸せな気分で眠るのが一番のストレス解消法だった。主役になりきったり、夢の中で女優と話したり。幸せを味わっていられる時間は長かった。いま、こんな映画作れますか。タレントとかアーティストとか言ってる人でスターと呼べる人いますか。
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