空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

ソマリア沖・違法投棄の現場が確認される!

2009-02-16 22:52:16 | ソマリア関連
 ソマリア沖の海賊活動が話題になる中,一部では諸種物資の海洋違法投棄の疑いも提出されております。こうした動きに対して,廃棄物海洋投棄の疑惑(事実)の存在自体を認めず,ソマリア沖の自主的な海洋監視行動の必要性を不当に貶める意見も挙げられています。

 曰く,「「廃棄物の海洋投棄」という事実があるのか、事実ならどういった問題が生じているのか、それに対して海賊 (自称・自警団) が直接行動に出た事例がどれだけあるのか、仮にそうした事実があるとして」(Kojii.net オピニオン Opinion : 海賊が裸足だから何 ? (2009/2/9) )―そう,廃棄物の海洋投棄事例! 自警団の存在意義を明らかにする,廃棄物のソマリア沖海洋投棄事例を提出する必要が,「自警団」論支持者には必要なのだ―反対論者に見せ付けるために!

 このたび,そうした事例が確認された―という報道(主張)を見つけたので,報告する次第。
 諸国の軍艦が多数監視する中,行われたこの海洋投棄事件―幸いにして犯人ども,地球環境の敵は速やかに自警団によって捕縛されたという。

 不幸中の幸いというべきだ。

 投棄された物資はソマリの海を,世界人民の海を汚すだろう。しかし,そのようなソマリ人民に対する犯罪行為を行った悪漢が然るべき罰を受けるのは,少なくとも道理に適ったことではあるまいか。

 ―自警団は,―今回は―海洋汚染を未然に防ぐ事はできなかった。自警団の力不足を痛感する事態だ。しかし,恐らく今後,自警団はより強化されることになるだろう。海洋汚染防止のため,諸国人民の一層の奮起が期待されるだろう:

BBC Russians capture Somali pirates  13 February 2009

 …あれ?

 以上,地の文中,「」の付かない"自警団"のところには"連合艦隊"とかてきとーに有志連合の艦船部隊を代入すべき事。

 そーゆーわけで,武器載せてて海賊活動しようと思ってたんでしょう,海賊サンたちはおロシア様の艦載ヘリに見つかって,その武器を海洋に投棄してるところをばっちり目撃されたとゆー話。国連肝いりの諸国連合艦隊は,なんか海賊防止だけでなく海洋汚染犯罪摘発にも役立ったりしたということで,「自警団」説支持者は,また更に自説の依って立つ根拠を掘り崩された格好に。

 んー。あとは『アメリカのミサイル攻撃で表土が流出,漁村近隣の海が汚濁・汚染されて漁ができなくなった零細貧乏漁民が万止むを得ず心苦しいながらもアメリカの横暴に対抗する意味も含めて所謂海賊活動に手を染めざるを得なくなった』説くらいか。でもそれ,精々Bargar raid位にしか当てはまらないんじゃない?(→「
ソマリア海賊問題時評
」2007年11月7日)。

 勿論その説は無茶がありすぎ。メリケンのミサイルでソマリア近海が壊滅するほどの水質汚濁が起きる―というのも無理だし,その水質汚濁の中に,諸外国の漁船が何でやってきて操業するのかという疑問がわくし,大体,近海操業しかできないところのソマリア漁民はソコトラ島沖まで出かけていますがなにか?
 まあペイするかどうかは別の話ですけどね。

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1 コメント

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ちょっとノリでネタ文章かいてみた (teiresias)
2009-02-16 23:03:42
そんなわけで(推定)ソマリ人犯罪者がソマリの海を汚した事例は発見できました。浅学にして,海賊が主張するところの「外国からきて汚染物質を投棄する者たち」については未だ確認できておりません。有志の方の,「自警団」活動によって得た資金を有効に汚染物資投棄や違法操業監視に利用したと見做しうる事例の教示を気長にお待ちしております。あとそれが正統性をもって主張できるかどうかの考察も。
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