昨日の毎日新聞の紙版の朝刊の一面に「選挙違反・警察の供述強要」の旨が出ていた。
このブログにも、列記した事件。
5月10日ブログ⇒ ◆選挙違反/買収」や「接待」「文書」などは当然として、近年は「報酬」にも
昨日は、報道各社の後追い記事が並んだ。
しかも、捜査に問題があったという判断なのか、捜査当局の方針転換は、検察主導で結論が早い。
「2人の勾留期限は28日だが、さいたま地検は27日に起訴・不起訴の判断をする方針だ。」 (産経新聞)
「地検は、両容疑者を27日にも処分保留で釈放する方針を固めた」(読売新聞)
とはいえ、
「一方、有権者の一人は、県警が関係者の聴取を始めた4月25日ごろから、会合に参加した有権者が複数回にわたって集まったことを明らかにした。聴取の内容についてお互い確認し合い、質問にどのように答えるか事前に打ち合わせたという。」 (朝日新聞)
というように、調整済みで捜査に応じた可能性もあるし、
いずれにしても、
「1人当たりの飲食代金が約4900円に上ったため、不足分約1900円は永田容疑者が負担したという。 」 (朝日新聞)
一人約5000円の宴会だったわけで、その4割を候補者が出したというのが買収にならないのは不思議。
私から見れば、捜査のあり方とは別に、
事例として、一部の経費を会費として集めたから選挙違反にならない、そういう捜査の常識、
裏返して「悪意の政治家の常識」を
許容してはいけないと思う。
先日の岐阜地裁での「岐阜県議選の選挙公営費返還請求・住民訴訟」の弁論では、
裁判長が「いずれにしても、政治家のモラルの問題」と言っていた。
心証としてはクロ、・・で、判決はどうするか・・・そんな雰囲気。
ところで、今日は、選挙講座で名古屋へ出かける。
5月19日ブログ⇒ ◆「議員と市民の勉強会」のご案内/第一回は5月27日(金)・28日(土)
今日は、名古屋高裁で住民訴訟の控訴審・弁論もある。
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●●埼玉・深谷市の市議会議員夫婦、選挙運動の報酬として支援者に飲食接待 逮捕
FNN (05/09 00:01)
埼玉・深谷市の市議会議員の夫婦が、選挙運動の報酬として支援者に飲食の接待をしていたとして逮捕された。
公職選挙法違反の疑いで逮捕されたのは、深谷市議会議員・永田勝彦容疑者(67)と、妻・文恵容疑者(63)。
永田容疑者らは2011年2月、深谷市内の飲食店で支援者20数人に対し、選挙運動の報酬として、1人あたり数千円の飲食の接待をした疑いが持たれている。
2人は容疑を否認しているという。
●レストラン接待…買収容疑で深谷市議逮捕
日刊スポーツ [2011年5月8日20時40分]
埼玉県警は8日、公職選挙2 件法違反(供応買収)の疑いで、4月24日投開票の同県深谷市議選で当選した同市議永田勝彦容疑者(67)と妻文恵容疑者(63)を逮捕した。
逮捕容疑は、共謀して2月中旬、深谷市2 件内のレストランで支持者二十数人に、投票や票のとりまとめを依頼し、報酬として1人当たり数千円の接待をした疑い。
県警によると、2人は「会費を集めたので供応はしていない」と容疑を否認している。(共同) |
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●埼玉県警:虚偽証言強要の疑い 買収事件、19人に 接待「無料で」と調書
毎日新聞 2011年5月26日
統一地方選の埼玉県深谷市議選で二十数人を飲食接待したとして、市議の永田勝彦(67)と妻文恵(64)の両容疑者が公職選挙法違反(供応買収)容疑で埼玉県警に逮捕される事件があり、毎日新聞が接待を受けたとされる住民に聞いたところ、取材に応じた20人全員が「会費を支払った」と証言した。うち19人は「『会費は払っていない』という調書に署名させられた」と話し、中には、朝から晩まで連日聴取されたり、「払ったと言っているのはあなただけ」と言われたケースもあったという。県警が取り調べで虚偽の証言を強要していた疑いが浮上した。
両容疑者の勾留期限は28日で、さいたま地検の処分が注目される。
