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てらまち・ねっと



 知人のジャーナリストが福岡県添田町での不正やリコールのことを教えてくれた。

 前から、新聞などで、収賄側の副知事と贈賄側の町村会長らが逮捕されたという事件は知っていた。
 「町村会長と県の副知事との贈収賄」という妙な構造なので印象があった。

 町村会長は「添田町長」。
 現職町長として今年2月に贈賄で逮捕、その後、起訴されながらも辞職せずにいる、刑事被告人が町長ポストに居座り続けるのは、極めて異例。(週間ダイヤモンド)

 その添田町長のことの記事を見る前に、ここの町(自治体合併して「山県市」になる前の「高富町」)でも、贈(収)賄で逮捕された町長が、逮捕・拘留されても「辞任しない」という事件がおきた。

 行政は、拘留されていても「町長は町長」だから、給料やボーナスを支給するという。

 ●公務員の論理は、規定だから「在職」している以上、支給せざるを得ない。
 ●住民感覚では、逮捕・拘留されていて何の仕事もしていないのだから、給料は払うな。

 住民監査請求したけど、支払われたので、住民訴訟を提起。

 岐阜地裁での第一回弁論のときのこと。
 裁判長から、こういう事例はない、原告被告双方、何か判例か学説などがあれば出してほしい、と法廷でいわれた。

 確か3回目あたりで裁判所の和解勧告。
 その後、和解勧告を拒否した被告は、判決で負けた・・・
   (この経緯は、裁判所の温情かとも思った)

 そんな、事実の話をまず紹介しておく。

 ●逮捕されて拘留中の町長に支給した給与の返還命令
 2002年5月、高富町長が町の公共事業に係る贈収賄事件で逮捕。すぐに辞職しなかったため、町は拘留中にもかかわらず、給与とボーナスを支給した。町の言い分は、「逮捕されていても、町長の身分はあるから」、というもの。そんなことは許されない、と提訴。敗訴した被告は控訴しませんでした。
行政の支出は違法である、との判決が確定しました。

 日本の住民訴訟の原告=住民の勝訴率がたった一桁の%しかないといわれる中、せっかくの勝訴判決なので、もう少し詳しく紹介します。 
 ●逮捕拘留中の給与支出は違法! 
    判決のまとめ
 ◆(当時の)Y高富町長は、2002年4月28日より連日県警の事情聴取を受け、5月1日、町の公共事業に関しての収賄容疑で逮捕され、5月22日に岐阜地検により起訴されました。6月4日に高富町議会で辞職の承認を得ました。本人は、7月15日の初公判を経て、やっと翌16日に保釈。このように、逮捕された5月1日以降は実質的に職務=公務についていません。

 そこで、町民の有志は、逮捕・拘留中の給与と期末手当の支給をしないように差し止めの住民監査請求をしました。それらもかかわらず、高富町は給与・期末手当を支給しました。町の見解は、「助役が職務を代理しても、町長の身分は有しているから、支給は違法ではない」というもので、国や県など行政関係者の一致した見解。
 これをくつがえした判決が出ました。

◆02年8月22日、「5月分給与77万円、ボーナス34万円を山崎氏個人が返還すべき」と、住民8名が提訴しました。被告は、逮捕されたY前町長本人のみ。

◆《私たちの違法性の主張》
 ◎ 拘留中は「勤務」といえず、職務代理者も置いたから、給与を支給する根拠がない。
 ◎ 拘留も勤務なら、出張の旅費、日当を支給するはずなのに、町は支給していない。
 ◎ 条例は「勤務しないときは、減額した給与を支給」と規定している。
 ◎ 勤務がないから期末手当も支給でず、条例には不支給及び差止めも決められている。
 ◎ 住民の税金を原資とすることからも、社会通念上も、許されない。

◆03年11月26日岐阜地裁判決
 裁判長は、第一回弁論時に、随分調べたがこの種の判例がない、と述べました。そして、和解が勧告され、4回の和解協議の後、最終的に被告が和解を拒否しました。

