フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

puluie deux

2009-06-20 20:29:56 | Weblog

鶴田浩二が歌う「東京詩集」の中の1節のようにしめやかに雨が降る。そう言えば、しめやかなんて言葉、もう忘れていた。使う機会が少ないからだ。使うことが少なくて忘れてしまった言葉ってたくさんあるのでしょうね。方言なんてその最たるものでしょう。ここの方言で「そうにかわらん」という奥ゆかしい方言を日常で聞かなくなった。I think so or not and all.英語で言えばそんなところかな。この土地は、頑固者が多くていまだに古語が通用する稀有な土地柄だったのにいつのまに断定する0,1文化に席捲されたのだろう。そうにかわらん=そうにかあらむ げに=ほんとうに などむかしからのことばが土地に溶け込んで頑固者に守られてあまり大きな変化することなしにこれまで暮らしてきたのに気がつけば、言葉が風前の灯火であった。頑固者は歳をとり、あるいは、ボケてしまい文化すら守れなくなってきている現実。少し正調で意識して使わなければ、どの場面でどのようにつかわれていたかが分からなくなってしまう。昔は、あまりにも日常で使う言葉に古語が多いので県外の客には、ここでは、まだ、カタロヒナ文字も通用しますからねなんて冗談を言ってたのに。いつのまにか、断定の底の浅い文化にとって代わられていたんだね。専守防衛しなくては。初老の自分にまだもうひと働きというのでしょうか。しょうしんどい。


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cerise

2009-06-19 10:20:35 | Weblog
6/19は、さくらんぼの日だ。さくらんぼの種を飛ばしながら昔を少し呼び戻すのさ。このところ背広を着てた昔を懐かしく思う。背広を着て、煙草を咥えてたら誰でも大人のイメージがあったからね。そんな苦みばしった(こんな表現もはや死語だね)男達が酒場のカウンターに出された赤い小さな実を口に入れて古里を少し懐かしんで照れ隠しに種をぷっと吐き出して「じょうがないな」なんてつぶやくのが自分なりの「桜桃忌」だ。ダンディズムを回顧する日だ。初めて、作家ってカッコいいんだと思わせてくれた人だから忘れられないんだろう。もう、題名も忘れたけど短編で旅日記のようなものがあったけどそれが太宰らしくて面白かったことを記憶している。自分の中に葉蔵もメロスも居る。セリヌンチウスもディオニソス?も。今なら、子よりも親が大事といいながら子供にサクランボを食わせないあのくそ親父も自分の中に居る。そして、「満願」を読んでほくそえむオヤジの自分がいる。あらためてサクランボ(桜桃)は不味そうに食べて種をベット吐き出すのが正当なんだと思った。そう食えって太宰が言ってるような気がしませんか。cerise aujourd'hui!
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Eddie Bauer

2009-06-18 19:49:33 | Weblog
エディバウワーが、潰れたというのを聞いたのは今日のことだった。LLビーンと並んでアメリカのアウトドアーズとカジュアルのトップショップだったのに。いよいよアメリカ経済本気で崩れだしてきた。まだインターネットなんかない時代からカタログを取り寄せエディバウワーには、楽しませてもらった。再生法申請で企業そのものはどこかの支援で残るらしいけどほんとに一つの時代の終焉だね。確かに、消費好きのアメリカ人が生活防衛の為貯蓄をしだしたというからたちまち影響が出たのだろう。さりとて、こちらもいま欲しいものがないからエディバウワーに限らず消費欲がないので助けにならない。こんな悪循環が経営を圧迫したんだろうな。質素倹約もある程度じゃないと世の中楽しくなくなるね。まだアメリカのカジュアルにパワーがあった時代のことを知っている者にとっては、この件は、淋しい限りだ。もう無理かもしれないけど、早く、パワー溢れるアメリカンドリームの大らかな国に戻って欲しいな。
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楊梅(やまもも)

2009-06-17 10:51:39 | Weblog
楊梅ヤマモモの旬だね。スーパーに並ぶようになった。

梅雨の盛りに出回る果物だから雨とつき物だ。このヤマモモは、古くは、清少納言の「枕の草子」にも出てくるらしいから古くから皆を楽しませてきたらしい。味は、素朴で奥ゆかしい。あまり、立派なものは食べたことがないけど。ヤマモモ酒は結構いける。亀蔵とか名前がついてるのが美味かったのかな。公園にもあって今は、実がワンさと着いてるからその下でシジュウカラが子育ての真っ最中です。実を咥えて走る様なんか微笑ましいもんです。ヤマモモは、土佐の県木。こよなく愛する土佐人は少なくないとのこと。牧野富太郎さんもその一人で「なつかしや楊梅を売る町の声」という句を読んでます。
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6.16

2009-06-16 10:33:02 | Weblog
図書館からタイトルが面白そうだったからという理由だけで借りてきた本をパラパラとめくると6月16日 セップクという文字と芭蕉の句が飛び込んできた。