県警発表によると、両容疑者の逮捕容疑は市議選告示前の2月中旬、深谷市内のレストランで、支持者二十数人に、票の取りまとめなどの選挙運動をする報酬として1人当たり数千円相当の飲食を提供したとしている。
県警は4月下旬から出席者を任意で事情聴取し、「会費はなく、全額を市議側が負担した」として今月8日に両容疑者を逮捕。実際に提供された酒食の代金は1人当たり約4900円とみられる。
出席者の相談を受けた白井正明弁護士らによると、会合には両容疑者のほか28人が参加し、事前の案内文には「会費3000円」と記されている。両容疑者も「会費を集めた」と容疑を否認している。
毎日新聞が28人を個別に取材したところ、20人(うち2人は家族)が応じた。20人全員が会合当日または事前に会費を払ったと県警に説明したが、うち19人は主張が受け入れられず、聴取の1~5日ほどで「払っていない」との調書に署名したという。残りの1人は「会費を払った」と主張し続けているが、聴取は延べ12日に及んだ。
「家計簿に会費の支出を書いていたのに、信じてもらえなかった」「子供を呼び出そうかと言われた」など、強引さを批判した。
白井弁護士は「捜査側の想定した事実に適合しないと聞く耳をもたず、強引かつ執拗(しつよう)な取り調べで事実に反する供述調書が作成された」と批判し、18日付で県警に抗議文を送った。抗議文では、鹿児島県議選を巡る選挙違反事件で12人全員の無罪が確定した志布志事件に触れ「志布志事件に匹敵する事犯。可視化(録音・録画)による取り調べのやり直しを求める」としている。
県警幹部は「休憩をとるなど適正な取り調べを心がける中、時間がかかった面はあった。住民がそう言って(否認して)いるから捜査はおしまい、というわけにはいかない」と話す。別の幹部は「着手(永田市議の逮捕)前に住民から話を聞き、ほぼ全員が『会費はなかった』と認めた」と話した。
永田容疑者は4月24日に投開票された同市議選に無所属で出馬し当選。3期目。
●【虚偽供述強要疑惑】 「新聞に名前載ると言われ署名…」と会合出席者 県警は「適正な捜査」
産経 2011.5.26 21:50
問題の会合が行われた料理店。県警は供応買収が行われたとみているが、参加者は「会費を払った」と主張している=26日、深谷市
「新聞に名前が載ってもいいのか」「家族を呼ぶぞ」-。埼玉県深谷市議選をめぐる公職選挙法違反事件で、「事実と異なる調書を作成された」として県警に抗議文を送った男性らは、取り調べで供述を迫られた際の様子を口々に語った。一方、県警は「適正な捜査だ」と主張。両者の言い分は平行線だが、さいたま地検は27日、同法違反容疑で逮捕された永田勝彦容疑者(67)と妻の文恵容疑者(64)の刑事処分を判断する。
関係者によると、永田容疑者と支持者らとの会合は、2月13日午後6時から深谷市内の飲食店で行われた。案内文には「会費3千円」と書かれている。
会合に参加した男性(65)は、「数人分の会費を集め、文恵容疑者に手渡した」と主張する。だが、取り調べで警察官に「カネを渡そうとしたら(文恵容疑者が)『いらない』とジェスチャーをしただろう」と繰り返し尋ねられ、否定すると「勘違いだ」と訂正を求められたという。さらに警察官は「家族を呼ぶぞ」とも重ねたといい、男性は「今なら罰金刑で済むといわれ、つい嘘の調書に署名してしまった」と話す。取り調べは4日間続き、午前9時半から午後10時すぎにまで及んだ日もあったという。
同じく「会費は払った」と否認を続けた別の男性(64)は、警察官に「こんなことやってると明日の朝、新聞にデカデカと名前が載るよ」と言われ、逮捕されると思い、最終的に「払わなかったということでいい」と答えたという。「こんなひどい話はない。警察は本当のことを言えば聞いてくれると思っていたのに」と疲れた表情を見せた。
抗議文を作成した弁護士は26日会見し、今月14日に支持者らから「取り調べがひどい」と相談を受けたと説明した。弁護士は「長時間にわたって取り調べが続き、疲れ切って実際のことを話せない状態だった」と指摘。「志布志事件という不祥事があったにもかかわらず、まだこういう取り調べをやるのか。自白を取ればすべて済むと思っているのか」と憤り、取り調べの可視化の必要性を訴えた。
