空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

スクミリンゴガイ対策あれこれ ほか

2019-09-10 10:18:49 | ノート
Yahoo!News(京都新聞) ジャンボタニシはタケノコがお好き 駆除実験で大量捕獲成功 9/9(月) 14:38配信

京都府大山崎町は、農家の大敵となっている外来生物「ジャンボタニシ(スクミリンゴカイ)」の駆除に向け、大量捕獲できる対策を進めている。今夏は町内の水田で、ジャンボタニシをおびき寄せる餌を模索しており、中でもタケノコの水煮が効果を上げている

町経済環境課では今夏、駆除の効率を上げるためジャンボタニシを1カ所に集める餌に注目し、選定実験を始めた。2リットルのペットボトルの注ぎ口を切り取って餌を置く簡易の「おびき寄せ」装置を作り、農家の協力を得て水田に置いた

タケノコの水煮を仕掛けると、1カ所に数匹程度であった竹チップと比べ、50匹を超えるジャンボタニシが集まり、網で一気に捕獲できた

 そりゃおもしろい。こういう、「誰でも考え付きそうだが、本当にやるとは思わなかった」的な研究は大好物だ。
 さて



 とあったりするが

日テレ グリル厄介 ~南米の悪魔 ジャンボタニシ~ 2019.08.11 公開

トラップの中に入れたエサは4種類。
まず、大好物の稲と同じイネ科のタケノコを入れたトラップには、2時間で計157匹のジャンボタニシが。
続けて、甘い匂いで誘い出すバナナを入れたトラップには、計48匹で、タケノコの1/3程。
「ジャンボタニシが好きなニオイとか味があるのかな」
ジャンボタニシは、ニオイだけでなく、味も感知し、中でもタンパク質が豊富なものをより好むとも。
タケノコの100g当たりのタンパク質は3.6gに対し、バナナは1.1g。その差が表れた結果か?
3つ目のトラップは、そんなタンパク質が豊富なサンマだが、結果は95匹だった


そして、最も多くのジャンボタニシを集めたのが、ぬか床。
ぬか床は、発酵によりニオイが強く、ビタミンやミネラルなど、栄養も豊富。しかも、植えたてのイネよりも軟らかい。2時間で合計221匹。結果、トラップに最適なのは、ぬか床


 ―同時展開じゃないかな。計画→上長の認可→協力農家選定・交渉→実験、というタイムスパンを考えても、おそらく同時並行。「DASH」の中のひとが十分に調査研究の時間をとれて、諸種を勘案して番組をつくれたのは、各地で類似の計画が動いていたから…じゃないかな。なので、「DASH」の中のひとたちの優秀性を信じてよいだろうし、各地の地味なひとたちの努力も賞賛されるべきものじゃないかなあとメモしておく。

 そのほか京都新聞のこの手の記事のメモを:

京都新聞 巨大ナメクジ1道7県に拡大か 京大助教が目撃情報収集 2018年04月20日 16時48分

京都大理学研究科の宇高寛子助教は、欧州原産のマダラコウラナメクジの拡大を調べようと情報を収集。実態が白日の下にさらされつつある

マダラコウラナメクジは、ヒョウのようなまだら模様が特徴で体長は最大約15センチに達する。日本では2006年に初めて茨城県で生息が確認されたが、全国的な分布調査はなかった。宇高助教は16年1月から、短文投稿サイト(ツイッター)などで目撃情報を募り、分布調査を始めた

18年3月までに約300件の情報が集まった。論文報告と合わせ、関東や東北など1道7県で生息していることが分かった。西日本では未確認。宇高助教は「ナメクジは雑食で寒さに強い。予想より広く分布していることが分かった」と話す

さぞナメクジに愛着が深いと思いきや、「もともとはナメクジが好きなわけではないんです」。顔を近づけるのもあまり得意でなく、生態がよく分かっていない無脊椎動物の研究対象として関心があるそうだ

 とまあ、ムーンショット研究にはなりそうもないむっちゃ地味な、しかし誰かがやっててくれるとありがたい類の研究。わたしの好みだ(自分がそうだからということもあるが)―まあ実際土曜の懇親会で「ああ、あの、最近細かいことをやっている…」という思い出され方をされたしなあ。「いや、誰かがやっていてくれると…」とフォローの言葉もあったが。

京都新聞 一斉に卵パカパカ、カメムシ幼虫出現 ふ化の謎、京大が解明 2019年01月19日 14時55分

日本国内で広く見られるカメムシの一種である「クサギカメムシ」が一斉にふ化するメカニズムを解明したと、京都大などのグループが発表した。最初に生まれた幼虫が卵を割った瞬間に発生する振動が他の卵に伝わることが要因といい、成果は米科学誌「カレント・バイオロジー」に掲載された

クサギカメムシは共食いの習性があり、一斉にふ化する理由は、後にふ化する幼虫が、先にかえった幼虫に食べられるのを免れる狙いがあると考えられるが、その詳細な仕組みは知られていなかった

クサギカメムシの卵一つ一つの間の距離を離すと、全てかえるのに約2時間要する点に着目。二つの卵を用意して一方の卵が割れた瞬間にもう片方の卵に伝わる振動を計測、同じ振動を機械で再現してふ化前の卵に与えた。すると15分以内に卵がかえる割合が振動を与えない場合と比べ大きく増え、10倍になったケースもあった

京都新聞 クワガタ乱獲、再生の森が無残… 滋賀・野洲「いなくなるかも」 2018年03月30日 09時56分

滋賀県野洲市市三宅の河辺林「野洲川北流跡自然の森」で、カブトムシの幼虫やクワガタの乱獲被害が多発している

数年前からカブトムシの幼虫が持ち去られる被害はあったが、昨年11月ごろから一気に被害が拡大した。越冬のためクワガタが身を潜める樹木を無残に削り取り、土を掘り起こしてカブトムシの幼虫を根こそぎ持ち去るなど、森のあちこちで荒らした跡が目立つようになったという

 他人(の成果)を、自由に利用できる便利な資源として認識する類のひとがいるわけである。
 先日新幹線で、窓際席に座っていたら、「窓際がいいので、替わりましょうか?」という声が掛かった。指定席であるわけで、わざわざ窓際を選んだひとは、窓際席を好ましいものと認識している…よりよい資源だと認識しているであろう。そしてこの話者も窓際席を好ましい、我が座席としたい。なので「窓際がいいので」であろうが、「替わりましょうか?」というのは、なんだろう、ふつうは『貴殿に貴殿に有利になるような提案をしよう』という意味合いの構文ではないかなあ。

 なお拒否したところ、”そんなとこに荷物置かれたら(隣の席に座るはずの)うちのダンナが座れないじゃないですか!”と憤然とされ、つまりさっきの言葉は”お前は速やかに床においている手荷物を上の棚に置きなおせ”と翻訳すべきである…という文脈になるが、かなりキッツクないか。

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1 コメント

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Unknown ()
2020-06-15 14:21:20
「ジャンボタニシ」問題についてはさらに:https://blog.goo.ne.jp/teiresias/e/68cf9bb2e03c1040f44e9101dbf4c07f「ジャンボタニシ駆除手法開発:佐世保高専」
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