 判決は、毎月の給与に関して、
 ◎ 拘留中は職務を行っていないから条例の規定からして給与77万円を高富町が支出したことは違法、
 ◎ 被告は不当利得しているから返還すべき、とし、
 ◎ ボーナスに関しては(給与と比べると)不合理ともいえるが条例の規定上違法とまではいえない、というもの。


◆被告は控訴せず!
 被告側は控訴しませんでした。
 なお、贈収賄刑事事件は、業者側は、指名してもらったことと予定価格を教えてもらったことのお礼であることをすぐに認め、ちょうど1年前に有罪(執行猶予付き)が確定。
 元町長は、第一回公判で容疑を認めたものの、次回から全面否認に転じ、情状酌量は求めず。検察は教唆がなければ予定価格の99.7%で落札できないことなども示し、求刑は懲役1年6カ月罰金100万円。12月8日に結審し注目の判決は04年2月6日。
 (その後、有罪が確定)

◆自治体は条例を改正する必要がある!
 福岡県議会は、逮捕拘留中の議員の給与支給を差し止めるよう自ら条例改正。全国の自治体が議員ら非常勤職員と長ら常勤特別職も一般職もすべて、差し止める(嫌疑がはれたら溯って支給する)と、条例改正すればこんな問題はおきません。

 ● 訴状 
  ● 判決全文・確定

 (関連) 山県市や旧高富町、一部事務組合などに関しての住民監査請求や住民訴訟などの経過


 ところで、今朝は6時前からイチゴの収穫など。
 その前に作っておいたブログを今アップ。
 9時半からは議会の特別委員会、ということでこれから出かける。

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 連載の第一回は 2010年5月5日のブログで紹介した。
  ⇒ ◆名古屋/河村市長への評価 いろいろ/地方自治 ”腰砕け” 通信記 週刊ダイヤモンド

 国政の混乱が極まるなか、事態打開の切り札として期待される「地方分権」。だが、肝心の地方自治の最前線は、ボイコット市長や勘違い知事の暴走、貴族化する議員など、お寒いエピソードのオンパレードだ。これでは地方発日本再生も夢のまた夢。ベテラン・ジャーナリストが警鐘を鳴らす!


 ●前代未聞!贈賄で起訴された町長は居座り
     相川俊英の地方自治“腰砕け”通信記【第2回】 2010年5月13日/ ダイヤモンド・オンライン
 擁護のビラがばら撒かれる福岡県添田町の「見識」
1234 「このような行為は添田町にとって不名誉なことであり、行政運営の多大な遅滞と混乱をまねくことは明白であり、我々としては、断じて許すわけにはいかない」

 福岡県添田町で、こんな激烈な内容のチラシが全戸に配布された。現職町長が今年2月に贈賄で逮捕、その後、起訴されながらも辞職せずにいる町である。刑事被告人が町長ポストに居座り続けるのは、極めて異例のこと。政治家の出処進退として首をかしげざるを得ない。チラシはこうした町長の行為を批判するものと思いきや、正反対であった。

山本町長の後援会長は 何も悪いことはしていないと胸を張る
 4月21日から町内で始められた町長リコールの署名活動に対し、異を唱えるものだった。「このような行為」とはリコールの署名活動を指し、「大きな汚点を残すことになる」とまで批判している。チラシの差出人として「ほんとうの添田町を考える会」と「山本後援会」の2つの団体名が書かれていた。しかし、代表者名や連絡先の記載は一切、ない。

 同様のチラシが、その後も添田町民宅に送りつけられた。町長へのリコール運動を「町民同士の対立が激化し、遺恨が残るだけで、何一つ良いことはない」とし、批判をエスカレートさせていた。そして、「署名簿は町に選挙権のある方ならば、誰でも見ることができます」と、ことわりを入れていた。

 一般町民を不安がらせ、署名を躊躇させる意図がうかがえた。「向こうがリコール運動を始めましたが、リコール制度をよく知らない町民も多いと思い、リコールとはこういうものですよと、町民に知らせることにしました」。こう語るのは、チラシを配布した「山本後援会」会長。何も悪いことはしていないと胸を張る。

