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てらまち・ねっと



 昨日の最高裁判決。
 滋賀県の行政委員の月額報酬は違法とした地裁、高裁の判決を覆した。
 理由の趣旨は、「いくらにするか、あるいは月額にするか日額にするかは行政や議会の裁量」 というもの。
 行政や議会のやり放題、あるいは無策を追認するというしかない。

 補足意見で、「裁量権は無限定ではなく・・合理的限界が存する」として歯止めはかけたけれど。

 私たちが岐阜地裁で続けている岐阜県の行政委員の住民訴訟は、奇しくも、最高裁判決の前日の一昨日15日に結審。
 法廷で、裁判長から「判決言い渡しは3月14日 午後1時10分から」と告げられた。

 裁判長の訴訟の進め方から、来る1月ごろには、あっさりと蹴るつもりかと見ていたので、判決を3月まで先決延ばししたのは意外だった。
 
 今日のブログは、新聞記事のいくつかを記録してから、
 昨日の最高裁判決にリンクし、過半を転記しておく。

 ところで、昨日、新聞記者からの電話で上記判決について問われて、述べた意見が社会面に使われていた。

 中日新聞12月16日朝刊 ⇒
 岐阜県のことについての記事部分。↓

「今年4月に教育、選管、人事など5委員会で日額制を導入。
 昨年度まで月に1~2日の勤務で10万から20万円を支払っていたが、出勤した日に日額3万2900円とした。
    ・・・
 県の担当者は最高裁の初判断を『県の主張に沿った内容』と評価。
 市民団体側は『納税者の訴えを受けた地裁と高裁の判断を最高裁が覆すのは、住民監査制度を骨抜きにする』と批判した」



 (関連エントリー) 2011年12月11日ブログ ⇒  ◆行政委員(滋賀県)の月額報酬の差し止め判決/最高裁は12月15日に判決/高裁判決見直しか


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●行政委員の月額報酬「適法」=住民側の逆転敗訴確定―最高裁
          朝日 2011年12月15日19時6分
 滋賀県が非常勤の行政委員に毎月一定額の報酬を支払っているのは違法だとして、住民が知事を相手に支出差し止めを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(横田尤孝裁判長)は15日、支出差し止めを命じた一、二審判決を破棄し、請求を退けた。住民側の逆転敗訴が確定した。

 同小法廷は「行政委員の報酬は議会の裁量権に基づく判断に委ねられている」とする初判断を示した。その上で、「形式的な登庁日数のみでは勤務の実質を評価できない」と述べ、月額報酬を定めた条例の規定が特に不合理とは言えず、適法だと結論付けた。  [時事通信社]

●非常勤行政委員:月額報酬は「適法」…最高裁が初判断
       毎日新聞 2011年12月15日 
 選挙管理委員など自治体の非常勤行政委員に、勤務日数に関係なく月額報酬を支払うことの違法性が争われた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(横田尤孝裁判長)は15日、「非常勤職員への支払い方法は、自治体の事情を知る議会の裁量権に委ねられている」として適法との初判断を示した。その上で月額報酬の支払い差し止めを認めた2審・大阪高裁判決(10年4月)を破棄し、原告の請求を棄却した。

 滋賀県が条例で労働、収用、選挙管理の各委員を月額報酬としていたことに、同県の吉原稔弁護士が差し止めを求めていた。1審は勤務実態が常勤と異ならない場合のみ例外を定めることができるとし、差し止めを認め、2審も選管委員長への支出を除き1審を維持した。

 地方自治法は、非常勤行政委員への報酬を勤務日数に応じて支給すると定める一方、自治体が条例で違う規定を定めた場合は例外としている。【石川淳一】

●滋賀・選管委員報酬訴訟、県が逆転勝訴
        (2011年12月15日23時25分 読売新聞)
 行政委員」の記事をお探しですか?最新関連記事が 20+ 件 あります。 滋賀県が選挙管理委員会委員らの報酬を勤務日数に関係なく月額で支給するのは地方自治法違反だとして、吉原稔弁護士(滋賀弁護士会)が嘉田由紀子知事に支出の差し止めを求めた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(横田尤孝裁判長)は15日、選管委員長を除く各委員について支出の差し止めを命じた2審・大阪高裁判決を破棄し、原告の請求を退ける判決を言い渡した。

 原告の逆転敗訴が確定した。

 同小法廷はまず、「非常勤職員の月額報酬制が違法かどうかは職務の内容や負担などを考慮して判断すべきだ」との初判断を示した。その上で、選管などの行政委員会について、「首長から独立し最終的な責任を負う立場にある」と評価。

 選管の業務には一定の専門性が求められ、平均登庁実日数(2003~08年度)が月1・89日にとどまるとしても、「登庁日以外にも実質的な勤務が必要」として、月額約20万円の報酬が違法とは言えないと結論づけた。

●行政委月額報酬 適法 県「主張認められた」
       (2011年12月16日 読売新聞)
日額制拡大も 原告、判決を批判
 県の非常勤の行政委員に勤務日数に関係なく月額報酬を支出するのは地方自治法違反とした1審・地裁、2審・大阪高裁の両判決が覆され、最高裁第1小法廷(横田尤孝裁判長)で「月額報酬が違法とは言えない」との判決が言い渡された15日、県の関係者からは「主張が認められた」と納得の声が聞かれ、原告側は「不当な判決だ」と批判した。一方で、地裁判決を受けて行政委員報酬の見直しが全国でも相次ぎ、県内でも県や大津市で報酬制度が改定されるなど、訴訟は一定の成果を上げた。

■県
 地裁は2009年1月、「勤務実態は常勤職員と異ならないといえない」などとし、労働、選挙管理、収用の各行政委員の月額報酬を違法と判断。10年4月の大阪高裁判決も、選管委員長以外は違法とした。

 県は「行政委員の報酬は議会の裁量権に基づく判断に委ねられる」と主張し、同年5月に上告。一方で、学識者らによる外部検討委を設置し、行政委員の報酬制度の見直しを検討した。

 外部検討委は「申し立てごとに審議する収用、労働の両委員は日額制が適正」と報告。県は今年4月、両委員の報酬を日額制に改めた。県の調査では、地裁判決以降、同年8月までに全国29道府県で報酬制度の改定が進んだという。

■大津・守山
 大津市では11月、市長の諮問機関「特別職報酬等審議会」が非常勤の5行政委員の報酬を日額制にするよう答申した。答申に沿った関連条例案が、16日の市議会で可決される見通しだ。北川義治・総務部長は「審議会の慎重な議論に基づく判断だ」とし、予定通り改定する意向を示した。

 守山市は5行政委員の報酬が月額制で、月7万9700円~5000円。9月市議会で特別職報酬等審議会条例改正案が可決され、非常勤の行政委員の報酬も議論できるようになった。

 市の担当者は「最高裁判決についてコメントする立場にないが、報酬のあり方は議論する」としており、年内にも審議会を開いて、判決や県内他市の動向なども踏まえて検討する。

     ◇
 大津市特別職報酬等審議会で会長を務めた同志社大政策学部長の真山達志教授(行政学)は「当然の判決だ。報酬制度について『議会の判断に委ねる』ということで、月額制か日額制かを判断するのとは次元の違う話」と評価する。

 吉原稔弁護士(滋賀弁護士会)は「条例改正が進んだ現実に逆行する判決で不当だが、1審・地裁判決を受け、全国の自治体が改正に動いた点では満足している」と話している。


●最高裁判例

最高裁判例
事件番号 平成22(行ツ)300 事件名 公金支出差止請求事件
裁判年月日 平成23年12月15日 法廷名 最高裁判所第一小法廷
裁判種別 判決
原審裁判所名 大阪高等裁判所 原審事件番号 平成21(行コ)32 原審裁判年月日 平成22年04月27日

判示事項  裁判要旨 滋賀県選挙管理委員会の委員(委員長を除く。)の報酬を月額20万2000円とする旨の滋賀県条例の定めが地方自治法203条の2第2項に違反しないとされた事例


判決全文

主 文
1 原判決中第1審被告敗訴部分を破棄し,同部分につき第1審判決を取り消す。
2 前項の部分につき,滋賀県労働委員会及び滋賀県収用委員会の各委員の月額報酬に係る公金の支出の差止めを求める訴えを却下し,第1審原告のその余の訴えに係る請求を棄却する。
3 本件附帯上告を棄却する。
4 訴訟の総費用は第1審原告の負担とする。


理 由
第1 事案の概要
本件は,滋賀県の住民である第1審原告が,滋賀県特別職の給与等に関する条例(昭和28年滋賀県条例第10号。平成23年滋賀県条例第17号による改正前のもの。以下「本件条例」という。)の規定のうち滋賀県労働委員会,滋賀県収用委員会及び滋賀県選挙管理委員会の各委員に月額制の報酬を支給することを定める規定が地方自治法(以下「法」という。)203条の2第2項に反する違法,無効なものであると主張して,第1審被告に対し,法242条の2第1項1号に基づき上記報酬に係る公金の支出の差止めを求める事案である。

第2 上告代理人飯田和宏の上告理由について
民事事件について最高裁判所に上告をすることが許されるのは,民訴法312条1項又は2項所定の場合に限られるところ,本件上告理由は,違憲をいうが,その実質は単なる法令違反を主張するものであって,上記各項に規定する事由のいずれにも該当しない。

第3 附帯上告人の附帯上告理由について
民事事件について最高裁判所に上告をすることが許されるのは,民訴法312条1項又は2項所定の場合に限られるところ,本件附帯上告理由は,違憲をいうが,その実質は単なる法令違反を主張するものであって,上記各項に規定する事由のいずれにも該当しない。

第4 職権による検討
記録によれば,月額報酬制を採っていた平成23年3月分までの滋賀県労働委員会及び滋賀県収用委員会の各委員(会長を含む。以下同じ。)の報酬は,既に全額が支給されていることが認められる。さらに,本件条例の規定は,平成23年滋賀県条例第17号により改正され,上記各委員会に関しては,それぞれ勤務日数1日につき,会長に各2万7800円,それ以外の委員に各2万4700円の報酬を支給する日額報酬制を採ることとされ,上記改正条例は平成23年4月1日から施行されているところである。
以上によれば,滋賀県が将来において滋賀県労働委員会及び滋賀県収用委員会の各委員について月額報酬に係る公金を支出する蓋然性は存しない。そうすると,上記各委員会については,法242条の2第1項1号に基づ
く差止めの対象となる行為が相当程度の確実さをもって予測されるとはいえないことが明らかである。
したがって,第1審原告が第1審被告に対し滋賀県労働委員会及び滋賀県収用委員会の各委員の月額報酬に係る公金の支出の差止めを求める訴えは,不適法というべきである。