海士の屋は 小海老にまじる いとどかな

うん、これを読めということかと納得して少し読んでみると出だしから面白い。自分の知性をひた隠しアパルトマンの管理人の典型を生きようとする未亡人ルネと自殺願望の12歳の天才少女パロマとの物語なんだけど谷口ジローの漫画の話が出てきたり結構面白いと思います。タイトルは「優雅なハリネズミ」といってミュリエル バルべりという人が書いた本なのですが僕は、知らなかったけど有名な本なんですって。著者は日本びいきで2008年から日本で暮らしているとのこと。6.16という日付の単位でしかなかったことからこんなに広がっていくなんて。やはり、この日を意識したのは鶴田浩二からだったから鶴田さんのお導きかな。
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un etoile du cinema

2009-06-15 10:24:18 | Weblog
明日6月16日は、映画スターの(このレトロっぽい表現がいいね)鶴田浩二さんの命日だ。1987年に亡くなったから今年で22年かな。63歳くらいで肺癌だったと聞いている。やくざ映画はもちろん見ているけど柳生武芸帖 巌流島の決闘の佐々木小次郎 鼠小僧何とか旅 次郎長三国志など時代劇も面白かった。不思議と戦争物は見てないが大衆娯楽の映画のポジショニングを確立した一人だと思っている。僕は、「赤と黒とのブルース」のように彼のイメージはギャングがよく似合ってたと思う。ハードの中のソフト。男の強がりを表現させたらうまかった。また、彼は、歌がとっても上手かった。声、そのものがいいんだ。名曲「好きだった」なんて当時の男の価値観を見事言い表していると思う。晩年、NHKでやった「シャツの店」も良かった。はっきり覚えているわけではないけど仕立て屋銀二だからね。心に残る、映画スターというのが僕らの時代にはいた。今では、それが懐かしく、えばりたい気分でもある。古いやつだとお思いでしょうが・・・・・・か。
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deux fois

2009-06-14 12:16:43 | Weblog
昨日テレビでターミネーター2をやってたのでこの前1を見たばかりだったから因縁のようなものを感じて見てしまった。面白かったけどやはり1とは面白さの質が違うね。他のヒットした映画の要素とかを分析して分からないようにそのエッセンスを盛り込んでこれでもかとばかりに面白く作っているんだけどもう年寄りにはそこまでしなくていいだろうって気が先に立って途中で飽きてしまった。ヒットしただろうって事はわかるけど見る側の問題かな。今、思い出したけど、「エイリアン」も1が面白かったな。2以降が面白かったと感じたもの何かあったけと心に問うてみる。人間的に成長していくものは面白いのだろうが刺激が強いものはそんなにないのじゃないかな。僕だけの偏見なんだろうけど。
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prunier

2009-06-13 21:33:22 | Weblog
庭の梅の木に梅の実が知らないうちに出来ていた。

無農薬、無消毒、無世話の天の恵みだ。自分だけの梅と思うと愛しさも一入。この世に自分だけのものってそんなにないもの。錯覚はあるけど。これは、純粋に天の恵みだ。graceグラースってフランス語で言うらしい。英語でグレース。グレースケリーってあの美貌は、天の恵みだったのか。納得。それはともかく、梅は、笊一杯あって、洗ってから、一つ一つ丁寧に拭いて竹笊に移して計ると3キロチョッとありました。2キロは、塩梅に漬けて、あとは、砂糖漬けと梅ジャムにしようと思っている。だから今日は、梅の世話で一日忙しかった。
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limite

2009-06-12 21:17:38 | Weblog

このところ、家に来るスズメや鳩、シジュウガラ、ヒヨと鳥が増えたなと思っていたら近所の人も言ってた。ちょうど、帰り道でトック-という町内のことなら何でも知ってるおばさんというかバァさんというかともかくトック-に出会って話を聞いてみるとオークもボケて病院に入ってトーダもボケて病院を転々としているし隣のサワーもボケていないし、このままいったら誰もいなくなるよこの町内は。と言ってた。サワーがボケたおかげで隣は誰もいなくなるし庭の手入れが出来ずにそのままでしょう。虫がぎょうさん湧いてねぇそれを鳥が食べに来てワイワイ言いゆう。・・・なるほど納得。家の裏のオークんちもオークが居なくなって誰もいないから庭はそのまま。オークんちは、敷地が広いから虫の被害には、幸いなことにあってないが鳥から見れば虫がいるんでしょうね。このところ鳥が多いもの。こんなところにも人がいなくなるって影響は出るんだ。この町内は、市内でも1,2位を争うシルバーゾーンだから、そろそろ限界かな。昔は、年寄りといったら、最後まで気は確かで老衰による衰弱がパターンだったけど。今は、栄養が違うのか、お頭が弱いのか誰でも彼でもボけだものこれっておかしいよね。今の医学では、原因が突き止められないのかな。

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ciel

2009-06-11 05:07:27 | Weblog
朝、早くおきだして空を見ると、昨日の雨で洗われてさっぱりとした、すっきりとしたさわやかな青い空だった。まだ月も残っていて輝いていた。村上龍の言う雲の製造工場が操業を一瞬停止してたみたいだ。それから10分ほどでまた灰色の梅雨空に覆われてしまったが、空の真実を見たような気分で気持いい。世の中、動いているんだなとつくづく思った。空が一瞬にして変わるように人間の営みなんてはかないものなんだろうな。今見た月がもう空にない。あそこに月が輝いて、きれいな青空だったことを覚えているのは老人だけなんだろうか。これからの世代に残さなくてはいけないものが見えてくるようだ。
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