一方、県警の主張は真っ向から食い違う。県警の横山雅之本部長は「捜査は適正に行っている」とコメント。ある県警幹部は「取り調べの適否については、本来は刑事法廷の場で議論されるべきこと」とした上で、「今回は永田容疑者らが当初から否認していたため、極めて慎重に捜査を行った。一般論から言っても、否認事件の取り調べは時間がかかるもの。真実を明らかにするためだ」とする。また、「これを志布志事件だといわれれば、否認事件は何も検挙できなくなってしまう」とも話した。
永田容疑者ら2人の勾留期限は28日だが、さいたま地検は27日に起訴・不起訴の判断をする方針だ。
●「虚偽証言強要」選挙違反事件で有権者 埼玉県警は反論
朝日 2011年5月26日13時46分
飲食接待をしたとして埼玉県深谷市議ら2人が公職選挙法違反(供応買収)容疑で埼玉県警に逮捕された事件があり、接待を受けたとして県警の取り調べを受けた複数の有権者が「会費を支払ったのに、支払っていないという調書に県警で署名させられた」と主張していることがわかった。逮捕された市議の永田勝彦容疑者(67)ら2人の弁護人が明らかにした。
26日午前、有権者の弁護人である白井正明弁護士が記者会見し、「県警に虚偽の証言を強要され、事実と異なる調書が作成された」と主張。県警とさいたま地検に対し、取り調べに抗議する申入書を送ったことを明らかにした。
県警の発表によると、2人の逮捕容疑は、2月中旬の夜、同市のレストランで有権者二十数人に投票と票のとりまとめなどの選挙運動の報酬として、総額十数万円の飲食を提供したというもの。2人は「供応はしていない。数千円の会費を集めている」と否認しているという。
白井弁護士によると、有権者24人と面談したところ、家計簿に会費の支出を記載していたり、会費を託した人から受け取った預かり書を持っている人もいたりしたという。
別の弁護士によると、接待を受けたのは28人。永田容疑者は事前に配布した案内の書面で「会費3千円」と伝え、有権者はそれぞれ全額を支払ったと話しているという。1人当たりの飲食代金が約4900円に上ったため、不足分約1900円は永田容疑者が負担したという。
また、永田容疑者の関係者によると、県警の任意の聴取は連日朝から夜まで続いたという。有権者が「会費は支払った」と説明しても、県警の捜査員は「あなただけ支払ったのはおかしい」と取り合わなかったという。
一方、有権者の一人は、県警が関係者の聴取を始めた4月25日ごろから、会合に参加した有権者が複数回にわたって集まったことを明らかにした。聴取の内容についてお互い確認し合い、質問にどのように答えるか事前に打ち合わせたという。
県警捜査2課の川上博和次席は「適正な捜査を行い、法と証拠に基づいて逮捕した」と話している。
●選挙違反の市議夫妻、釈放へ…虚偽証言問題
(2011年5月27日03時03分 読売新聞)
埼玉県深谷市議らが公選法違反(供応買収)容疑で逮捕された事件で、さいたま地検が、逮捕された同市議の永田勝彦(67)、妻の文恵(64)両容疑者を27日にも処分保留で釈放する方針を固めたことが、捜査関係者への取材で分かった。
事件を巡っては、市議の支持者らが捜査員から虚偽の証言を強要されたとしている。
2人の勾留期限の満期は28日。県警は「捜査は適正だった」としているが、証拠などを詳細に検討する必要があると判断したとみられる。捜査は任意で続けるが、大半の関係者が捜査員による強要を主張しており、難航が予想される。
支持者らの弁護士は26日、記者会見で、「(会費の支出を記録した)家計簿もあり、県警に押収されている。隠されては困る」と述べ、捜査手法を批判した。弁護士によると、永田容疑者らは市議選告示前の2月、同市内の飲食店で会合を開催。出席した支持者28人のうち少なくとも24人は、県警などの事情聴取に「3000円の会費を支払った」と主張したが、大半が供述を認められなかったとしている。
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