第5 上告代理人飯田和宏の上告受理申立て理由(前記第4の訴えに係る部分を除く。)について

1 原審の適法に確定した事実関係等の概要は,次のとおりである。
(1) 昭和31年法律第147号による改正(以下「昭和31年改正」という。)前の地方自治法は,普通地方公共団体の議会の議員,委員会の委員等の普通地方公共団体の非常勤の職員に対しては報酬及び費用弁償を支給し(同法203条1項,2項),普通地方公共団体の常勤の職員に対しては給料及び旅費を支給し(同法204条1項),これらの額及び支給方法については条例で定めることとしていた(同法203条3項,204条2項)。

(2) 昭和31年改正において,閣議決定を経て国会に提出された当初の法律案(以下「政府案」という。)は,同改正前の地方自治法203条1項の次に2項として,単に「前項の職員の中議会の議員以外の者に対する報酬は,その勤務日数に応じてこれを支給する。」との規定を新設するというものであったが,衆議院地方行政委員会における政府案についての審議では,いわゆる行政委員会の委員を念頭において上記規定を設けることに反対する趣旨の質問が複数の議員からされるなどし,上記規定に「但し,条例で特別の定をした場合は,この限りでない。」とのただし書を加える修正案が議員により提出された。そして,上記修正を加えた内容で地方自治法の一部を改正する法律案が可決されて成立した。

(3) 昭和31年改正によって新設された上記修正後の上記規定は,平成20年法律第69号による改正により,法203条の2第2項として規定されることとなった。

(4) 本件条例4条及び別表2は,法203条の2第2項ただし書に基づく特別の定めとして,滋賀県選挙管理委員会の委員長以外の委員(以下「本件委員」という。)の報酬について,月額制を採りその月額を20万2000円とする旨を定めている(以下,この規定を「本件規定」という。なお,平成23年滋賀県条例第17号により,その月額は17万8000円に減額された。)。

(5) ・・・・・・(略)・・・

原審は,上記事実関係等の下において,要旨,次のとおり判断して,本件委員の月額報酬に係る公金の支出の差止めを求める第1審原告の請求を認容すべきものとした。

(1) 本件委員の報酬については,その職務の内容・性質,勤務態様,地方の実情等に照らし,法203条の2第2項本文の日額報酬制の原則によらずに月額報酬制を採ることを相当とするような特別な事情があるかどうかを検討し,本件規定が同項本文の原則に矛盾抵触して著しく妥当性を欠く状態になっており,そのような状態が相当期間内に是正されていないといえる場合には,本件委員について月額報酬制を定める本件規定は,議会の裁量権の範囲を逸脱するものとして,同項に違反し違法,無効となるというべきである。

(2) 本件委員の平均登庁実日数は1.89日であり,これを基にした1日当たりの報酬は国における非常勤の職員に係る報酬の上限の3.02倍になるというのであり,登庁実日数に係る勤務以外にも実質的に勤務を要することがあり得ることを考慮しても,本件委員につき月額報酬制を採ることを相当とする特別な事情があると認めることは困難であって,本件委員について月額報酬制を採る本件規定は,法203条の2第2項本文の原則に矛盾抵触して著しく妥当性を欠く状態になっており,そのような状態が平成15年度以降継続し,既に是正のために必要な相当期間が経過していると認めるのが相当であるから,議会の裁量権の範囲を逸脱するものとして,同項に違反し違法,無効というべきである。

しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。

(1) 法203条の2第2項ただし書は,普通地方公共団体が条例で日額報酬制以外の報酬制度を定めることができる場合の実体的な要件について何ら規定していない。また,委員会の委員を含め,職務の性質,内容や勤務態様が多種多様である普通地方公共団体の非常勤の職員(短時間勤務職員を除く。以下「非常勤職員」という。)に関し,どのような報酬制度が当該非常勤職員に係る人材確保の必要性等を含む当該普通地方公共団体の実情等に適合するかについては,各普通地方公共団体ごとに,その財政の規模,状況等との権衡の観点を踏まえ,当該非常勤職員の職務の性質,内容,職責や勤務の態様,負担等の諸般の事情の総合考慮による政策的,技術的な見地からの判断を要するものということができる。

このことに加え,前記1(2)の昭和31年改正の経緯も併せ考慮すれば,法203条の2第2項は,普通地方公共団体の委員会の委員等の非常勤職員について,その報酬を原則として勤務日数に応じて日額で支給するとする一方で,条例で定めることによりそれ以外の方法も採り得ることとし,その方法及び金額を含む内容に関しては,上記のような事柄について最もよく知り得る立場にある当該普通地方公共団体の議決機関である議会において決定することとして,その決定をこのような議会による上記の諸般の事情を踏まえた政策的,技術的な見地からの裁量権に基づく判断に委ねたものと解するのが相当である。

したがって,普通地方公共団体の委員会の委員を含む非常勤職員について月額報酬制その他の日額報酬制以外の報酬制度を採る条例の規定が法203条の2第2項に違反し違法,無効となるか否かについては,上記のような議会の裁量権の性質に鑑みると,当該非常勤職員の職務の性質,内容,職責や勤務の態様,負担等の諸般の事情を総合考慮して,当該規定の内容が同項の趣旨に照らした合理性の観点から上記裁量権の範囲を超え又はこれを濫用するものであるか否かによって判断すべきものと解するのが相当である。

(2) 本件における上記の諸般の事情のうち,まず,職務の性質,内容,職責等については,・・・・・(略)・・・

その委員の資格についても,・・・・・(略)・・・
そして,滋賀県選挙管理委員会の業務も,前記1(5)のとおり,国会及び県議会の議員並びに県知事の選挙の管理という重要な事項に関わるものを中心とする広範で多岐にわたる業務であり,公正中立性に加えて一定の専門性が求められるものということができる。

また,勤務の態様,負担等については,本件委員の平均登庁実日数は1.89日にとどまるものではあるものの,前記1(5)のように広範で多岐にわたる・・・・・・・(略)・・・

さらに,上記のような業務の専門性に鑑み,・・・・・・(略)・・・

以上の諸般の事情を総合考慮すれば,本件委員について月額報酬制を採りその月額を20万2000円とする旨を定める本件規定は,その内容が法203条の2第2項の趣旨に照らして特に不合理であるとは認められず,県議会の裁量権の範囲を超え又はこれを濫用するものとはいえないから,同項に違反し違法,無効であるということはできない。

4 これと異なる原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり,論旨は理由がある。

第6 結論
以上説示したところによれば,原判決のうち第1審被告敗訴部分は破棄を免れず,同部分につき第1審判決を取り消し,本件訴えのうち前記第4の訴えを却下し,第1審原告のその余の訴えに係る請求を棄却すべきであり,本件附帯上告は棄却すべきである。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。

なお,裁判官横田尤孝の補足意見がある。
裁判官横田尤孝の補足意見は,次のとおりである。

事案に鑑み,若干の意見を述べる。
選挙管理委員会等の行政委員会の委員を含む普通地方公共団体の非常勤職員に対する報酬の在り方は,地方公共団体内部の組織の在り方の一部をなす事項であり,地方公共団体の自治組織権に含まれるものであって,本来的には地方公共団体の自主的な決定によるのが相当な事柄であるといえる。

地方自治法(以下「法」という。)の昭和31年改正の趣旨は,このような事柄の性質も踏まえた上で,非常勤職員の報酬制度について,地方公共団体の非常勤職員には本件のような行政委員会の委員のほかに審議会の委員,投票管理者,選挙立会人など様々な者が含まれるという前提の下,その職務内容,勤務実態等について最もよく知り得る立場にありその住民によって民主的に選挙されて当該地方公共団体の意思を決定し得る機関である地方公共団体の議会の政策的な判断に委ねたものと解されるのである。

したがって,地方公共団体は,各非常勤職員の勤務日数・時間(登庁日以外の実質的な仕事の負担・対応を含む。)のみならず,職務の性質,権限の性質・内容,職責,選任されることにより受ける各種の制約,人材を確保するための報酬額の在り方,その他当該地方公共団体の財政規模とその状況等の諸般の事情を総合考慮して,自主的に条例で定めることができるものというべきである。

このように,法は,いかなる非常勤職員について,その報酬の支給を日額報酬制以外のいかなる方法をもってするかについて,地方公共団体の議会に裁量権を付与したものと解するのが相当であるが,他方,地方公共団体の議会の裁量権は無限定ではなく,報酬というものの性質や法203条の2第2項ただし書が地方公共団体の議会に裁量権を与えた趣旨等からする合理的限界が存するのは当然のことというべきである。

この点に関し,原判決は,「今日では,多くの地方公共団体において財政的困難に直面し,首長等が法や条例で規定されている給与を一部カットする非常措置をとったり,職員の給与に減額措置をとるような状況に立ち至っていることは周知の事実である。また,一般にも,より適正,公正,透明で,説明可能な行政運営が強く求められる社会状況になって」いると判示しているところ,その状況認識・指摘自体は妥当なものと思われる。

また,被上告人の主張によれば,本件の1審判決後少なからざる地方公共団体において行政委員会の委員の月額報酬条例が日額報酬制に改正されているとのことであり,滋賀県においても,同県労働委員会及び収用委員会の各委員(会長を含む。)について,平成23年4月1日から,それまでの月額報酬制を日額報酬制に変更しているところである。

このような社会状況の変化等にも鑑みると,地方公共団体にあっては,当該地方公共団体における非常勤職員の報酬制度につき,報酬額の水準等を含め,法203条の2第2項の趣旨にのっとった適正,公正で住民に対して十分に説明可能な合理的内容のものとなるよう,前記考慮事情を踏まえながら適切かつ柔軟に対応することが望まれる。
(裁判長裁判官 横田尤孝 裁判官 宮川光治 裁判官 櫻井龍子 裁判官金築誠志 裁判官 白木 勇)


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08:32 from web
一昨日13日に、政府の委員会が発電コストの試算結果を公表した。「原発事故の現時点における損害額」が「約5兆円」というのはあまりに低い設定だ⇒◆発電コスト 原発は最低でも8.9円 安価神話崩壊/2030年試算では風力8.8円 太陽光12円 ⇒http://t.co/SJpUj5iR
by teramachitomo on Twitter

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 一昨日13日に、「内閣官房 国家戦略室 コスト等検証委員会」が発電コストの試算結果を公表した。
 報告書(案)やデータを走って見た。
 
 「現時点における損害額の整理表」というものが作成されているが、「約5兆円」というのはあまりに低い設定だと思う。

 だからか、「原子力発電所のコストは下限として提示する」と明記されている。

 理由は、
 「事故費用が確定していないこと、
  事故費用が確定しえたとしても、一種の保険として考える場合、事業者は十分な余裕を持って事故リスクに備えるべきである
  との考え方から、これを事故リスク費用の下限として提示することとした。」

