空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

民間船の徴用とビルマ戦時の帝立丸

2017-10-27 21:17:16 | 本・論文・研究メモ


 なんで2年近く前の記事を引用してるんだ、という気はするが:

毎日新聞 船員予備自衛官化 「事実上の徴用」海員組合が反発 毎日新聞2016年1月29日 21時01分(最終更新 1月30日 09時22分)

 現実は極めて厳しいからなあ:



 なお、インパール戦の戦記ものをみて気付いた・気付けることだが、『なぜか、著者たちがみな同じ船に乗っていた』。

 いまどきの陰謀論者にみせれば、これは証言の捏造っぷりが甘かったからだ、とか言いそうだが、これは僚船が沈んでしまっただけのこと。たまたま生き残って南方に到達し、行かされた先がインパール。単なる地獄の二段階選抜を潜り抜けた豪運の持ち主たちであるというだけのこと、というのが事実のようである。

 珍しいところでは、「私たちが乗船したのは次の日の夕方です。帝立丸という一万トン級の貨客船でした。総員千三百名。汽笛を聞きながら門司港を離れましたが」(菅原利男『パゴダの祈り―八十二歳追憶のビルマ戦記―』p.16)。
 この船は、荒木進『ビルマ敗戦行記』(岩波新書)にも言及があるようだ。同じ便だろう。

 この帝立丸、門司港を10隻ほどで出て行って、途中で潜水艦の浮上攻撃を受け、マニラを出るときには2隻だけになっていたとか。

メモ:「帝立丸の船歴
Cinii 「帝立丸救助作業に就て」小田 勝治 飯野産業株式會社サルベージ事業所、関西造船協会会誌 (65), 20-27, 1949-08-10、公益社団法人日本船舶海洋工学会
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