民主党政権で景気は回復したのに、菅首相がめちゃくちゃにしてしまった。鳩山首相から野田首相に交代していれば、もう少し民主党政権の寿命は長かったかもしれない。 https://t.co/tb9XicqWjv
— 池田信夫 (@ikedanob) 2019年2月11日
まあその、事実認識(「民主党政権で景気は回復した」)と、仮定の話(「鳩山首相から野田首相に交代していれば」)とその場合の予想される結果(「もう少し民主党政権の寿命は長かったかもしれない」)とにそうまでの異論を出すほどの見識はないしそんな気もそうはないのだが、なんで民主党政権が最悪呼ばわりされるかっていったら「菅首相がめちゃくちゃにしてしまった」ということに尽きるんじゃないのかなあとか思う。鳩山さんの「はっちゃけ!鳩山さん」状態もアレだったけど。
恐らく事実として「菅首相がめちゃくちゃにしてしまった」ために「公平にみて民主党政権が悪夢だったことは事実」(以下のアゴラ記事からの引用)と判定されることになるわけであり:
アゴラ 池田 信夫 民主党政権は「悪夢」だったのか 2019年02月11日 23:00
「公平にみて民主党政権が悪夢だったことは事実だが、安倍政権はそれほどいい政権なのだろうか」
世間のノンポリの正直な感覚を言語化したなら「かなりいい政権だといえる、なぜなら菅政権ではないからだ」ということになるのではないか。
「株価がもっとも大幅に上がったのは、安倍首相の就任直前である。つまりアベノミクスの効果の大部分は、プロビジネスの自民党が政権に戻るという心理的な「偽薬効果」だったのだ」などともあるが、素晴らしいことに、安倍首相はその偽薬効果を台無しにするような愚物ではなかった。
「2010年代に日本経済は、世界金融危機から着実に回復してきた。政権交代やマクロ経済政策は、よくも悪くも雇用にはほとんど影響していない。景気は世界的に回復したので、この時期に政権をとった安倍首相はラッキーだった」
そのラッキーをラッキーのままにできた程度には、無能ではなかったのだ、安倍首相は。そういうことを言うと反アベ主義者が怒り出すんだが。
それに対して「ボトムから景気が回復する途上でリーマンショックにぶつかったが、2009年後半から元のペースを回復した。これは民主党政権の経済政策がすぐれていたからではなく、麻生政権がばらまいた90兆円以上の補正予算がきいたものと思われる」という、前政権の施策によるラッキーを「株式市場にとっては、民主党政権は悪夢だった。2011年の東日本大震災と福島第一原発事故への対応も支離滅裂だったが、子ども手当などのバラマキ福祉で大企業から労働者に再分配しようというアンチビジネスの姿勢が、市場にきらわれたのだ」と、民主党は台無しにしてしまった。
―チャンスを積極的にダメにしてきた民主党政権(特に菅、というか菅。日本史の教科書に載るレベルで菅)。それに対してチャンスを活かせてるのかどうか微妙な安倍政権。どちらを評価するか、といったら、よけーなことをしない知恵があるぶんだけ安倍氏を評価せざるをえない、という程度のことではないか。
だから、変革のためには、「安倍は馬鹿だ」と繰り返すのは意味がない。安倍首相を馬鹿と評価することは、それは個々人の判断もあろうからどうでもよい。実際、チャンスを活かして大発展する―はずだったのに出来てないのは、まあ査定が厳しくなるのは当然のことだろう。
しかし交替しようとするなら、そのバカのせいで失われたチャンスを列挙し、自分たちであればこそそのチャンスを活かせるのだ、と主張するべきなのだ。
で、出来てこなかったよねと。
「憲法を守る」「憲法を変えさせない」って、現実的には安倍首相は憲法改定のための実質的な動きは発動できてないし、やたらあれこれ手を出しすぎてもう人的リソース的に無理よね、と。
…ということを指摘すると安倍の妄信者扱いされたりするからイヤなんだ…。
「安倍は馬鹿で危険だ」と言うのに対して
「憲法改定なんか出来るわけないのにね」と、安倍無能説に適合するコメントをつけると
「いやなんだか解らん」と答えるのは論理的でない。