 原発のコスト検証結果では、
 「原子力の発電コストは、割引率3%、設備利用率70%、稼動年数40年を前提とすると、1kwh当たり8.9円以上となる。
  事故費用が1兆円増加するたびに0.1円コストが上昇する。
  この8.9円/kWhはあくまで下限であり、損害額が10兆円ならば9.3円/kWh、20兆円ならば10.2円/kWhとなる
  04年試算では5.9円としていたが、社会的費用の存在になどにより、+3円/kWh以上上昇する結果となった」

 今回のコスト検証結果から導ける結論を次のように述べている。
   「原子力発電については、そのリスクを踏まえると相当程度の社会的な費用が存在する」
   「新しいエネルギーシステムの構築が、原発への依存度低減のシナリオ実現の鍵を握る」

 あまりにも当然な結論に驚いた。
 そうなのに、まだ、原発を推進したい人たちの自己矛盾に驚く。

 稼働率が70%ど上記の試算だけど、50%の場合は11円程度、10%で44円程度としている。
 「稼働率が70%」は推進したい人たちの「期待値」であって、原発は止まるもの。

 ともかく、2030年の予測では、
 「再生可能エネルギーは技術革新で30年には風力発電が最低8・8円、太陽光発電が同12・1円に下がり、
  原子力や火力のコストとほぼ同じ水準になる可能性がある」

 なお、1994年に屋根に設置したうちの太陽光発電セット。
 需要が増えれば発電パネルのコストが下がるから、その下げる一助にと、割高は当然だけど、早めの時代に踏み切った。
 17年たって、元がとれたかどうか・・・・

 今日のブログは、国の発表したデータなどにリンクし要点を抜き出しておく。
 興味がある人は、リンク先をどうぞ。

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● 内閣官房 国家戦略室 コスト等検証委員会
        第7回 コスト等検証委員会
1.ホーム
2.政策
3.コスト等検証委員会
4.議事次第

平成23年12月13日(火) 14:00~16:30 合同庁舎4号館 共用1208 特別会議室
議題
 1.報告書案について(討議事項)
 2.その他
配布資料
 1. コスト等検証委員会報告書(案)
  参考資料1. 各電源の諸元一覧 各電源の諸元一覧
  参考資料2. 発電コスト試算一覧 発電コスト試算一覧
  参考資料3. 各省の ポテンシャル調査の相違点の電源別整理
 2. 第6回コスト等検証委員会における御指摘事項への対応
参考資料

1. コスト等検証委員会報告書(案)
        コスト等検証委員会報告書(案) 83ページと重たい

45ページ
(図19)現時点における損害額の整理表



47ページ
(7)原子力発電所のコストは下限として提示する
損害額及び事故確率に関する検討結果を踏まえ、本委員会は、モデルプラントが苛酷事故を起こした場合の損害額を最低でも6兆円弱と見積もり、国内の原子力事業者が40年間でこれに見合う費用を積み立てるという前提で、原子力リスク費用を算定した。
この結果、事故リスク費用は1kWh当たり0.5円となった。
本委員会は、①事故費用が確定していないこと、②事故費用が確定しえたとしても、一種の保険として考える場合、事業者は十分な余裕を持って事故リスクに備えるべきであるとの考え方から、これを事故リスク費用の下限として提示することとした

48ページ から
(8)原子力発電所のコスト検証結果
原子力の発電コストは、割引率3%、設備利用率70%、稼動年数40年を前提とすると、1kwh当たり8.9円以上となる。事故費用が1兆円増加するたびに0.1円コストが上昇する。この8.9円/kWhはあくまで下限であり、損害額が10兆円ならば9.3円/kWh、20兆円ならば10.2円/kWhとなる。
04年試算では5.9円としていたが、これと比較すれば、社会的費用の存在になどにより、+3円/kWh以上(約5割以上19)上昇する結果となった。

資本費 2.5円/kWh(04年試算比 +0.2円/kWh)
運転維持費 3.1円/kWh(04年試算比 +1.0円/kWh)
核燃料サイクル費用 1.4円/kWh(04年試算比 ▲0.1円/kWh)
追加的安全対策 0.2円/kWh
政策経費 1.1円/kWh
事故リスクへの対応費用 0.5円/kWh以上



63ページ
(図36)主な電源の発電コスト
(2004年試算/2010年・2030年モデルプラント)



64 ページ
2.コスト検証結果のポイント
今回のコスト検証結果から導ける結論は以下のとおりである。

【原子力に関して】
①原子力発電については、そのリスクを踏まえると相当程度の社会的な費用が存在する。


【エネルギーミックスに関して】
② 石炭やLNGに関しては、CO2対策費用や燃料費上昇を加味すれば今まで以上にコスト高になるが、それでもなお、社会的な費用を加味した原子力発電とのコスト比較において、ベース電源としての競争的な地位を保ちうる。

③ 風力や地熱については、立地制約や系統安定・増強といった課題はあるが、これらの課題を解決することにより、条件がよい場所については原子力、石炭などと対抗しうるコスト水準にあり、一定の役割を担う可能性がある。

④ 太陽光に関しては、大量導入にあたっては、電力システム全体としての、系統安定化などの課題はあるものの、世界市場の拡大に伴う量産効果によりコストの低下が見込まれ、石油火力よりもコスト面で優位となり、ピーク時の需給の逼迫の改善に資する電源として期待される。

⑤ 省エネやコジェネ等の分散型電源には、大規模集中電源と並びうる潜在力がある。また、需要家から見た場合、電気料金の節約というメリットもある。需要家による積極的な選択が新たなエネルギーミックスの一翼を担いうる。

⑥ ただし、どの電源も長所と短所があり、どれを選択しても従来の発電単価に比べてコストは嵩む。技術の革新と競争の促進により多くの課題を克服できる長期的な目標に至るまでの間は、どの電源をどの程度組み合わせていくのかについて、複数のシナリオがありうる。どのシナリオをたどって長期的な目標を目指していくべきか、コストに限らず様々な視点から最適な選択をしなければならない。

【エネルギーシステムに関して】
⑦ コスト検証の結果を踏まえれば、エネルギー需要構造の改革(省エネ社会の構築)と、エネルギー供給構造の改革(分散電源+再エネ+化石燃料のクリーン化の加速)、さらには電力経営の効率化によるコスト抑制が、需要家のエネルギー選択と新規エネルギー事業者の参入によって自律的に進むような新たなエネルギーシステムの構築が不可欠である。新しいエネルギーシステムの構築が、原発への依存度低減のシナリオ実現の鍵を握る。


●発電コスト:原発は8.9円 「安価神話」崩壊
       毎日新聞 2011年12月13日 20時43分
 政府のエネルギー・環境会議の「コスト等検証委員会」は13日、原子力の発電コストについて、最低でも従来より約5割高い1キロワット時当たり8.9円との試算を公表した。東京電力福島第1原発事故を受けて、過酷事故に伴う損害賠償費などを反映したため。

 放射性物質の大規模な除染費用なども勘案すれば、コストは火力並み(約10円)になる可能性があり、政府がこれまで強調してきた「安価な原発」神話は崩れた形だ。

 ただ、電力供給の約3割を担う原発に代わる電源については、火力は燃料費上昇でコストが上がる一方、太陽光など再生可能エネルギーのコスト低下には時間がかかる。政府はこの試算も踏まえ、来夏までに中長期のエネルギー政策をつくる方針だが、最適な電源構成を見いだす作業は難航しそうだ。

 原発は、福島第1原発と同規模の事故が40年に1度起きるのに備え、損害賠償や除染費用計約5.8兆円を考慮。立地補助金なども上乗せし、1キロワット時の発電コストは最低8.9円とした。事故費用が1兆円増加するごとにコストは0.1円上昇すると推計した。

 火力は、燃料費上昇などで、石炭と液化天然ガス(LNG)が現在の1キロワット時9~11円前後から30年に最大1円超上がる可能性を指摘。一方、現在は最低コストが30.1円の大規模太陽光は30年に技術革新などで12.1円に、9.9円の風力(陸上)も30年には8.8円に下がると予想した。【宮島寛】

●原発コスト8.9円 事故前稼働率で試算
         東京 2011年12月14日
 政府のエネルギー・環境会議の「コスト等検証委員会」は十三日の会合で、原子力など各電源の発電コストについて試算結果をまとめた。原発は事故コストなどが新たに加わって一キロワット時当たり最低八・九円となり、これまで政府が原発推進の根拠としてきた試算から約七割増えた。ただ、試算の前提となる稼働率は東京電力福島第一原発事故前の水準を採用し、現実を反映したコストかどうか疑問を残した。

 試算結果は十九日の検証委で正式決定された後、年内にエネルギー・環境会議に報告され、将来のエネルギーの構成を決める判断材料となる。

 原発コストが増えたのは、事故コスト〇・五円、立地交付金などの政策経費一・一円が上乗せされたため。事故コストは損害総額を五・八兆円と見込んで計算しているため、今後、損害額が一兆円増すごとにコストも〇・一円増える。

 政府は二〇〇四年に稼働率80%で試算した原発コスト五・三円を根拠に、原発が他の発電方式より有利だとしてきた。今回の試算でも、事故前の〇九年度の実績値65・7%に準じ、稼働率を70%と設定しているが、事故後は20%程度にまで低下している。

 検証委では、稼働率50%、10%の場合でも原発のコストを試算。50%で十一円程度、10%で四十四円程度とした。ただ、原発は稼働率が低いと非効率になり「高い稼働率で運転することが合理的だ」として、稼働率70%の試算の正当性を強調した。

 これについて、検証委メンバーの大島堅一立命館大教授は会合後、「稼働率は原発事故前の数字。稼働率は下がる傾向にあり、70%とするのはおかしい」と記者団に述べた。

 一方、他の電源では、火力は燃料費が上がるためコストも上昇。石炭は現在の九・五円が三〇年に一〇・八円、液化天然ガス(LNG)は一〇・七円が同じく一〇・九円になる。

 反対に、再生可能エネルギーは技術革新で大幅に低下。住宅用の太陽光は現在の最低三三・四円から三〇年に九・九円、風力も同年には八・八円まで下がる可能性を示した。


●発電コスト:風力8.8円、太陽光12円 原子力並み低下も--2030年試算
        毎日新聞 2011年12月13日 
 政府のエネルギー・環境会議で電源ごとの発電コストを計算している検証委員会(委員長・石田勝之副内閣相)によるコスト計算結果が12日分かった。従来1キロワット時当たり5~6円としていた原発は、事故費用などが上乗せされ、「最低でも8・9円」と5割高になる。石炭や液化天然ガス(LNG)火力も5割程度上がり、直近では10円前後に上昇。一方、再生可能エネルギーは技術革新で30年には風力発電が最低8・8円、太陽光発電が同12・1円に下がり、原子力や火力のコストとほぼ同じ水準になる可能性がある。

