空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

ソマリア:反政府勢力の攻勢-エチオピア軍基地を襲撃

2007-07-31 18:26:27 | ソマリア関連
 ソマリア民兵らはエチオピア軍を攻撃する

BBC news, Africa Somali gunmen attack Ethiopians Tuesday, 31 July 2007, 07:41 GMT

 40名ほどの武装戦闘員がソマリア首都,モガディシュ近くのエチオピア軍基地を襲撃した。重機関銃,ロケット弾の用いられたこの戦闘で,少なくとも4名が死亡した。

 これら銃撃者は5台の車両に分乗して来襲,『神は偉大なり』と叫びながら攻撃を始めたと目撃者は言う。

 イスラム原理主義者やそのほかの反乱勢力は,暫定政府を援助してソマリアに展開するエチオピア軍に強く反発している。

 死者のうち,少なくとも3名は民間人であると伝えられ,これには4歳の子供も含まれる。市内病院の医師は,政府軍兵士一名が殺されたと言う。

 先週,国連はエチオピアのライバル,エリトリアを,イスラム原理主義勢力に武器を供給したとして非難したばかり。なおエリトリアはこの主張を否定する。
 国連報告は,1991年以来の内戦期間の如何なる時期よりも多くの武器がソマリアに存在すると主張している。

----以上,BBC報道を概ね直訳。
 エリトリアの武器供給疑惑についてはエリトリアはソマリアに対する武器援助で非難される:ソマリア(7月28日)を参照されたし。

 国連がエリトリアを非難した直後に40人からの攻勢をかけるとは,武装勢力の意図は何処にあるものか。反抗勢力の健在をアピールする意味はある―にしても,「じゃあその武器はどこから調達した?」という疑問への回答は,『エリトリアからです』以外ないだろう。エリトリアの立場に傷がつく(今更ですが)。

 4月の大決戦で反抗勢力は武器弾薬を相当消耗してしまったはず。隠匿武器が回収できても,物の数ではありません(テロ行為がせいぜいだろう,常識的に考えて)。
 それなのに,車両+重機関銃+ロケットグレネードを40人分も用意できたとなると,相当の補給があったと判断せざるを得ません。

 言い換えますか。
 反乱勢力は今まで,警官殺しや市場警備の兵士の殺害や民間人殺し,会議場へのロケット弾攻撃程度しかしてきませんでした。
 今回は40人ほどとも言われる多人数の作戦を決行しました。攻撃対象はエチオピア軍基地です―装備優秀のはずの。

 反乱勢力は資材,集団戦闘能力の点で相当程度回復したものと思われ,今後強力な武装闘争を再開させる恐れがあります。
 そしてそれは,これまで以上にエリトリアの代理戦争の色合いを濃くするでしょう。エリトリアはソマリアの反政府組織に武器を供給し,自軍兵士の損害なしにエチオピアと戦うことになりましょう。

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