今まで知らなかった世界が、急に目の前に開けてくるのは、なかなか愉快。
自分の場合、この秋にたまたま手にした一冊の本がきっかけでした。ブログにも書いたけれど、小川洋子著「博士の愛した数式」。数学の世界の面白さに目から鱗だったのです。
そして、その「博士の愛した数式」に気を良くして、もう一冊読んだのが「世にも美しい数学入門」。
数学者、藤原正彦さんと小川洋子さんの対談をまとめたもの。新書で薄くて「博士の愛した数式」同様、読みやすい(難しい数式は飛ばしたけど)。数学にまつわるあれこれ、数学と文化・国民性、数学者のロマン、数学の美しさ、などなど、いろんな話が展開します。数学が文学や芸術と、たいへん近い位置にある学問だということが、実感としてよく分かってきます。
例えば、数学と俳句。世の中の、もやもやとした現象を、一気通貫で解決するシンプルな公式や定理は、五七五で世界を表現する俳句と感覚的にたいへん近いという話、なるほどと思う。
いろいろ興味深い話の中で、極めつけに印象深く、美しいと思ったのは、「博士の愛した数式」にも出ていたオイラーの公式。
eとπとi、自然対数の底と円周率と虚数、大抵の人が数学嫌いになるだろう怪しげで不可解な3つの数、これらがこんなに簡単な式で関連付けられて調和するということ。これを神秘と言わずして、何と言おうか!
この数式は「人類の至宝」と呼ばれてるんですね。なるほど、深く頷ける。思い知らされたは人類の叡智の凄さ。素直に脱帽。
あとピアノ的な感想も少し。音楽との共通点を感じたのは、いろんな数学の定理や公式が発見される様子です。
天才数学者たち、フェルマー、ガウス、オイラー・・・(音楽で言うところの、ベートーヴェン、モーツァルト級でしょうか?)彼等は、いろいろな数学の美しい定理を発見するのですが、それらは難しい数式をこねくり回して発見したのではなくて、直感で見つけ出しているということ。ちょうどモーツァルトの頭に名旋律が、沸き上がるのと同じように!
数年前に、音階と数学を結びつけたピタゴラスの話を知り、音楽と数学の意外な親密さにびっくりしたのですが、改めて音楽と数学は表裏一体なんだろうなと感じる。美しい音楽の素晴らしさは誰もが認めると思うけど、同じように、数学も美しい世界が広がっている。
自分の勝手な想像ですが、いつかモーツァルトの名旋律から、数学上の偉大な発見がなされる日がやってくるんじゃないだろうか?
πやeといった数は、音楽の中で位置付けるとしたら、どうなるんでしょうね・・・。
ちなみに、音楽について、最大の謎だと感じているのは、1オクターブが12の音から出来ていること。更に12の音を組み合わせることで、美しい音楽が生まれるということ。11でも13でもなくて、どうして12なのか?
やや脱線ですが、12繋がりで、1年が12ヶ月というのも謎ですね。人間の手は10本なのに、あえて12の月にしたのか?12進数は今を遡ること5000年前の古代メソポタミア文明が起源のはずですが、音楽と暦の不思議な繋がり、これも大いなる謎です。
普段、当たり前に思っていることに、神の摂理とも言いたくなる不思議な謎が潜んでいて、面白い。謎が好きなそらみみでした。
「博士の愛した数式」→「世にも美しい数学入門」の順番が無理なく、数学の美しさに目覚める順路でしょうか。
どちらも大抵の図書館に置いてありそう。新たな美の世界をお探しの方には、たいへんお薦めです。
(完全に余談だけれど、著者の藤原正彦さんは、山岳小説の新田次郎のご子息とのこと。山好きで氏の小説を愛読していた自分としては、大いに親近感を感じたのでした。音楽やら俳句やら山登りやら、関心のあるテーマが繋がって愉快。)
(長文すみませんでした。)
自分の場合、この秋にたまたま手にした一冊の本がきっかけでした。ブログにも書いたけれど、小川洋子著「博士の愛した数式」。数学の世界の面白さに目から鱗だったのです。
そして、その「博士の愛した数式」に気を良くして、もう一冊読んだのが「世にも美しい数学入門」。
数学者、藤原正彦さんと小川洋子さんの対談をまとめたもの。新書で薄くて「博士の愛した数式」同様、読みやすい(難しい数式は飛ばしたけど)。数学にまつわるあれこれ、数学と文化・国民性、数学者のロマン、数学の美しさ、などなど、いろんな話が展開します。数学が文学や芸術と、たいへん近い位置にある学問だということが、実感としてよく分かってきます。
例えば、数学と俳句。世の中の、もやもやとした現象を、一気通貫で解決するシンプルな公式や定理は、五七五で世界を表現する俳句と感覚的にたいへん近いという話、なるほどと思う。
いろいろ興味深い話の中で、極めつけに印象深く、美しいと思ったのは、「博士の愛した数式」にも出ていたオイラーの公式。
eとπとi、自然対数の底と円周率と虚数、大抵の人が数学嫌いになるだろう怪しげで不可解な3つの数、これらがこんなに簡単な式で関連付けられて調和するということ。これを神秘と言わずして、何と言おうか!
この数式は「人類の至宝」と呼ばれてるんですね。なるほど、深く頷ける。思い知らされたは人類の叡智の凄さ。素直に脱帽。
あとピアノ的な感想も少し。音楽との共通点を感じたのは、いろんな数学の定理や公式が発見される様子です。
天才数学者たち、フェルマー、ガウス、オイラー・・・(音楽で言うところの、ベートーヴェン、モーツァルト級でしょうか?)彼等は、いろいろな数学の美しい定理を発見するのですが、それらは難しい数式をこねくり回して発見したのではなくて、直感で見つけ出しているということ。ちょうどモーツァルトの頭に名旋律が、沸き上がるのと同じように!
数年前に、音階と数学を結びつけたピタゴラスの話を知り、音楽と数学の意外な親密さにびっくりしたのですが、改めて音楽と数学は表裏一体なんだろうなと感じる。美しい音楽の素晴らしさは誰もが認めると思うけど、同じように、数学も美しい世界が広がっている。
自分の勝手な想像ですが、いつかモーツァルトの名旋律から、数学上の偉大な発見がなされる日がやってくるんじゃないだろうか?
πやeといった数は、音楽の中で位置付けるとしたら、どうなるんでしょうね・・・。
ちなみに、音楽について、最大の謎だと感じているのは、1オクターブが12の音から出来ていること。更に12の音を組み合わせることで、美しい音楽が生まれるということ。11でも13でもなくて、どうして12なのか?
やや脱線ですが、12繋がりで、1年が12ヶ月というのも謎ですね。人間の手は10本なのに、あえて12の月にしたのか?12進数は今を遡ること5000年前の古代メソポタミア文明が起源のはずですが、音楽と暦の不思議な繋がり、これも大いなる謎です。
普段、当たり前に思っていることに、神の摂理とも言いたくなる不思議な謎が潜んでいて、面白い。謎が好きなそらみみでした。
「博士の愛した数式」→「世にも美しい数学入門」の順番が無理なく、数学の美しさに目覚める順路でしょうか。
どちらも大抵の図書館に置いてありそう。新たな美の世界をお探しの方には、たいへんお薦めです。
(完全に余談だけれど、著者の藤原正彦さんは、山岳小説の新田次郎のご子息とのこと。山好きで氏の小説を愛読していた自分としては、大いに親近感を感じたのでした。音楽やら俳句やら山登りやら、関心のあるテーマが繋がって愉快。)
(長文すみませんでした。)