櫻坂46がようやく代表曲と言える楽曲に出会ったのではないか。名曲だと思う。
欅坂46から櫻坂46に改名しても、欅坂時代と似たようなテイストのシングル曲が続いていた。即ち、世の中や束縛への反発や抵抗、自分自身への苛立ちや焦燥、そういったものを苦しそうに歌ってばかりいた。それはそれでいい曲だから構わないのだが、改名の意味があったのか疑問だった。
今回の『桜月』は、まずタイトルがグループ名に似つかわしいし、テーマもこれまでのシングルとは全然違っている。
この歌は、彼女との別れを歌った卒業ソング、いわゆる「桜ソング」である。
歌詞は置いておいて、まず曲調やアレンジについて書きたい。
イントロのピアノの高音は、桜の花びらが舞い散っている様子を描写しているように聞こえる。
続いて早口気味の歌詞を載せたAメロ、ラップ調のBメロと、緊張感を保ったまま曲は進む。そしてメロディアスなサビ部分は、ユニゾンで朗々と歌い上げられる。全体として格調高い歌だ。
サビ後の間奏に「トゥルル トゥルル」というスキャットが入る。これがまた絶妙だ。スキャットは無くても普通の間奏として違和感ないと思うが、スキャットがある方が断然いい。スキャットがあることで緊張が途切れずに、すぐに2番に続いていく効果があるように感じる。
2番の後、いわゆる大サビ部分で、音量が小さくなり、遠い記憶を思い出すような切なさがピークに達する。その後、再びサビ、そしてエンディングにもスキャットが重なる。
楽曲の構成として完璧だと思う。
歌詞は、実はよくある状況を描いている。
彼と彼女は最終バスを待つバス停で何度も一緒になったのだろう。最終バスと言うと東京の人は22時とか23時とか遅い時間を想像しがちだが、舞台は地方都市なので、せいぜい19時くらいと思われる。部活終わりか何かで同じ時間になることが多く、友達としての会話くらいはしたのかもしれない。いやもしかしたら彼の一方的な片思いで、話などできずたださり気なく見つめていただけとも解釈できる。でも、ここでは一応友達で、お互いに好意のようなものは持っていて、でも告白はしていない関係だったとしておこう。
そして、卒業後、彼女は東京の大学に行く。お互いに気持ちを伝えることなく、関係は自然消滅になるだろう。それでも今この時、満開の桜が散る景色は、自分自身の心象風景とも重なり、忘れることは無い。そのような自己陶酔的な思いを臆面もなく歌っていて清々しい。
彼女が遠くに行くため別れてしまう歌は、これまでもいくつかあった。
『酸っぱい自己嫌悪』(日向坂46)。
『大人列車』(HKT48)。
『フェリー』(NMB48)。
『三つ編みの君へ』(渡辺麻友)。
そして櫻坂46自身の『ずっと春だったらなあ』は、この『桜月』の姉妹曲と言うべき曲だ。ずっと春ではいられないから、せめてこの満開の桜を心に焼き付けておきたいと歌っているのだ。
歌の中とシンクロするように、桜が日に日に散っていくこの一週間、毎日の通勤時に、『桜月』をリピートで聴いていた。何回聴いても飽きない、むしろ聴けば聴くほど歌の世界引き込まれていった。
私もこの春のことは忘れないと思う。
欅坂46から櫻坂46に改名しても、欅坂時代と似たようなテイストのシングル曲が続いていた。即ち、世の中や束縛への反発や抵抗、自分自身への苛立ちや焦燥、そういったものを苦しそうに歌ってばかりいた。それはそれでいい曲だから構わないのだが、改名の意味があったのか疑問だった。
今回の『桜月』は、まずタイトルがグループ名に似つかわしいし、テーマもこれまでのシングルとは全然違っている。
この歌は、彼女との別れを歌った卒業ソング、いわゆる「桜ソング」である。
歌詞は置いておいて、まず曲調やアレンジについて書きたい。
イントロのピアノの高音は、桜の花びらが舞い散っている様子を描写しているように聞こえる。
続いて早口気味の歌詞を載せたAメロ、ラップ調のBメロと、緊張感を保ったまま曲は進む。そしてメロディアスなサビ部分は、ユニゾンで朗々と歌い上げられる。全体として格調高い歌だ。
サビ後の間奏に「トゥルル トゥルル」というスキャットが入る。これがまた絶妙だ。スキャットは無くても普通の間奏として違和感ないと思うが、スキャットがある方が断然いい。スキャットがあることで緊張が途切れずに、すぐに2番に続いていく効果があるように感じる。
2番の後、いわゆる大サビ部分で、音量が小さくなり、遠い記憶を思い出すような切なさがピークに達する。その後、再びサビ、そしてエンディングにもスキャットが重なる。
楽曲の構成として完璧だと思う。
歌詞は、実はよくある状況を描いている。
彼と彼女は最終バスを待つバス停で何度も一緒になったのだろう。最終バスと言うと東京の人は22時とか23時とか遅い時間を想像しがちだが、舞台は地方都市なので、せいぜい19時くらいと思われる。部活終わりか何かで同じ時間になることが多く、友達としての会話くらいはしたのかもしれない。いやもしかしたら彼の一方的な片思いで、話などできずたださり気なく見つめていただけとも解釈できる。でも、ここでは一応友達で、お互いに好意のようなものは持っていて、でも告白はしていない関係だったとしておこう。
そして、卒業後、彼女は東京の大学に行く。お互いに気持ちを伝えることなく、関係は自然消滅になるだろう。それでも今この時、満開の桜が散る景色は、自分自身の心象風景とも重なり、忘れることは無い。そのような自己陶酔的な思いを臆面もなく歌っていて清々しい。
彼女が遠くに行くため別れてしまう歌は、これまでもいくつかあった。
『酸っぱい自己嫌悪』(日向坂46)。
『大人列車』(HKT48)。
『フェリー』(NMB48)。
『三つ編みの君へ』(渡辺麻友)。
そして櫻坂46自身の『ずっと春だったらなあ』は、この『桜月』の姉妹曲と言うべき曲だ。ずっと春ではいられないから、せめてこの満開の桜を心に焼き付けておきたいと歌っているのだ。
歌の中とシンクロするように、桜が日に日に散っていくこの一週間、毎日の通勤時に、『桜月』をリピートで聴いていた。何回聴いても飽きない、むしろ聴けば聴くほど歌の世界引き込まれていった。
私もこの春のことは忘れないと思う。