空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

キスマユは政府のコントロール下にない:ソマリア

2007-12-13 01:34:46 | ソマリア関連
 ガローウェ・オンラインの報道。ソマリア暫定政府ユースフ大統領はロンドンで,ソマリア南部の港町キスマユは政府の影響下にない旨,認める:

Garowe Online Kismayo is not under the government's control: President Dec 11, 2007 - 6:43:14 PM

 UK,ロンドン発,12月11日。
 定期健診のためロンドンを訪れたユースフ大統領は,ソマリア第3の都市,南部の港町キスマユKismayoは暫定政府のコントロール下にないと認める。これは既に皆に公然と知られたことであり,大統領が改めて事実を確認したという点にニュース性がある,というものの様子。

「私の健康状態はよろしいよ」とVOAのインタビューに答える大統領。しかしエリトリアに根拠を持つ反対派が,キスマユへ今週,謎めいた訪問をした件について問われて上掲の事実を認める。

 反対派と言うのは,以前は「イスラム法廷連合」UICと呼ばれた彼らを主体とし,エリトリア首都アスマラにおけるソマリア国民和解会議の結果形成されたソマリア再解放連盟the Alliance for the Re-liberation of Somaliaのこと。

 ローカル情報源によれば,ソマリア再解放連盟のUgas Mohamed Weli氏は数日をキスマユで過ごした由。 尤も,退去を求められたとか。

 キスマユでは4月・6月に2支族間で内輪もめが起き,一方が支配する形で収まり―結果,政府の指揮を離れた模様。

「現時点で,その都市(キスマユ)は政府の手の内にない」と大統領は語る。「そこでは現地の人々が統治しているのであって,もし政府があったなら,彼ら(敵対勢力の人々)はそこに入らなかったろう」。

 なお,この問題について軍事的解決は目指さない方針。「我々は諸氏族とは戦えない。我々は諸地方人を和解させ,テログループを孤立させねばならない」。

 なんでも政府筋がガローウェ・オンラインに語るには,エチオピア軍がキスマユへの軍事作戦に反対したのですって。ソマリアで,新戦線を開くことに,エチオピア指導部は難色を示す―のだそうです。

 …侵略者エチオピアの矛先を鈍らせたソマリ人民の勝利!とかいうのはきっと早合点。モガディシュが片付いていないのに新たな戦場を開くのはそもそも間違いですし,ことはブルンジの増援が来てからでも遅くないでしょう(ブルンジに敬意あれ―ソマリア 11月29日)。
 …すいませんがブルンジさん。そろそろ2週間経ちますが,先発隊でも頂けないものでしょうか。

 エチオピアの最大の関心は,恐らく,今は北方国境にあるはずです。それに応じてエリトリアの関心は南方国境にあるわけで。そんなわけで,ARSの活動は,エチオピアの後方撹乱になっている気味が感じられ―とゆーかARSの主敵はエチオピア派遣軍―…。

 …ソマリ人が,ソマリ人の血でもってエリトリアの為にエチオピアをソマリアで忙殺する。そんなARSに,私は好感を持ちません。

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