
衣更え、これは衣服を着かえることで、その先頭に「季節の変化に応じて」を冠すると、時候のかわり目に、季節に合った衣服に着かえることになる。昔、旧暦では4月と10月の各1日に行うしきたりだったそうだが、現在は6月と10月の各1日におさまっている。中・高校のころはこれを厳密に守っていた。つまり今日からは黒の学制服、詰襟だった。校章をつけた黒の学生帽は年中変わらずだった。
社会人になっても会社の制服に夏と冬用の2種類があった。プラント運転の三交替勤務ではこの制服があればオイルや汚泥に汚れても気にしなくてよかった。衣更えは各人の判断で体調に合わせ変えていた。防寒着も貸与され、特に冬季の夜の寒さには助かった。制服も時代とともに変化し、若い層の意見が採用されるようになり、女子社員用は一流デザイナーの作もあった。景気が良かったのだろう。
「ころもがえ」の解釈には「外観・外装などをすっかり変える」ことともある。よく目にするのは「リニューアルオープン」「ころもがえしました」という折り込み広告がある。先日、水洗いはしていたが、何年振りかに外壁の汚れを棕櫚の束子で洗い落とした。完璧な汚れ落ちではないが、ほぼ落ちると四半世紀前の新築時の面影が浮かんでくる。これも衣更えとしておこう。
今朝、登校する中高生、人数は少ないが衣替え派とそうでないのが混在、着用しないで手に持っている女子高生もいる。学校で多数派に仲間入りするのだろうか。家では寒暖の度合いに合わせ着る物、寝具などを家内が変えていく。ということで私はそれに従うだけで手を出すことはない。