 同委員会が13日に公表する。政府はこれらの試算をもとに来夏に策定する新たなエネルギー政策で最適な電源構成を示す方針だ。

 原発コストには福島第1原発級の事故費用や立地対策の補助金などを盛り込んだ。同事故の対策費を5・7兆円超と想定し、40年に1度の発生に備えるコストを0・5円と見積もった。立地などの費用も1・1円計上し、福島事故を受けた追加安全対策費が0・2円分押し上げる。さらに事故の対策費が1兆円増えるごとに0・1円上昇し、事故費用が20兆円に膨らむと、コストは10・2円になるとの試算も示す。

 火力発電は、燃料代上昇や温室効果ガス削減費用がコストを押し上げる。石油火力は従来の14~17円が35・5~37・1円と急騰している。一方、再生エネは技術革新や量産効果で大幅にコストが下がり、従来11~26円だった風力(陸上)は、30年に8・8~17・3円に下がるとした。【宮島寛】

==============

 ◇政府が新たに試算した発電コスト
       従来試算   2010年      2030年見通し

原子力     5~ 6円      最低8.9円

石炭火力    5~ 7円  8.9~ 9.1円 10.8~11.0円

LNG火力   6~ 7円 10.4~10.8円 10.9~11.4円

石油火力   14~17円 35.5~37.1円 38.9~41.9円

風力     11~26円  9.9~17.3円  8.8~17.3円

大規模太陽光 37~46円 30.1~45.8円 12.1~26.4円

 ※エネルギー・環境会議のコスト等検証委員会による試算。風力は洋上発電分を除く




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08:40 from web
東芝が昨日発表したこと。「放射線ホットスポットを可視化するポータブルガンマカメラ装置の開発」。原発企業だからこそ開発したのだろうけれど、このカメラを自治体などに売り込むらしい。現場では便利なのだろうが、妙な気分で東芝の公式ページを見てみた⇒http://t.co/FHG57S0a
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 東芝が昨日発表したこと。
  「放射線ホットスポットを可視化するポータブルガンマカメラ装置の開発」

 原発企業だからこそ開発したのだろうけれど、
 このカメラを自治体などに売り込むらしい。

 現場では便利なのだろうが、妙な気分で東芝の公式ページを見てみた。

 ほか、「福島県が全10原発の廃炉要求」や
    「経団連経団連の中で孫正義理事と米倉会長の対立」などを記録した。
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●放射線ホットスポットを可視化するポータブルガンマカメラ装置の開発について
       東芝 公式ページ 2011年12月13日

当社は、放射線量を色の変化で表示できる、持ち運び可能なポータブルガンマカメラ装置を開発しました。
12月中に福島市と共同で実証実験を行うとともに、2012年初頭から中央官庁や地方自治体などに提案活動を開始します。


 新装置は、放射線センサで測定したガンマ線とビデオカメラで撮影した映像を信号処理装置で重ね合わせることにより、放射線の量を色の違いで表示する装置です。放射線量が高い場所を赤く、低くなるにつれ黄色、緑、青と色を変えて表示し、目に見えない放射線を色で識別する事が出来ます。

 放射線量は地域において均一ではなく、局地的に放射線量が高い「ホットスポット」が存在します。従来、道路や公園、家屋などの放射線量は放射線測定器で計測していますが、「ホットスポット」を特定するには時間がかかりました。それに対して新装置では、放射線量の高低を画面上に色の変化で示すと同時に、短時間で広範囲を計測することができるので「ホットスポット」の特定が容易になり、除染作業の効率化が図れます。また、除染後にも撮影することで、放射線量が低下した事を確認出来ます。さらに、9.8kgと小型軽量で持ち運びが可能なため、屋内外を問わずさまざまな場所で利用できます。

 新装置は、福島第一原子力発電所の建屋内の調査のために使用した当社製のガンマカメラの性能を向上させ小型化しています。当社独自の半導体検出素子の実装技術や信号処理・データ処理技術により感度・測定性能を約30倍以上注1高めました。これにより、0.1μSv/h(1mSv/年)という、低い線量率における「ホットスポット」を特定する事が出来、発電所のみならず、発電所の外でも測定が可能となります。さらに、新装置は、周囲からの放射線を遮蔽しながら放射線映像を取得するための遮蔽体設計の最適化や電子回路のコンパクト化により、約50%注1の軽量化を実現しました。

 当社は、今後も最先端の技術開発を進め、被災地の復興や社会に貢献できるよう努めてまいります。


●ホットスポット見えるカメラ 東芝が開発
        朝日 2011年12月14日5時1分
 東芝は13日、放射線量を色の違いで映し出すカメラを開発したと発表した。局地的に放射線量が高い「ホットスポット」を見つけるのに役立ち、除染作業の効率がよくなるという。このカメラを使った計測サービスを来年から環境省や自治体などに売り込む予定だ。

 カメラ内部に放射線を測定するセンサーと、映像を取り込むセンサーを取りつけた。センサーからの2種類の信号をあわせ、パソコンなどの画面に映し出すことで放射線が見えるようにした。放射線量が高い場所は赤く表示されるので、従来の放射線量を数値で示す測定器よりもホットスポットが発見しやすいという。

 東京電力福島第一原発の建屋内でも、ほぼ同じ機能を持つ東芝製のカメラが使われた。感度を高めたうえで、大きさと重さをほぼ半分にして自治体などでも使いやすくした。年内に福島市と共同で実証実験をして実用化する。自治体などから希望があれば、カメラそのものの販売も検討する。

●原発製造企業・東芝を内側から問う
        東芝府中 働く者ネットワークのページ

●放射線測定器「文科省は数値改ざんを要求してきた」
        ゲンダイ 2011年12月9日 掲載
設置業者が怒りの告発
 「文科省が放射線測定器の数値“改ざん”を求めてきた」――。福島の小学校に放射線測定器の設置を進めてきた業者が怒りの告発だ。この業者は、測定器設置の事業を落札した「アルファ通信」(東京)。11月中旬、測定器の「欠陥」や「納期遅延」を理由に文科省から契約を解除されたのだが、豊田勝則社長(66)は「解除された真相は全く違う」と反論するのだ。

 文科省は現在、福島県内の学校、公園などの放射線量を測り、結果をホームページで公開する事業を進めている。測定器は2700台の設置を予定し、このうち600台を落札したのが「アルファ通信」だった。豊田社長がこう言う。

「文科省は、契約を解除したのは『測定数値が4割低いなど誤差が大きい』『技術仕様に沿っていない』と説明していますが、とんでもない。納品したのは米軍でも使われている測定器です。性能に問題はありません。それに文科省も入札時の技術審査で認めたからこそ、契約したはずです」

 確かにその通りだ。「アルファ通信」は10月上旬、県など行政関係者が見守る中で「福島第一小学校」への公開設置も行っている。測定器が「欠陥」なら、文科省はもっと早く指摘できた。
「納期遅延」も原因は文科省にあるという。

「600台中、130台の納品が遅れたのは事実です。しかし、それは文科省がムリな仕様変更を迫ったからです。測定器は測った放射線量の数値をそのまま表示するわけではなく、機器に内蔵されたソフトで計算して表示します。文科省はそのソフトに『補正』を求めてきた。米国製の測定器は、他の測定器と比べて数値が高く表示される。これを嫌がったのでしょう。文科省は表示される数値を2割程度、低くするように言ってきました。2割も補正するなんて、数値改ざんです。案の定、測定器メーカーに相談すると、『世界仕様なのになぜ、日本基準にする必要があるのか』と断られました。そうこうしている間に納品が遅れたのです」(豊田社長)

 これが本当なら驚きだ。文科省に事実確認すると、こう答えた。
「第三者機関の放射線計測協会で検査したところ、誤差が大きかった。(ソフトに)数値の補正を求めたかどうかはともかく、仕様書にのっとっていないと判断して解除しました」(原子力安全課)
 放射線測定器の性能をめぐるバトルで設置が大幅に遅れるのは確実。福島県民もタマったもんじゃないだろう。

●福島県、全10原発の廃炉要求へ 佐藤知事「安全神話が根底から覆る」
           産経ビズ 2011.12.1 05:00
 福島県の佐藤雄平知事は30日の記者会見で、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故を受けて年内にとりまとめる県の復興計画に「国と東電に対して県内の原発10基すべての廃炉を求める」と明記することを発表した。計画策定後に国、東電に廃炉を要請する。

 会見で佐藤知事は「今回の事故で国、事業者が主張してきた原発の安全神話が根底から覆された」と指摘。「原発を立地して財政的に恩恵を受けてきた以上に、事故は自然、社会、教育にも大きな影響を及ぼしている。原子力に依存しない新生福島を創造するとの決断に至った」と述べた。

 廃炉で生じる廃棄物などについては「県内に最終処分場は認めない」との従来の考えを強調。核燃料税や交付金が得られなくなるなどの財政の問題には「税制を精査して取り組む」とした。原発事故で甚大な被害を受けた沿岸部で原発に替わる雇用の創出を進める考えを示した。

●福島県知事、全原発の廃炉要求を表明 復興計画に明記へ
         朝日 2011年11月30日23時18分
 福島県の佐藤雄平知事は30日、県内の原子力発電所の全基を廃炉にするよう東京電力と国に求めていく考えを表明した。年内に策定する県の復興計画に全基廃炉の要求を明記する。
 県に廃炉の権限はないが、知事が方針を明確に示したことで、事故を起こした福島第一原発だけでなく福島第二原発を含む計10基の稼働が事実上不可能となった。

 原発事故後、原発が立地する県などの知事が廃炉の考えを示したのは初めて。
佐藤知事は「原発の立地で得られる財政的な恩恵以上に、事故は自然、社会、教育、あらゆる所に影響を及ぼした」と述べた。

 東電は、第一原発の6基のうち水素爆発などで損傷が大きい1~4号機の廃炉を決定。同5、6号機と第二原発の4基については結論を出していない。

●県内全10基の廃炉要求へ 福島知事が表明
        (共同通信)2011/11/30 20:14
 福島県の佐藤雄平(さとう・ゆうへい)知事は30日の記者会見で、東日本大震災と東京電力福島第1原発20+ 件事故を受けて年内にまとめる県の復興計画に「国と東電に対して、県内の原発10基すべての廃炉を求める」と明記することを発表した。計画策定後、国と東電に廃炉を要請する。