 そして、「町長は町のカネを使ったわけではなく、町に迷惑はかかっていない。大きな罪ではないので、これからも町長として頑張ってもらいたい」と、持論を展開する。贈賄事件は私利私欲ではなく、町のためにやったもので、むしろ、しっかりと町長を支えるべきだというのである。どうやら、目的が正しければ、法律違反などは大したことではないとのお考えのようだった。果たしてそうだろうか。

添田町の山本文男町長が贈賄容疑で逮捕されたのは、今年の2月2日のこと。賄賂の送り先は福岡県の中島孝之副知事。後期高齢者医療広域連合の設立に際し、県町村会に便宜を図ってもらった謝礼として、現金100万円を副知事室で渡した疑いだ。広域連合の分担金割合を町村側に有利に取り計らってもらった見返りだ。山本町長は県町村会長を長年、務め、県庁生え抜きの中島副知事とも昵懇の仲だった。

 汚職事件の端緒は、県町村会事務局からの内部告発だった。内容は、事務用品の架空発注などを繰り返して裏金を作り、県幹部などへの官官接待の資金に充てているというものだった。昨年末に裏金作りを担当した事務局職員らが詐欺で逮捕され、不正な公金支出による官官接待の実態が明らかにされた。この時点で接待された側の中島副知事は道義的責任をとり、辞任した。全国知事会の会長を務める麻生渡・福岡県知事の腹心で、実力者だった。

 県町村会を舞台にした不正な公金支出の捜査の過程で、贈収賄事件が発覚した。収賄側の副知事と贈賄側の町村会長(山本文男・添田町長)らが逮捕され、福岡県は大騒ぎとなった。主犯の2名とも知事に近い人物で、県政に絶大な影響力を持っていたからだ。

 山本町長は保釈後の3月1日、町議会の全員協議会で「町自体に悪いことをした覚えはない」などと弁明した。また、「(副知事に渡した)祝い金が多すぎた」と開き直り、自らの進退については「民意に従う」と言葉を濁した。その直後に開かれた記者会見では「事件の被害者は私だ」とまで語り、公金を不正に使い、政策を大きく歪めたことへの反省は皆目うかがえなかった。

 こうした非常識な言動を支えたのが、町民や町議の一部が逮捕直後から取り組んだ山本町長の続投を求める署名活動だ。山本後援会が中心に進めたものだが、「5700人から5800人分の署名が集まった」(後援会長の話)という。町長はこれこそが民意とばかりに、批判の声に耳を塞ぎ、居座りを続けているのである。

議会で不信任案は不成立 町民がリコールに立ち上る
 言うまでもないことだが、目的が正しければ法律違反も許されるという理屈は、法治国家では通用しない。賄賂を認めながら辞職せずというのは許されないとの声が町議の中からも上がり、町長への不信任案が提出された。臨時会が3月4日に開催され、採決となった。議員定数は13人。不信任案に賛成したのは岩本泰三郎議員、久保田実生議員、白石英雄議員、竹田善浩議員、田中正議員、松本雄二議員、浦野信義議員の7名にとどまり、成立に必要な4分の3に達せず不発に終わった。つまり、6人(井上孝行議員、上田定議員、緒方裕子議員、白石富雄議員、高瀬知恵子議員、畠田勝廣議員)が、町長の続投を容認したのである。

 こうした結果を受け、事態を憂慮した町民たちがリコール運動に立ちあがったのである。不信任案に賛成した7人の町議も加わり、「山本町長をリコールする会」(矢野一義代表・以下リコールする会)が結成された。署名集めは4月21日からスタートし、5月20日までの1ヵ月間に有権者(約1万人)の3分の1署名がそろえば、本請求が成立。住民投票となり、過半数の賛成で町長の失職が決定する。冒頭に紹介したチラシが町内にばら撒かれたのは、リコール運動が開始される、まさにその前後の出来事だった。

