
どのような状況であったかは分からないが、周囲を見渡すとは先日の豪雨に伴う冠水地域と素人目にもわかる一帯。雨上がり後の猛暑が続く何日目になるか、一つの生命の終わりを目にした。
高さ1㍍ほどの囲いの金網の最上部に白い塊が着いている。よく見ると足を金網に絡めてぶら下がっている。名前は分からないがその姿は昆虫に見える。触ってみるとすでに息絶えている。
おそらく、餌を求めてか巣を作るためか、何かの都合で虫は土表面に近いところを移動していた。そこに氾濫してきた濁流に巻き込まれたが流されまいと金網を上に上にと上りついた。それは生きようとして懸命に努力した証だろう。しかし、身体についた土は猛烈な暑さで乾燥し固まり、虫は動けない状態になりその一生を終えた、姿を見ながらそう感じた。
地震を察知する生き物の例はあるが、大雨になる、洪水が起こる、そんな情報を自然をねぐらにする動物らはどうキャッチャーするのだろう。今回の豪雨でも、多くの野生動物らは一瞬の間に流されて果てたと思う。そんなことを思うと、白い塊に変わった虫の大きな目、土に汚れているが何かを訴えているように思える。