 原発立地県で、県内にあるすべての原発の廃炉を求めるのは初めて。

 佐藤知事は会見で「国、事業者が主張してきた安全神話が根底から覆された」と指摘。「原発20+ 件を立地して財政的に恩恵を受けてきた以上に、事故は自然、社会、教育に大きな影響を及ぼしている。原子力に依存しない新生福島を創造するとの決断に至った」と述べた。

 廃炉で生じる放射性廃棄物の処理については「県内に最終処分場は認めない」と強調。核燃料税や交付金が失われるなど財政上の問題には「税制を精査して取り組む」とした。加えて原発20+ 件のある双葉郡など沿岸部の復興のため、原発関連に替わる雇用を生み出す方針も打ち出した。

 佐藤知事が原発から決別する姿勢を明確に示した一方で、政府と東電は、第1原発の1号機から4号機の廃炉方針は決定しているものの、同5、6号機と福島第2原発の4基については、態度を明らかにしていない。

 廃炉をめぐっては、福島県議会が10月、全10基の廃炉を求める請願を賛成多数で採択。佐藤知事は「(採択は)本当に重い。第1、第2原発の再稼働はあり得ない」と述べていた。

 県は復興計画の策定にあたり、既に「原子力に依存しない社会を目指す」との「脱原発」の基本理念を決定。佐藤知事は脱原発の実現に向けて、県幹部と協議を重ね、雇用などの地域経済や自治体財政に与える影響を考えた上で、原発のあり方を復興計画にどう記載するか検討していた。

●原発立地町に戸惑い 福島県廃炉宣言
         河北新報 2011年12月01日木曜日
 福島県の佐藤雄平知事が30日、県内の原発全10基の廃炉を宣言したことに、立地町の首長は戸惑いの表情を見せた。
 原発を抱える東北の他の立地町も一定の理解を示しつつ、福島県とは一線を画す考えを強調した。

 福島第1原発が立つ福島県大熊町の渡辺利綱町長は「まだ内容を把握してない」と当惑した様子で評価を避けた。
 地元では廃炉は既定路線とされながら、町を支えた原子力に代わる産業の見通しが立たず、危機感が募る。

 福島第2原発を抱える富岡町の遠藤勝也町長は「非常に戸惑っている。双葉郡はまだ意見集約しておらず、立地町でも違う意見がある」と話した。県から説明を受けて8町村で協議する方針だ。

 一方で遠藤町長は「現状では再稼働はあり得ない話。中長期的には国の状況を見極め、原発に依存しない街づくりを目指す」と述べた。

 中断した大間原発の建設工事の再開を求め、11月29日に政府に陳情した青森県大間町。金沢満春町長は「原発をめぐってはいろいろな考え方があるとは思うが、大間町としては建設再開を求めていく姿勢に変わりはない」と語った。

 女川原発が立地する宮城県女川町の須田善明町長は「原子力災害が発生した結果だろう。自治体それぞれの判断だと思う」と受け止め、「国が原発を含めたエネルギー政策をどうするのかを明確にすべきだ」と見守る考えを示した。

●【経団連】脱原発を貫く孫正義さんを支持する
         マイナビニュース[2011/12/01]
 ソフトバンクの社長である孫正義さんと住友化学の会長・米倉弘昌さん(住友化学株式会社)が、日本経済団体連合会(経団連)を舞台にもめている。経団連の中では、孫さんは理事で米倉さんは会長なのだが、理事が会長にたてつく理由は原発をめぐる政策提言をめぐるものだ。

2011年11月27日付のJ-CASTニュースによると、11月15日におこなわれた経団連の理事会で、孫さんは「1日も早く原発を再稼働させることが日本国民にとって、経済界にとって最優先であるかのごとき論調には異議がある」と米倉さんを批判。それに対して米倉さんは「本当に苦しむような理屈だった。誰からも賛同を得られなかった」と徹底抗戦のかまえなのだという。

同理事会では、経団連が政府に対しておこなう「エネルギー政策に関する第2次提言」について議論された。すでに取りまとめられていた同提言では、原発の役割が強調されるとともに、「再稼働が重要」などと書かれていた。さらに、再生可能エネルギーに否定的な見解が明示されている。筆者から見てもトンデモな内容の同提言に孫さんが噛みつくのは頷ける。

孫さんは「歴代の経団連の会長、副会長の多くは納入事業者として原発に関わってこられた。国民に甚大な迷惑をかけたということで、経団連としてあることは、まず最初に詫びることだ」という。つまり、経団連の歴代のおエラいさんは、企画・設計・建設・資材・運搬などの面で深く関わってきた会社の役員なのだから、原発推進の提言などする前に、まずは国民に謝れといっているのだ。

至極、当たり前の議論ではないか。加えて、孫さんは自ら準備した意見書で「原発再稼働よりも優先すべき課題がある」と述べ、「安全対策の議論もしていない。十分に議論を尽くしてほしい」ことを米倉さんに伝える。だが、米倉さんは「この場で議論をするつもりはありません」と孫さんの意見を一蹴。同理事会の最中は、原発推進の立場を表明し続けた。

日本の名だたる企業が加盟し、そのうち少なくない企業が原発に関わってきたという経緯を考えれば、経団連が組織として原発を推進してきたのは当然だといえる。しかし、今年3月に福島第1原発で未曾有の事故が発生し、現場周辺のみならず、広い範囲にわたって放射性物質による被害が続いている。そんな状況下で、組織としてひたすら原発を推進する立場を貫くことにどれだけのメリットがあるのだろうか。

少なくとも、孫さんのような脱原発の意見にも耳を傾け、せめて両論併記の提言をおこなうのが、原発に深く関わってきた大企業が多く加盟する組織が示すべき姿勢なのではないか。原発の安全性など、いまだ保証されていない。また、プルサーマル計画が頓挫した場合、原発を再稼働した際に発生する使用済み燃料の行き場がなくなる可能性もある。逆に、そうした状況下であっても、ムキになって原発20+ 件推進を唱える理由を、筆者は米倉さんに問いただしたい。

仮に米倉さんが原発事故について「喉元すぎれば」と考えているのならば、それは大きな間違いである。それは、事故による負の遺産が今後数十年にわたって残らざるをえないからだ。被害者は、その負の遺産について語り続けることであろう。その語りをマスコミが報じ続けるかどうかは微妙なところだが、そこは「負の遺産を語り継ぐことの重要さ」を認識している記者や編集者の存在に期待するしかない。

米倉さんの姿勢を見ていると、大阪市長選で当選した橋下徹さんとかぶる部分がある。キーワードは「独裁」である。民主主義がすべてよいとは思わないが、評価できる部分もある。少数意見を無視したり封殺したりしない点だ。その点が活かされない組織は、トップによる独裁が際立つようになり、暴走を未然に防ぐことができなくなる。
そして、そんなことは中学の歴史の教科書を読めばわかる。

まさかと思うが、大企業の集まりである経団連の会長が、みずからの妄想にのめり込んで抜け出せない「中二病」でないことを祈るのみ。筆者は、孫さんの「脱原発」を支持する。
(谷川 茂)


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08:25 from web
内閣の支持率が急落。しかも「支持と不支持が初めて逆転」とされている。それも、当然に思う人が多いだろう⇒◆野田内閣支持率35.6%、不支持率51.6% 支持と不支持が初めて逆転(FNN世論調査)⇒http://t.co/d5xGJCjQ
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 内閣の支持率が急落。
 しかも「支持と不支持が初めて逆転」とされている。
 それも、当然に思う人が多いだろう。

 ニュースの見出しを並べてみる。
●野田内閣支持率35.6%、不支持率51.6% 支持と不支持が初めて逆転 FNN世論調査/FNN
●内閣不支持43%、支持率を上回る/朝日
●野田内閣の支持率下落42%、不支持が上回る/読売
●内閣支持率37% 不支持が逆転/NHK
●野田に“庶民イジメ”のツケ…内閣不支持50%超え!/zakzak 
●自民・茂木政調会長「期待がこの100日間でうせた/FNN 
●NHK世論調査 各党の支持率/NHK

 先日、参議院で問責決議が可決されたけれど、その翌日の新聞の見出しは
 「年明け国会、紛糾必至」そんな旨が並んでいた。

 このペースでいけば、任期まで持ちそうにない、そんな雰囲気が漂う野田氏。
 次の記事も記録した。
●支持率急落 そして小沢氏が気にするのは…/産経
●「早まったことするな」 小沢一郎氏、若手の離党の動きにクギ/産経

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●野田内閣支持率35.6%、不支持率51.6% 支持と不支持が初めて逆転 FNN世論調査
        FNN (12/12 12:00)
 FNNが行った世論調査で、野田内閣を「支持する」と答えた人は35.6%、一方、「支持しない」と答えた人は5割を超えて、「支持」と「不支持」が初めて逆転した。

11日までの2日間、全国の有権者1,000人から回答を得た電話調査によると、野田内閣の支持率は、11月より6.8ポイント下がり、35.6%。

不支持率は14.5ポイント増え、51.6%と、政権発足3カ月で、「不支持」が「支持」を上回った。

参議院で問責決議が可決された一川防衛相を適任だと「思わない」人は8割以上(83.8%)。
山岡消費者担当相を適任だと「思わない」人も、7割にのぼった(70.8%)。

辞任するべきだと「思う」人は、一川防衛相で8割(80.4%)、山岡消費者相で7割(73.3%)に達している。
年明けの通常国会までに、野田首相は「内閣改造・党役員人事を行うのがよい」とした人(38.9%)と、「一川・山岡両大臣のみ交代がよい」とした人(36.0%)は、それぞれ4割近くにのぼる。

野田首相の目指す消費税率の引き上げについて、適切だと「思う」人は6割近く(56.8%)、「思わない」は4割だった(41.9%)。
「小沢元代表や小沢氏支持の議員らが、消費税増税に反対するのは適切だ」と「思わない」人は、6割近くにのぼった(57.5%)。

一方、消費税増税の前提として、国会議員定数の削減をするべきだとした人は9割を超え(93.8%)、政権交代時に明示しなかった消費税増税を民主党の公約違反と「思う」人は半数を超えた(55.3%)。

消費税増税の是非を問う衆議院選挙については、「法案提出前がよい」が4割と最も多く(42.5%)、法案成立前が2割(22.8%)、野田首相が示す法案成立後、税率引き上げ前と答えた人は、1割台にとどまった(18.6%)。

橋下 徹新大阪市長の「大阪都構想」の実現に期待する人は、ほぼ7割(69.5%)、橋下氏の国政への進出に期待する人は、5割を超えた(54.8%)。


●内閣不支持43%、支持率を上回る 朝日新聞世論調査
       朝日 2011年12月12日22時18分
 朝日新聞社が10、11の両日実施した全国定例世論調査(電話)によると、野田佳彦内閣の支持率は31%、不支持率が43%となり、初めて不支持が上回った。問責決議を受けた一川保夫防衛相と山岡賢次消費者相を首相が続投させたことについては「評価しない」人が59%に上った。