「今のところ直接的な脅しはありませんが、住民を不安がらせるようないろんなデマが流されています」。リコールする会の矢野一義代表は、厳しい表情でこう語る。町民から事務所にいろんな問い合わせ電話が入るという。例えば、リコールが成立したら、町営バスがなくなってしまうと聞いたとか、町営住宅の家賃が倍に引き上げられる、なかには生活保護が打ち切られると聞いたというものまで。また、署名簿が役所の前に張り出されるのかといった不安の声などなど。

 町民の中に山本町長を崇拝し、かつ、畏怖するようなムードがあるという。それだけにリコール運動へのブレッシャーは生半可なものではない。リコールする会の副代表のひとり、松本雄二町議は「誰も町長に逆らえない状況が続いてきた。すべてが町長のおかげだという“山本神話”なるものまで広がっていた。40年間という長さは人間を腐らせてしまう」と、解説する。

町制100年の記念の年 再生に向けた町民の正念場
 山本文男町長は84歳。もともと地元の炭鉱会社の労働組合委員長で、町議を経て町長に当選。以来、10期39年余に渡って町政のトップに君臨している。

 人口約1万1000人の小さな町の町長ながら、全国の自治体関係者で彼の名を知らぬ者はいない。1999年に全国町村会会長に就任し、連続して6期務めているからだ。地方の代表、なかでも過疎地や小規模自治体の代表として、政府の様々な委員を兼務。国にズバズバもの申す存在であった。県のみならず、国とも強力なパイプをもつ豪腕町長として知られていた(3月8日に県町村会長は辞任。自動的に全国町村会長も辞任となった)。

 地方の代表として国と対峙してきた山本町長は、地元添田町で長期政権を樹立し、他を寄せ付けぬ存在となっていた。10回に及ぶ町長選のうち、6回は無投票。

 しかも、最近は3期連続の無投票である。役場内はもちろんのこと、議会内にも睨みを利かせ、議員に有無を言わせなかった。目障りな議員を蹴落とすために町議選で競合する人間を擁立し、つぶしていったという。こうして町内全域に盤石な体制を作り上げ、長期政権を実現させていったのである。

 添田町は来年2011年が町制100年の記念の年。1月に町長選が予定されていて、山本町長は11回目の出馬を目論んでいたという。そうした中での逮捕・起訴である。町長の威圧に屈し、長年、沈黙を強いられてきた町議の一部と町民が勇気を振り絞って立ちあがったのが、今回のリコール運動といえる。はたして町制100年を、町の再生とともに迎えることができるのか、添田町民の正念場といえる。

 ところで、改革の1丁目1番地に「地域主権」を掲げる民主党政権だが、実態は誠にお寒いものと言わざるを得ない。その実例が添田町の山本町長への評価である。地域主権や地方自治の旗手ではなく、地域ボスの典型といえる彼を総務省顧問に選任していたのである。

 さすがにまずいと思ったのか、事件後の3月15日に縁切りとなったが、腰が砕けるような話ではないか。地方自治の実情をどのように捉えているのか。政治主導を掲げる民主党政権の見識が疑われる話ではないか。


 ●添田町で町長リコールの署名集まるが、新たな疑惑が浮上
        相川俊英の地方自治“腰砕け”通信記【第3回】 2010年5月25日 /ダイヤモンド・オンライン
 福岡県添田町の町長リコールの署名集めが5月20日、1か月の期限を終えた。住民団体「山本町長をリコールする会」(矢野一義代表・以下リコールの会)の発表によると、集まった署名数は3629。町選挙管理委員会による審査を経て正式確定となるが、リコールの会メンバーは皆、住民投票実施に必要な有権者の3分の1(3291人)をクリアしたと、安堵の表情を見せる。

 リコール活動を激しく批判するチラシが大量に配布されるなど、様々な圧力や妨害の中での署名集めを強いられていたからだ。巨大な見えない力に半ば怯えながらの活動といえた。もっとも、町長の解職は住民投票で過半数の賛成を得て確定する。まだ一件落着とはならない。