「いや人的リソース的に無理ですわ、憲法改定の規定的にも」とコメントすると
「いやどうなるか解らん」というのは、どういう状況を想定しているのか。
国会での発議・決議をどう都合つけるのか。国民投票の結果をどうするというのか。多数派工作するにしても、もしか投票結果を偽造するにしても、おそろしいコストがかかるのは明らかなのに。「安倍親衛隊」が強行するとでも? そんな状況を知られずに押し通すことはほぼ不可能だし、可能にするための資源はどこから調達するんだと。
それでいて「いやあ、こんな知的な会話ができるのは我々ならではだよ」とか言える、もはや「痴性」をどう評価すべきかと。
という個人的な愚痴はさておいて。
教科書に載るレベルの菅と、まあ無難すぎて教科書に載りそうもなぃ安倍と、どっちをどう評価するか。いまの政権支持率等々は、それなりに正直な結果を表していると思えるのだが。
ちがう話ですが、政治的圧力の存在を疑ってるかたがいるようです(*_*)https://t.co/QO3qJx2JZD
— yoshiaki (@berengario_2018) 2019年2月11日
自殺数というものっそい正直な指標が、「まあ全体的には悪くはなってないですよ。ちょっとはよくなったかな、継続的に」と主張しているので、政治的圧力だけでなんとかなるもんとは思えないのだが。
基本的には、世界への希望を失って絶望して自殺するものかと思われ、そうなってしまう人たちの数が減っているのは、世相が全体としてはまあそう悪くないことの反映と思われる。反アベ主義者が強調するように世界最悪政権の最悪政治が最悪に行われているというなら、それは反アベ主義者が人々に自殺を推奨していることになりかねないが、しかし世間はその声に反対しているのだ。
民主党時代にもっと金融緩和すれば雇用がよくなり自殺率がもっと低下すると教えた。それを無視したのは金融引き締めが高成長になるが持論の枝野氏。一方安倍さんは実行した。これが差だよ→首相の民主政権「悪夢」発言、枝野氏反論「自殺者が…」:朝日新聞デジタル https://t.co/cNKkrMBEBQ
— 高橋洋一(嘉悦大) (@YoichiTakahashi) 2019年2月11日
政治家。に求められるものは①判断決断力、②実行力、③成果、だけだよ。枝野氏は金融引き締めが高成長になるに固執しオレなど他の意見を聞く耳をもたなかったから、①でアウト。①がないと②は論外。結果として、安倍政権とは③成果で大きな差がついた
— 高橋洋一(嘉悦大) (@YoichiTakahashi) 2019年2月11日
まあその、「オレの意見を採用しなかった」という恨み言というインネンのつけかたはあろうが、まあなあ。成果の違いは明らかではあるしなあ。
政治。よりマシなものを選択することだから比較することは重要。比較しにあやつは好きか嫌いかだけをいっているヤツだな。金融政策=雇用政策、を日本の左派が理解していないのはまったく不思議。欧州左派に聞いてみろといいたい。その上で、失業率と自殺率の安定関係をみればいい pic.twitter.com/in6sXsOhvX
— 高橋洋一(嘉悦大) (@YoichiTakahashi) 2019年2月11日
反アベ主義者のアレは、「安倍政権は最悪だ」というのは、ほかと比較せずに、今現在は最悪だという主観的信仰告白なんだな。
「戦後~」とかいうのは、純粋に無意味な枕詞であって、特段の現実を示唆するものではないのだ。
だから「いや、菅と比べたらマシだわ」とかいうふうに具体的に比較すると「そうじゃないんだよなあ」とかいう不満足の表明で迎えられるんだ。
この種類の人々は、今現在の景気なりなんなりが多少はよい・体感的によいと評することができるところを捉えてそういうのだ―と想定できる。
それは、さきの単純な体感的反アベ主義者と同様の水準だ。
朝日新聞か赤旗の記事見出しを繰り返す程度の老人に、あああなたは賢明ですねという意味の言葉を、さまざまな文章表現を駆使して言いつづけてあげればよかったというわけなのだ。
知るか他所でやれ、という気がするが。
三日に一回一時間、月に一度は二日半というのはきつすぎる。