 11月の前回調査は支持率40%、不支持率33%。今回は、支持の男女差はほとんどないが、不支持の割合をみると女性の37%に比べて男性が48%と高い。

 不支持の人に4択で理由を聞くと、「実行力の面から」が前回の37%から48%に増え、最も多かった。

●野田内閣の支持率下落42%、不支持が上回る
     (2011年12月12日23時57分 読売新聞)
 読売新聞社が10~11日に実施した全国世論調査(電話方式)によると、野田内閣の支持率は42%で、前回調査(11月12~13日実施)の49%から7ポイント下がった。

 不支持率は44%(前回38%)に上昇し、9月の内閣発足から約3か月で初めて支持率を上回った。

 内閣を支持しない理由は、「政策に期待できない」35%(同28%)、「首相に指導力がない」23%(同18%)などの順に多かった。野田首相が自らの政策や考えを国民に十分に説明していないとの答えは85%(同86%)を占めている。参院で問責決議が可決された2閣僚に関して「辞任すべきだ」との答えは、一川防衛相については62%、山岡消費者相は54%となり、いずれも半数を超えた。ただ、自民党が両氏が辞任しない限り、今後の国会審議に応じないとしていることに「納得できない」は71%に達した。

●内閣支持率37% 不支持が逆転
       NHK 12月12日 19時22分
 NHKが行った世論調査によりますと、野田内閣を「支持する」と答えた人は、先月の調査より8ポイント下がって37%だったのに対し、「支持しない」と答えた人は42%で、内閣発足後3か月で、不支持が支持を上回りました。

NHKは、今月9日から3日間、全国の20歳以上の男女を対象に、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかける「RDD」という方法で、世論調査を行いました。調査の対象となったのは1645人で、61%に当たる1005人から回答を得ました。それによりますと、野田内閣を「支持する」と答えた人は、先月の調査より8ポイント下がって37%だったのに対し、「支持しない」と答えた人は、12ポイント上がって42%で、内閣発足後3か月で、不支持が支持を上回りました。

支持する理由では、▽「他の内閣より良さそうだから」が45%、▽「人柄が信頼できるから」が31%だったのに対し、支持しない理由では、▽「政策に期待が持てないから」が39%、▽「実行力がないから」が34%などとなっています。

次に、参議院で問責決議が可決された一川防衛大臣の進退について尋ねたところ、▽「大臣を辞任すべきだ」が48%、▽「辞任する必要はない」が12%、▽「どちらともいえない」が35%でした。また、同じく問責決議が可決された山岡消費者担当大臣の進退については、▽「大臣を辞任すべきだ」が47%、▽「辞任する必要はない」が8%、▽「どちらともいえない」が39%でした。

一方、大阪市長選挙で当選した橋下徹氏が代表を務める「大阪維新の会」が、「大阪都構想」の実現を目指して国政に進出することを望ましいと思うか聞いたところ、▽「望ましい」が28%、▽「どちらかといえば望ましい」が31%、▽「どちらかといえば望ましくない」が17%、▽「望ましくない」が11%でした

。次に、野田総理大臣が、社会保障と税の一体改革のうち、消費税率の引き上げについて、税率と引き上げ時期を示した法案を来年3月までに国会に提出する方針を示していることへの評価を尋ねたところ、▽「大いに評価する」が6%、▽「ある程度評価する」が38%、▽「あまり評価しない」が30%、▽「まったく評価しない」が18%でした。

さらに、消費税率引き上げに関する法案の取り扱いとの関連で、いつ総選挙を行うべきか尋ねたところ、▽「法案を提出する前」が30%、▽「法案を提出した時点」が22%、▽「法案の成立後、引き上げを行う前」が14%、▽「税率引き上げを理由に行う必要はない」が21%でした。

そして、理念や政策によって政党の枠組みが変わる「政界再編」が起きることを期待するか聞いたところ、▽「大いに期待する」が18%、▽「ある程度期待する」が33%、▽「あまり期待しない」が32%、▽「まったく期待しない」が9%でした。

●野田に“庶民イジメ”のツケ…内閣不支持50%超え!
          zakzak 2011.12.12
 臨時閣議でよろけた野田首相(右)。問責可決された山岡氏(左)らを続投させて支持が急落している【拡大】

. 報道各社の世論調査で、野田佳彦内閣の「不支持」が軒並み「支持」を上回った=別表。参院で問責決議が可決された一川保夫防衛相や山岡賢次国家公安委員長を続投させたうえ、財務省主導で「大増税路線」を突き進む内閣への不信感が強まっている。

 12日公表の最新調査では、産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)で、「不支持」が半数を超える51・6%(前回比14・5ポイント増)に達するなど、急速に「どじょう離れ」「どじょう嫌い」の世論がわき起こっている。

 問責可決された一川、山岡両氏については、NNN(日本テレビ系)調査で「辞任すべきと思う」と答えた人が、一川氏が68・7%、山岡氏が70・2%。産経・FNN調査では、一川氏が80・4%、山岡氏が73・3%。ANN(テレビ朝日系)調査では、それぞれ6割前後に上った。

 野田内閣が進める消費税増税については、ANN調査で約半数、NNN調査で52・7%が「支持しない」と回答した。

 産経・FNN調査では「(消費税増税は)民主党の公約違反だ」との見方が55・3%となり、解散・衆院選の時期については、増税法案の「提出前」と「成立前」を合わせると65・3%となり、3分の2を占めた。

●野田内閣支持率と不支持率が逆転 自民・茂木政調会長「期待がこの100日間でうせた」
         FNN (12/12 20:14)
 FNNが行った世論調査で、野田内閣を「支持する」と答えた人は35.6%、一方、「支持しない」と答えた人は51.6%と、「支持」と「不支持」が初めて逆転した。

自民党の茂木政調会長は、「菅前政権があまりにもひどかったので、多少なりとも良くなるとの期待があったかと思うが、この期待が全くこの100日間でうせた。その結果だと」、「総理の指導力、そして国民へのメッセージが全く見えない」と述べた。

自民党の谷垣総裁は、「重要な問題点を適切に処理していく資質、能力に乏しい感じを多くの国民が持たれているのではないか」と指摘したうえで、「消費税率の引き上げをするなら、きちんと説明して、問題点を示しながら信を問えという考え方の人が増えている」との認識を示した。

一方、藤村官房長官は「社会保障と税の一体改革。(野田首相が)『不退転の決意』とおっしゃられた通り、今後もそれを訴えていくということで、もちろんそのために丁寧に説明していくなど、情報公開も含めて、これは今からの努力にかかっていると思います」と述べた。

枝野経産相は「一定のまとまった期間、仕事をさせていただいたうえで、そのことでどういう評価をいただくのかが重要なことだと」、「(一定の期間とは?)普通は1年だと思います」と語った。

また、「辞任すべきだ」と答えた人が8割にのぼった一川防衛相は、「私に与えられた任務を乗り越えていく中で、国民の皆様に防衛省・自衛隊としてもがんばっているなという姿を見せたいなと」と述べ、続投して国民の信頼回復に努める考えを示した。

●NHK世論調査 各党の支持率
         NHK 12月12日 19時22分
 NHKの世論調査によりますと、各党の支持率は、▽民主党が、先月の調査より4ポイント下がって16.9%、▽自民党が、2ポイント余り下がって18.3%、▽公明党が3.4%、▽みんなの党が4.4%、▽共産党が1.8%、▽社民党が0.7%、▽たちあがれ日本が0.1%、▽国民新党が0.1%、▽「特に支持している政党はない」が、2ポイント余り上がって45.5%でした。

●支持率急落 そして小沢氏が気にするのは…
         産経 2011.12.12 23:56
 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査では、野田佳彦首相の増税路線と「問責閣僚」死守の姿勢に厳しい評価が下された。「正心誠意」をモットーとする首相に対する失望が顕著になるとともに、自民党を含む既成政党離れも加速。それと反比例するように新勢力の橋下徹・次期大阪市長への期待が高まる。永田町が混迷を深める中、早期の衆院解散・総選挙や政界再編を望む声がにわかに強まっている。(斉藤太郎)

 「首相は進軍ラッパらしきものは吹いているが、国民との契約違反だ」

 民主党の小沢一郎元代表は11日の記者会見で、首相の消費税増税路線をあからさまに批判した。

 自らの復権をにらむ政局的な思惑があるにせよ、2年前の政権交代の立役者がこう言うのだから、世論の55・3%が「消費税増税=公約違反」とするのも無理もない。増税自体には56・8%の理解があるのに、関連法成立前の衆院解散を求める声が計65・3%に上るのも、この「約束破り」に世論が敏感に反応しているからにほかならない。

    ■  ■
 それでも首相は、消費税増税を柱とした社会保障と税の一体改革の素案を年内に取りまとめる方針を崩さない。藤村修官房長官は記者会見で「8月の党代表選挙で、首相は他の候補者と違って一体改革を強調した。不退転の決意だ」と増税反対派を牽制(けんせい)した。

だが、今回の調査で消費税率引き上げを「適切」とした回答を支持政党別に分析すると、民主党(69・4%)と自民党(61・9%)が突出して多い。次期衆院選は「民主と自民が増税容認の票を食い合って大負けし、みんなの党と共産党、国政進出した場合の『大阪維新の会』の増税反対勢力が大勝する」(政務三役)との見方がもっぱらだ。

   ■  ■
 民主党と自民党の政党支持率は、野田政権発足直後の9月に22・4%と22・7%だったが、今回は18・0%と19・7%に漸減した。

 二大政党が低迷する中、大阪維新の会代表、橋下氏の人気は高まる。共産党と社民党を除くすべての政党支持者の間では「橋下氏の国政進出に期待」との回答が半数を超える。

 閉塞(へいそく)状態の打破を模索し、自民党の森喜朗元首相は12日の同党議員の会合で「民主党が左の思想の議員を切れば、大きな再編ができる」と言及。民主党の前原誠司政調会長は講演で「解散・総選挙を求める野党が真摯な議論に応じなければ、最終的には首相が判断する。日本の政治は大きく変わる可能性がある」と解散風を吹かせた。

 忍び寄る解散の足音におびえ、離党に活路を見いだそうとする民主党議員もいるという。しかし、小沢氏は12日に面会した若手議員を「早まったことはするな」と制すると、中堅議員との夜会合では大阪維新の会の動向に目を光らせ、こうつぶやいた。

 「あの動きというのは、非常に注目していく必要があるな…」

●「早まったことするな」 小沢一郎氏、若手の離党の動きにクギ 
        産経 2011.12.12 18:34
 民主党の小沢一郎元代表は12日、国会内で小沢グループの若手議員らと面会し、同グループ内に離党を模索する議員がいることに対し「早まったことはしてはいけない。勢いだけではダメだ」と語った。

 野田佳彦首相が意欲を見せる消費税率引き上げについては、当面は党内議論を見守り、首相の「本気度」を確かめる意向を示した。


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09:19 from web
大阪のダブル選挙の結果が出て以来2週間。話題が続く橋下氏周辺。今度は前横浜市長の中田氏を副市長にする案があるという。国政に出るための布石ともいわれる⇒◆「橋下新市長よ 中田宏副市長ってそりゃないだろう」/「平松派残党は殺戮する」⇒http://t.co/3jXt5X52
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 大阪のダブル選挙の結果が出て以来2週間。
 話題が続く橋下氏周辺。
 今度は前横浜市長の中田氏を副市長にする案があるという。
 国政に出るための布石ともいわれる。

 好むと好まざるとにかかわらず、注視しておくしかない。
 ・・・ということで、いくつか記録。

 ところで昨日昼、パソコンがストライキを起こした。
 数日前から、数回フリーズしていたけれど、完全にストップ状態に。
 セーフモードにもならなくなった。

 夕方、プロの知人に連絡がついて、間もなく来てくれた。
 電源を入れたら立ち上がった。
 何の支障もないようにいつも通りの立ち上がり。
 パソコンも、「人を見る」のかと感じた。
  処置としては、マザーボードのバージョンアップ。
  でも、所見は「マザーボードがWin7に対応していない」。

 「マザーボードはWin7に対応しています」との話で、今年7月自分でWinXPからWin7にアップグレードしたんだけれど、11月までは順調だった。
 11月に、OSが入っている内臓ハードディスクをSSDに替えたからか??
 ・・・それについては、「そんなことはない」

 パソコンとのお付き合いも楽ではない。

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●橋下・大阪新市長、副市長に中田・前横浜市長の起用を検討
              (2011年12月7日 読売新聞)
 19日付で就任する大阪市の橋下徹新市長が、副市長に中田宏・前横浜市長(47)の起用を検討していることがわかった。政令市長経験者が副市長に就任すれば極めて異例。大阪都構想実現に向けた動きを加速させる狙いとみられる。府市の広域行政の一元化を進める「府市統合本部」の顧問には、元経済産業省官僚の古賀茂明氏(56)ら3氏を迎え、府市で重複する事業の仕分けを進める考えだ。

 大阪市では、平松邦夫市長が退任する18日付で、森下暁、北山啓三両副市長が辞職する意向。関係者によると、橋下氏は後任の副市長について、市議会の一部会派に「中田氏を起用したい」との意向を伝えた模様だ。中田氏自身も就任に前向きだという。

 中田氏は、11月の大阪ダブル選で、橋下氏らの応援に駆けつけた。副市長の任命には市議会の同意が必要だが、橋下氏が代表の大阪維新の会だけでは過半数に届かず、他会派の動向がカギを握る。

 統合本部顧問には「改革派官僚」として公務員制度改革に関わった古賀氏のほか、維新の政策顧問を務める慶応大教授の上山信一氏、行政改革相補佐官を務めた元経産官僚の原英史氏を充てる方向だ。


●「平松派残党は殺戮する!」 大阪・橋下新市長が行列のできる目安箱で市役所解体(3)
      掲載日時 2011年12月10日 15時00分|掲載号 2011年12月15日 特大号
国政進出へ着々
 大阪維新王国の誕生は、中央政権にも大きな影響を与えることになりそうだ。維新の会が、これから「大阪都構想」をはじめとする諸々の主張を実現するには法律改正が避けて通れない。そのためには、維新の会の国政進出が絶対条件になるからだ。

 橋下氏は、大阪都構想実現のために国や既成政党に協議を申し入れ、それが不成立に終わった場合は「国政進出」を目指し、次回の衆議院選挙に関西から候補者を擁立することを明言している。となれば、ついに地方分権を目指す全国の地域政党の連合体維新政党の誕生となるだろう。

 「そのメンバーは中田宏元横浜市長、大村秀章愛知県知事、河村たかし名古屋市長、東国原英夫前宮崎県知事、そして石原慎太郎東京都知事の名前が挙がっています。また民間では、辛坊治郎氏の“晴れての参加”の噂も。もし実現すれば、自民、民主の二大政党に匹敵する強力な第三極が誕生することになります」(府政担当記者)


 このような状況下、既成勢力の中からも早くも合流、連帯の動きが表れている。まず動いたのは国民新党の亀井静香代表で、「維新の会と連帯する新党結成」をブチ上げた。民主党の小沢一郎元代表も、ここにきて突然、野田総理の増税路線を批判し「行政改革を最優先すべき」と政権批判を公然と始めている。
 「このタイミングでこの発言。聞きようによっては維新の会へのエールですよ。それに、小沢事務所からは維新の会の選挙サポートになんらかの支援があったのでは、という噂もあります」(府政担当記者)

 既成勢力の中で唯一、公然と維新の会の支持を打ち出していたのが、みんなの党だ。同党では渡辺喜美代表が再三来阪し、維新の会との強い連携を強調、11月27日の開票時には真っ先に駆けつけ、「今日が日本の夜明けだ!!」とエールを送っていた。しかし渡辺代表は、春の統一地方選挙で橋下知事を「マキャベリスト」と論じ「少し距離を置きたいクール」とも語っていたのだ。その点を渡辺代表に直撃すると「マキャベリストは褒め言葉なんですよ」と手のひら返し。

 この他にも、たちあがれ日本が勝手連的に動いており、加えて公明党も今回の選挙を自主投票にしたことを幸いに、維新の会に秋波を送り出しているという。
 「たちあがれ日本は、維新の会を結成当時から支援していた部分があります。亀井さんの国民新党も含め、元はといえば自民党の右派。根っこは同じなんですよ」(前出・府政担当記者)

 自民党・民主党の市会議員の中にも「公務員条例などの改革協議には応じるべき」との声が上がり出した。泣く子と橋下徹には勝てない、究極の“この指止まれ状態”は、もはや止まりそうにない。


 前出の元議員は、これから起こるであろう維新の会の熱狂に関し、次のように語る。
 「既成政党には、うろたえるな、と言いたい。浮き足だったら終わりです。橋下さんという人は頭弁護士、腹詐欺師。これから必ずボロが出る。その時に真価を問われるのが、抵抗勢力としての既成政党だということを忘れてはいけません」

 W選挙の圧勝が日本に夜明けをもたらすかどうかはわからない。だが、激動の時代の幕開けになるのは確かのようだ。

●橋下大阪に「中田宏副市長」「古賀茂明顧問」―適材適所かウケ狙いか
      J-CASTニュース 2011/12/ 8 12:52 
 大阪都構想を引っさげて大阪市長になった橋下徹氏の副市長に、中田宏・前横浜市長の名前があがった。また、府と市の両方の顧問に元経産官僚の古賀茂明氏の名前が伝えられた。

議会承認で一波乱必至
中田は正式に要請があったかどうか明言していないが、選挙戦では橋下の応援で 「橋下前知事の話を聞いて、本当にほれぼれしています」などと持ち上げていた。政策的にも2人の考えが近いことは知られている。古賀は「直接の話はないが、橋下氏の考え方には賛成ですし、お手伝いできることがあれば喜んでやっていきたい」と話している。どちらにしても議会の承認が必要だから一波乱あるかもしれないが、強力な頭脳であることはたしかだ。

田中喜代重(弁護士)は「私は神奈川県民で横浜市民ではないんだけど、中田さんは途中で辞めちゃってよくわからない。あまり評判は良くない」と笑いながら話す。

司会の羽鳥慎一「なんかやってくれそうな感じはあるようですが」

立花胡桃(タレント)「改革派!」

玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「イメージとしてはね…」

どうもみんな事情をよく知らないらしい。中田は先頃、「政治家の殺し方」という生々しい本を出して、自らが辞任したいきさつなどを明らかにしている。改革を進める中で、利権を持つさまざまな勢力と激しい闘いがあって、最後は「スキャンダル攻撃」の中で衆院選への転身という口実で辞任した。中田1993年に日本新党から国会議員に初当選。02年に横浜市長に転じた。コストカットに取り組んだのは橋下府政と同じで、負債の1兆円削減に成功した実績は動かない。ただ、09年の開国博では入場者が予想を下回り、14億円の赤字を出した。この年、任期途中で辞任したため「投げ出し」と批判を浴びたと、話はそこで止まった感がある。

ターゲットは公務員減らしと既得利権剥奪
いわれのないスキャンダル攻撃では、ことごとく裁判で勝ったというが、市役所内部からの脅迫めいた動きは相当なものだったらしい。中田はYouTubeで も「利権との闘いは横浜9 件だけの問題ではありません。たとえば公務員減らしでも、その裏側にある構造がわかっていないと進みません」といっている。

また、古賀について玉川は「改革のマインドをもっているのはたしか。できれば中央でやってほしかったが、民主党がダメだというのなら大阪9 件でもいいのでは」という。

司会の赤江珠緒「改革をする時は仲間が必要だとおっしゃってました」

玉川「あと知恵が必要でしょう」

まあ、役者が揃って話は面白くなってきた。いま地方の方が旬というのは間違いない。

●橋下新市長よ 中田宏副市長ってそりゃないだろう
     日刊ゲンダイ 2011年12月8日 掲載
今度は人事でケンカか
<亀田祭りに登場の悪ノリ>
 7日の夜は「亀田祭り」に登場した。メーンイベントの前にリングに立ち、国歌を斉唱してご満悦だった橋下徹・大阪新市長(42)。相変わらず、目立つことは何でもやる。で、これもその一環か、と思えたのが新たな人事・組織案だ。

 二重行政解消に向けた調整機関の顧問に元経産官僚の古賀茂明氏や原英史氏を起用するのはいいとして、なんと大阪の副市長に中田宏・前横浜市長(47)を起用するというのである。ヤンキー漫画の「ビー・バップ・ハイスクール」じゃあるまいし、トオル&ヒロシのコンビなんて悪い冗談としか思えない。

「橋下新市長は、中田氏の経験と能力を高く買っている」(大阪維新の会関係者)というが、中田氏の行政手腕には大いに疑問符が付く。なにしろ、在任中に横浜市の財政は致命的に悪化したのだ。中田氏がブチ上げた横浜開国博で大赤字をつくり、不振の責任を問う声が出ると、任期途中で突然辞任。規定の満額(約3600万円)の退職金をもらってトンズラした過去がある。

