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『幕が上がる』を鑑賞。モノノフでなくても楽しめた。ネタバレあり。(ときめき研究家)

2015-03-06 21:45:11 | ときめき研究家
ももいろクローバーZの5人が主演の映画『幕が上がる』を観た。とてもいい映画だった。

ももクロの曲はロック色が強く、歌詞も現実感がない印象で、あまり好きではない。CDでじっくり聴けばおそらく好みの曲もあるのだろうが、これまでは縁がなかった。
年末の紅白歌合戦のパフォーマンスを見て少し気になっていたところに、主演映画の公開。これは観るべきタイミングだったのだろう。

映画評のサイトには「この映画のストーリーは、吉岡先生を早見あかりに擬すれば、ももクロの歴史と重なっている」といった深読みも書き込まれていて、なるほどそうなのかと思う。他にもモノノフの人たちが見ればわかる小ネタが多数散りばめられているらしいが、私には全くわからなかった。それでも普通の映画として充分楽しめた。

高校の演劇部の女生徒達が、昔学生演劇のヒロインだった吉岡先生と出会って、全国大会を目指すというストーリーで、普通の青春ドラマだ。
嫉妬や葛藤もあるにはあるが、あまり深入りせず、割とあっさり解消して前に進んでいく。無理やり盛り上げようとしない「あっさり」感がむしろリアルに感じられ、ストーリーに入り込めた。終盤、吉岡先生が一度は諦めた役者への道を目指すために退職してしまうが、生徒たちもそれを当然と受け止めるのが好ましい。熱すぎず、醒めすぎてもいない、その温度に共感した。

ももクロの5人も、それぞれの役をしっかり演じられていたと思う。特に主役の百田さんは、脚本・演出に専念する部長役なのだが、月日が経つうちに徐々に自信が出て来る様子が表現できており、それは撮影が進む中で役者として成長した過程がそのまま現れていたのかもしれない。あとは演劇名門校から転向して来た中西さんを演じた有安さんも、中途参加者の微妙なよそよそしさと親密さを上手に演じていた。
5人がそれぞれ輝いていたので、アイドル映画としても良い出来栄えだったと言える。

1点だけ難を言えば、彼女達が演じる劇中劇が中途半端だったことだ。部長が書いたのは『銀河鉄道の夜』をモチーフにしたオリジナル脚本で、才能を感じさせる良い出来だったという設定なのだが、どんなストーリーなのか全くわからなかった。もう少し劇中劇の場面を入れてほしかった。薬師丸ひろ子の主演映画『Wの悲劇』で劇中劇が重要な役割を果たしていたように。

今度、ももクロのCDも聴いてみようと思う。
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