みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

がっかりし終わったら

2013年06月05日 | ヴァイオリン
先日の発表会の際、プログラムをもらいましたが、
そこに出ていた挨拶文がとても素敵だったので、記念にメモっておきます。
抜粋ですが・・・。
発表会に臨む時、読み返して、思い出すとしよう。

本日の出演者は年齢もさまざまです。それぞれの立場をこなしながら練習のための時間を作るのはかなりのエネルギーを要します。その原動力はヴァイオリンが好き、という気持ちから来るのでしょうか。確かに音楽のある生活というのはとてもいいもので、楽譜を見て想像するだけで現実を忘れてしまい、音を出してみれば疲れも吹っ飛んでしまうほどに没頭できます。

さて今日は特別な日です。文化の家の森のホールで弾くことができる素晴らしいチャンスです。皆さんの誰もがこんなステージで弾くことを夢見てきたことでしょう。
いつも通り張り切って弾ければいいのですが、もしかしたら気負いすぎて思うようにできないかも知れません。音楽は瞬間芸。絵画や映画と違ってその時だけのものなのです。

しかし生身の人間ですから緊張したり、いつもはすることのないミスだって起こります。そんな時はどうぞ、がっかりし終わったら、またいつものように続けて下さい。10年続ければ10回ステージで弾けて人前で弾くことに慣れるでしょう。それよりもその間の毎日がどんどん豊かになり、気づけばずいぶん遠いところまで来ているはず。あなたに寄り添っていた楽器も素敵な音を出しているでしょう。

等身大で、それこそ気負いなく、いい文章だなあ。
発表会は目標ではあっても、目的ではないのだ。
楽器に親しむ、ほんとうの目的は、毎日を、そして人生を豊かにすることだなあと。

まあ、難しいこと抜きに、音楽は楽しいのだけど・・・。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする