フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

映画0.5ミリを見た

2014-11-18 08:53:09 | Weblog
映画0.5ミリを見た。3時間20分の映画だ。長いとは思わせない映画だった。城西公園に仮設された高知特設劇場だよ。

寒いからひざ掛けとクッションを貸してくれる。在るだけだけど。トイレは外に設置。ビデオと違ってトイレに立つと一時停止ができないから我慢すること。物語はひょんなことからお払い箱になった介護師のさわチャンが自分を生かすためにクセのある老人たちと積極的に関わってという話なんだけど介護したことのある身にとっては老人の表情が懐かしかったり仕草に思わずアルアルとうなづいたり。さわチャンがありあわせの材料で老人達に作ってあげる料理が美味そうで日常って料理ひとつであっという間に変える事ができるんだって見せてくれた。織本順吉、井上竜夫、坂田利夫、津川雅彦、柄本明のクセのある老人とオバちゃん女優陣。こんなにもキタナイ俳優達を見せる映画も珍しいよね。その中でも草笛光子さんは年取ってもきれいだなぁと思ってみたけど。昔にはあった人間関係がいまでは映画ならではの日常となってしまったがその映画の中で老人達にサワちゃんが柔らかなボールを投げ返していく様子は秀逸。監督の意図がそこにあるのかなとメッセージとは別に思ってしまった。

ただ親の世代とは違って今の若い人はハングリーじゃないから星飛馬ほどの剛速球で才能を見せてくれるけど球質が軽いと感じるのは僕が老人だからだろうか。軽いボールのほうが時にはありがたいけれど。重いボールを懐かしむお年頃なんだ。今朝の新聞に「0.5ミリ観客動員数予定を上回り上演順延決定」と出ていた。当初11月24日で終了だった予定が12月24日まで延びたんだ。高知は旨いものしか食わない土地柄だから質のいい映画しか観ないのでこの映画は高知で認められたことになった。
コメント
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