日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

要らなくなる櫛

2014年09月04日 | 生活・ニュース


 いつから始まったのか語呂合わせで今日、9月4日は「くしの日」という。くしは「櫛」を表すところから美容業界が発祥元かと推測する。櫛は「頭髪をすいたり髪飾りとしてさしたりする道具」と広辞苑にある。確かに用途からいえば道具だと納得する。その材料としては竹やツゲ、象牙に鼈甲などが浮かぶ。身近に置いているのはすべて合成樹脂、まさに飾りでなく道具だと改めて思う。人に見せびらかすものでもないのでこれで良しとしよう。

 日々年々薄くなる頭髪に櫛の出番はこれまた日々年々減少していく。時には手くしで済ませられることもあり便利になった。頭の内部が表と同じように薄くスカスカになっては困るが、これは目に見えないので気づかってはいるが発覚は遅れそうだ。割増料金をいただこうか、理髪店の店主にそう言われたこともある頭髪なのに今はその姿はない。その弁明は「『苦労』したんじゃけえ」。

 そんなことを思っている昨今だったが、毎日訪問するブログに衝撃的な文字の説明が載っていた。その字は「少」ないと「毛」を重ねた1字で「毟」と書き「むしる」と読む。その字の意味は「(密着しているものを)引き抜く。引きちぎる」などとある。頭髪を自ら引き抜くことは決してしないが、そうさせた何かが存在したのかもしれない。それが弁明に使ったあの2文字かもしれない。それにしても字に潜められた曰くを読むと古人の知恵と読みの深さに改めて敬意を表す。

 美容業界の櫛感謝祭では歯の欠けた櫛に感謝の言葉を捧げたという。 来年は後期高齢者に仲間入りする。これからは「櫛の歯が欠けたよう」と指摘されないような人生を過ごせるよう気配りしなければ、と洗髪した頭を拭きながら、櫛が必要なくなった頭に話す。「心配はいりません、これからは明るくさっぱりしたお頭になります」と応えが返ってきた。




 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする