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未来技術遺産登録

2020年10月07日 | 回想

 今日の購読紙経済面に、高密度ポリエチレン(PE)製造関連の装置3件が国立科学博物館「未来技術遺産」に登録されたと載っている。記事では石油化学製品が鉄や木の代替品になるかどうか模索した時代。今やプラスティックは日常生活に欠かせないもになっている、記事の要旨はこのように紹介してある。登録は2020年9月15日。私は3件のうち1件にに当たるPE製造プラントの複数ある工程の.一つで勤務したことがある。

 選定理由。「日本最初の石油化学コンビナート発祥当時の低圧法ポリエチレンの製造装置(①重合器(2)原料ナフサフィードポンプ(3)ガスエンジン用パワーピストン)である。チーグラー法による低圧法高密度ポリエチレン製造法は1955年にドイツの化学者チーグラーが発明したが、工業規模の製造装置としてに世界でも最初期のものである。石油化学工業は米国の石油精製技術とドイツの石炭化学を中心とした有機・無機薬品や合成ゴムなどの高分子合成、人造石油の大規模合成技術をもとに発達した。日本での本格化は中東産原油から供給されるナフサを原料として誕生し、欧米諸国と時期を同じに発展してきた。本資料は日本最初の石油コンビナートで、世界で最初期にチーグラー法による低圧法高密度ポリエチレン製造を企業化した装置であり、技術の歩みを示すものとして重要である」。生産は1958年開始。

 当時、PEは白色のパウダー(粉体)として出荷されていた。職場の歌は村田英雄の「王将」の替え歌だった。「吹けば飛ぶよな 白い粉に 掛けた命を笑わば笑え 生まれドイツの岩国育ち 俺もなりたやパウダーのように」。写真はレガシーとして工場に残されている重合機で登録に添付されたコピー。保存作業に関係した一人として懐かしい。

 その後も技術は進歩し、1969年には自社技術で世界初の低・中・高の各密度のPEが連続生産できるプラントが完成した。これには建設から携わり、責任感と誇りをもって運転したことを記憶している。やがてこの技術も未来技術遺産になることを信じている。
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