日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

曼珠沙華

2014年09月23日 | 自然 季節


 今日は彼岸の中日、秋の彼岸になると彼岸花は静かに誇ることもなく咲き、また、静かに元来たところへ帰っていく。一つの 人の道を教えてくれているように感じる。私の新聞初投稿で初掲載のエッセイはこの花がテーマで忘れることはない。

 耕作放棄の荒地、伸びて絡まった雑草は人の踏み入れることを拒む。そんな雑草の屋からのわずかな空間に彼岸花が数輪見え、それが葉の狭い隙間からのわずかな漏陽を受けている。その姿と色合いには近寄りがたさを感じる。彼岸花は曼珠沙華とも呼ばれる。これは赤い花という意味で、語源は経文から発したといわれる。そんなところから気高さを保っているのだろう。

 彼岸花ほど地方によっていろいろな呼び名を持つ花は珍しく千種を超えるといわれる。ある節では「その名前には意味不明のものが多い。これは忌み嫌われたから」という。なぜ嫌われたのだろう。人との関わりがあったからこそ名前が多くあるのでは、と思う。そんな一例、彼岸花の根っこ、球根はモグラやヘビ、ネズミなどが田畑の畦などで生きることを拒むという。これは田んぼの水漏れによる稲作被害を食い止めると聞いた。

 先日、島根県にある「彼岸花公園」に案内された。こうした公園のあることに驚いたが、そこでは地元の人が彼岸花祭りの準備をされていた。駐車場には驚かないが、彼岸花ロードが設けてある。そのロードにもところ構わず花が咲き繁殖力の強さを感じた。つぼみが多く、満開の写真にはならなかったが、咲きそろい、公園が赤絨毯を敷き詰めた模様を想いながら、地域お越しに労をいとわない皆さんにエールを送った。
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