 添田町の混迷は、山本文男町長が贈賄で逮捕・起訴されたことから始まる。山本被告は84歳。1971年から連続十期、添田町長を務め、全国町村会長も6期目(事件後辞任)という超大物である。福岡県内はもちろん、全国にその名を轟かせ、自治体関係者に広く知られる存在だ。昨年秋には総務省顧問に推挙されるなど、地方自治体を代表する人物のようにみなされていた。

 そんな山本町長が引き起こしたのが、福岡県副知事への贈賄事件。県町村会長も務めていた山本町長は、県の後期高齢者医療制度の運用に関し、町村会側に有利に取り計らってもらう思惑で、副知事らへの官官接待を重ねていた。そして、実際に便宜を図ってもらった見返りとして、副知事に現金100万円を渡したとして逮捕・起訴された。

 一連の接待や賄賂の原資となったのは、町村会事務局の金。職員が不正経理を重ねて捻出した裏金である。つまり、公金だ。裏金作りに関わった町村会事務局の幹部二人は詐欺で逮捕され、すでに有罪判決を受けている(5月14日)。また、収賄側の副知事も逮捕前に辞任し、いまは刑事被告人として初公判(6月9日)を待つ身になった。地方行政を歪めた責任は大きく、辞任は当然のことだ。

 しかし、責任を全く取らずに開き直っている政治家がいる。汚職事件を主導した山本被告である。彼は2月2日に逮捕された後、県町村会長と全国町村会長を退いたものの、添田町のトップから離れることはなかった。それどころか、保釈後に町議会で事実関係を認める一方で「事件の被害者は私」と平然と語るなど、罪の意識のないことを明らかにしていた。

 こうした姿勢に町内からもさすがに疑問の声があがった。だが、40年に及ぶ長期政権によって築き上げられた支配構造は、半端なものではなかった。町長擁護の署名活動が展開され、町議会での町長不信任案もあえなく否決されてしまった。それならばということで、町民の一部がリコール運動に立ちあがったのである。

ところが、その出鼻を挫くように、リコール批判のチラシが町民宅に大量に郵送された。「このような行為(リコール運動)は添田町にとって不名誉なことであり、行政運営の多大な遅滞と混乱をまねくことは明白であり、我々としては、断じて許すわけにはいかない」といった激烈な内容で、しかも、2度に渡って配布された。その数は約4000枚。また、町長がリコールされたら、学校給食がなくなるといった類のデマが町内に流布され、町民の不安をかきたてた。

 このリコール批判のチラシ郵送にある疑惑が浮上している。町民宅に封書で郵送されたのだが、宛て名に通常は使わない戸籍上の漢字が使われるなど、不自然な点があるという。

 町民が誤って町に登録した住所などがそのまま表記されているケースもあり、リコールの会は「町が管理する情報が流用されたのではないか」と、町に疑いの目を向ける。


 こうした事態を座視するわけにはいかないと、町議会が実態解明に動き出した。5月20日の臨時会で、調査特別委員会(百条委員会)の設置が7対6の1票差で可決されたのである。5月26日に開かれる百条委員会で、チラシを配布した「山本後援会」の幹部や町の幹部が参考人として招致される予定だ。

 一方、汚職事件の震源地となった福岡県町村会で耳を疑うような出来事が起きていた。県町村会は今回の不祥事を受け、組織改革を進める検討委員会を設置した。

 詐欺罪で幹部職員二人が有罪判決を受け、前会長が贈賄罪で起訴され初公判(6月9日)を待つ刑事被告人となっただけに、再発防止や信頼回復のため組織改革は必須である。その第一歩として組織見直しの検討委員会が設置されたのだが、どういう訳か委員会メンバーに当の山本被告が選ばれていたという。

 どうやら、山本被告が会長を辞任したものの町村会に理事として残っていたので、そのまま委員会メンバーにあてられたようだ。福岡県の町村長らは一体、何を考えているのか。その感覚を疑わざるを得ない。起訴段階では推定無罪だとして、責任追及すべきではないとの判断か。

 しかし、政治家の責任はより重いもののはずだ。それとも、町村会のために法律を犯して頑張ってくれた功労者だと考えているのだろうか?仮にそうであったら、日本は法治国家ではないと言わざるを得ない。


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