空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

ソマリア:アル・シャバブは指導者を交代する

2007-12-24 16:38:26 | ソマリア関連
 Somalinetの報道によれば,ソマリアのイスラム主義者勢力武装部門,アル・シャバブはリーダーを替えた:

SomaliNet Somalia Islamic movement makes new leadership Sat. December 22, 2007 05:05 am.- By Mohamed Abdi Farah

 アル・シャバブの名で知られるソマリアの「青年イスラム運動」は,Sheikh Mukhtar Abdirahman Abu-Zubeyrを新指導者とした旨声明を発したと土曜,とあるアラブ新聞は報じたという。

 ロンドン所在のSharq Al-Aswsat新聞はアル・シャバブから,Sheik Mukhtar Robow Abu-MansorからAbu-Zubeyrに指導者を変えたという声明を受けたという。

 アル・シャバブはソマリアの各地方の支配を目指して闘争を続けているが,政府とその同盟者エチオピアに対する全面的戦争を行うという由。

 この新指導者は,タリバン政権下のアフガニスタンで訓練を受けたといわれる。

 …というわけで,アル・シャバブはタリバンとの繋がりを疑われることを恐れない,ということでしょうか。潔いといえば潔いですが,政府側の広報次第では,国際的・外交的にマイナス効果を持つかもしれません。いまさらだけど

 さて,イスラム主義者らは各地に地道な活動を展開しつつある様子。ソマリア中部のGalgadud県知事のもとに脅迫状が届き,地元指導者は彼に避難を勧め,結局知事は逃亡したという:

Garowe Online Governor flees region after insurgent death threats Dec 22, 2007 - 5:44:01 PM

 Abdulkadir "Sufi" Elmi Salaad氏とその地域の警察指導者Omar Hassan大佐は22日遅く,プントランドGalkayo市に逃亡。イスラム法廷に連なるグループから電話・手紙による脅迫をうけてのこと。

 地元部族指導者らは,彼らの身の安全のため,当地を離れるよう助言したという。Galgadud県はイスラム勢力最高指導者Sheikh Hassan Dahir Aweysの地元だそうで―イスラム勢力の強固な地盤があってもおかしくないわけ,でしょうねぇ。
 エチオピア軍は県都Dhusamareb南東Guri El市に小部隊を派遣しているのみの模様。なお,彼ら以外にも県都を離れた政府関係者があるという。

 さらに政府側議会所在地,バイドアで暗殺事件:

Garowe Online Somalia judge assassinated in Baidoa Dec 22, 2007 - 6:23:16 PM

 モスクから出てきてちょっとしたところで銃撃され,裁判官が暗殺される。
 Sheikh Mohamud Ahmed氏はBay県裁判所の人。金曜夜,バイドア市の病院で死亡確認。目撃者によれば,2人のピストルで武装した男たちが彼を銃撃,夜闇に隠れて逃亡。

 なお,バイドアは夜間外出禁止令が出されている由。

 Bay警察指揮官Ibrahim Hashi Gabowは,暗殺者等は「モガディシュから」来たと言う。その目的は,バイドアも安全な場所ではないと知らしめるにある,と推測される。

 そんなわけで砲弾ばかりでなく暗殺,脅迫も乱れ飛ぶソマリア情勢でありました。…というかですね,『邪魔な奴は殺してしまえ!』で殺しすぎると,行政等を担う人材が払拭する恐れがですね…。

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