 もっとも、中田氏の副市長就任には、市議会の同意が必要だ。「大阪維新の会」だけでは過半数に届かないため、他会派の動向がカギを握る。

「当然、反発する勢力が出てくるでしょうが、橋下氏はそれも計算ずくです。抵抗勢力が見えた方が、市民の支持を集めやすい。もともと橋下氏としては府知事選に中田氏を出したかったのですが、維新の会の内部で反対の声が強く、断念した経緯があります。今後は副市長として会見などに同席させ、メディア露出をどんどん増やす。市民・府民にも『私の同志で、週刊誌を賑わせたすごいヤツです』と顔を売っていく。そして、最終的には衆院選に維新の会から中田氏を出すつもりです」(ジャーナリスト・山田厚俊氏)

 女性問題で週刊誌を賑わせ、「ハレンチ市長」と呼ばれたこともある中田氏は、近著「政治家の殺し方」でメディア批判を展開していた。橋下はそうしたスキャンダルも武器にするつもりなのか。

●橋下氏圧勝「都構想」神奈川の場合は 東京との“二重行政”課題
      東京 2011年11月29日
       大阪府 特別顧問 上山慶大教授に聞く
 大阪市長選で前大阪府知事の橋下徹氏が圧勝し、同府知事選でも橋下氏が率いる「大阪維新の会」の幹事長が勝利した二十七日の「大阪ダブル選挙」。橋下氏らが公約に掲げた「大阪都構想」を三政令市を抱える神奈川県に当てはめると、どんな未来図が描けるのか。府特別顧問として、橋下氏を支える慶応大学総合政策学部(湘南藤沢キャンパス)の上山信一教授に「頭の体操」で県と県内政令市の将来像を考えてもらった。 (新開浩)

 上山氏の基本的な考えは「一国多制度」。横浜市が目指す県と同等の権限と財源を持つ「特別自治市」を含め、各自治体が独自の都市制度を考えればいいという立場だ。

 その上で、上山氏が考える神奈川と大阪の違いは「東京からの自立性」だ。

 「大阪は東京からお金が回ってこない。自力で稼ぐため、広域のインフラ投資が必要。しかし、府も市も財政が厳しい。両方の投資を集中させないとできない」と、大阪都の必要性を説明する。

 一方、神奈川は「横浜や川崎は東京のベッドタウン。空港などの東京のインフラも使える。大阪ほど自立する必要がない。都市戦略は東京と一緒に描いた方がいい」と違いを指摘した。

 それを踏まえ、「東京と横浜が競っても、二重行政になる。横浜、川崎両市を東京都に編入し、二十三区のような特別自治区に分割した方が、きめ細かい福祉サービスができる」と、「拡大東京都構想」を唱える。

 また、両市の行政区については「出張所のようなもので、権限は多くない。公選首長も議会もない。競争原理が働かず、透明性が低い」と批判する。

 一方、横浜、川崎の二大政令市を除いた神奈川県の形について、「実はその方がすっきりする」と強調する。

 「静岡、山梨両県の富士山周辺や静岡県の伊豆地方が合併し、新しい観光県になった方が、イメージが上がる。東京とは違う、今よりも特徴のある行政ができる。そういう面白さが、今の神奈川には見えない」と、独自の未来像を描く。

 ただ、こうした神奈川県再編の実現性については「大阪が京都に吸収されるような話だから、簡単には実現しないだろう」と、現実的に受け止める。

 それに比べ、大阪都については「大阪府民だけで議論すれば済む話。大阪市はなくなるが、府が都に変わるだけだ」と、実現に自信をみせた。

●大阪ダブル選挙を振り返る 大阪維新の会 政治に関心が低い層に支えられ勝利?
     PJニュース.net 鈴木 義哉 2011年12月09日 07:28 JST
【PJニュース 2011年12月9日】11月27日に行われた大阪市長選挙、大阪府知事選挙は大阪維新の会から立候補した橋下徹氏が大阪市長に、松井一郎氏が大阪府知事に大差で当選を果たす結果となった。

松井新知事は早速挨拶回り等を始めスタートダッシュをかけている。一方、次期市長の橋下氏は平松邦夫現市長の任期が14日まであることもあって各部局から聞き取りを受け就任準備を整えつつある。

街頭演説には人だかりが
橋下、松井両氏の街頭演説の取材を行ったが、まさに携帯カメラの放列でたちまち人だかりができる人気ぶりである。これは明らかに前回の08年の初出馬を上回る盛り上がりだった。 だが街頭演説の最後にこう付け加えた。「みなさん投票行ってくださいね。声をかけてくれる人ほど投票所に行かないんですよ」。こんな事を言う候補者は初めてだが、これはどういうことなのか?こんな話を聞いた。「橋下氏に心酔している大阪のおばちゃんは(街頭演説を)見るだけで満足してしまうんや。だから『投票もお願いします』とアピールせなあかん。全政党を敵に回したただけに、政治に関心の低い有権者の浮動票だけが頼りなんかもしれん」(府政にも詳しい市民団体幹部)

今回街頭演説の取材中でも「(大阪都構想は)わけがわからへんけど、橋下さんについていきたい」「(府の借金が)1兆円増えても橋下さんが府政をよくした。(府政は)数字で表せない」と答えてくれた人もいた。

松井氏のダブルスコアの勝利は収穫か?
また府知事選で松井一郎氏が約200万6千票の得票で次点の倉田薫氏(前池田市長)の120万票を大きく引き離した。松井氏の得票数は前回の府知事選挙の橋下氏の180万票を大きく上回る知事選史上歴代5位の得票数で大阪維新の会(以下維新)の選挙不敗神話をより強固なものにしたといえる。特に府知事選はキャスターの辛抱次郎氏や前横浜市長の中田宏氏、経済産業省の官僚だった古賀茂明氏等に断られた挙げ句、松井氏を苦し紛れに擁立したようなところがあるだけに維新の底力を見せつけた結果となった。

だが選挙のセオリーだけで見たら、自身の支持層を確実にリサーチしそういった層が多い、商店街や若年層の多いアメリカ村などの繁華街等を積極的に回り支持を広げてきた。その一方2年前から700回とも言われるタウンミーテング等も行う地道な活動も並行しており言ってみたら当たり前の選挙戦をやって勝ったとも言えるのだ。

批判を追い風?にする橋下的手法
橋下氏はよくポピュリストと言われているが、多くの有権者にマジックをかけたように支持を広げていくのは、さすがとしか言いようがない。よく小泉純一郎元首相と比較されるがマジック(奇術)にたとえるなら小泉氏はスライハンド(トランプやハンカチを使った小規模な奇術)橋下氏はイリュージョン(人体切断のような大がかりな奇術)だろうか。

特にメデイア(特にテレビ)を意識したような手法はタレントだけに、視聴者の反応を知り尽くしその場の空気を読む力は天才的とも言われる。そのためニュース映像などで論争する相手は、その結果がどうであれ橋下氏を目立たせる結果となる。今回知事選に出馬した倉田薫氏は池田市長時代の08年4月に市町村への府からの補助金をめぐって意見交換会が行われ、橋下氏が泣き出すというハプニングがあった。

その直後から府の市町村長会の会長でもあった倉田氏の池田市役所には府民からの苦情の電話が殺到したという。つまり橋下氏と論争となってテレビに映ってしまった者は論争の結果がどうであれ、視聴者は橋下氏を支持し相手はヒール(悪役)にさせられてしまう。それだけ場を読むのがうまいのである。

選挙前には、週刊誌などに橋下氏の出生や亡くなった父親のことまで書かれるバッシングを受けた。しかし「結構毛だらけ」といって一蹴(いっしゅう)しそのことがかえって支持を呼ぶ結果となってしまった。ネガテブキャンペーンすら追い風にしてしまう政治家は前代未聞だろう。

ただ、大がかりな構想ブチあげ型の政治手法と、タウンミーテング等の従来型の方法など空中戦とドブ板戦を巧みに組みあわせた作戦こそが大勝利の要因だったといえるだろう。【了】

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07:45 from web
昨日の朝は「岐阜でも名古屋でも『初氷』」とのニュース。庭の景色は一面の霜。そこで、薪ストーブをつけた。実質的には、本格稼働今年1日目。古新聞で作った「紙薪」を初めて燃やしてみた。手ごろな燃え方。⇒◆薪ストーブ/温まって夜は皆既月食を観察 ⇒http://t.co/JakqcYzS
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 昨日の朝は「岐阜でも名古屋でも『初氷』」とのニュース。
 庭の景色は一面の霜。

 そこで、薪ストーブをつけた。
 実質的には、本格稼働今年1日目。
 エアコンよりずっと暖かい。

 古新聞で作った「紙薪」を初めて燃やしてみた。
 手ごろな燃え方。 

 日中、シャツ1枚になるほど。

 夜は、予告されていた「皆既月食」をみた。 

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(どの写真もクリックすると拡大。写真右下あたりのクリックでさらに拡大)

古新聞で作った「紙薪」。
1か月以上、外に放置して乾してあった。
昨日、初めて片付けた。


コンテナーに入れる
「4×2」の1列が3段で計24個入り
4段の平積みの一部も箱に入れた






3段になった
  


  


最後は4段重ねで乾してあったところを
2段弱にまで減らして、乾燥促進
  

約300個のうち、半分弱を家の中に取り込んだことになる。

やはり薪ストーブは暖かい
    

身体もしっかり温まっているので
外に出ても寒さを感じなかった

夜、雲が切れて月が出た
皆既月食が始まる
1万5千円ほどのオリンパスのカメラで
かろうじて、流れの雰囲気を記録した

















薪ストーブの部屋では・・・NHKのニュース



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09:44 from web
昨日は、5人の弁護士と弁護団会議。事件は、「県の行政委員」に対して月1回ほどの会議に「月額20万円前後」の高額な報酬を支給していることは違法、という争点。一番先行していた滋賀県の事件は⇒◆最高裁は12月15日に判決/高裁判決見直しか⇒http://t.co/yvSN6NlY
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 昨日は、5人の弁護士と弁護団会議だった。
 事件は、「県の行政委員」に対して月1回ほどの会議に「月額20万円前後」の高額な報酬を支給していることは違法、という争い。

 一番先行していた滋賀県の事件、つまり大津地裁で「違法」、大阪高裁で「選管委員長を除いて違法」、という判決だった。
 昨年の滋賀県の上告に対して、最高裁が先月24日に弁論を開いた。
 高裁判決を最高裁が見直す場合は、最高裁は弁論を開かなければならない、だから、「見直す」意味ととるのが通例。

 最高裁の判決は、来週12月15日と指定されている。
 理屈からいえば、「選管委員長を除くように、他の一部の委員もいいでしょ」という観点で、「月額でも良い、悪い」の基準のラインを引くか、判断し直しのために高裁に差し戻すか、の可能性はある。
 でも、流れからすれば、「月額も違法ではない」と判決するのではないかとみられる。
 理由は、行政や議会には「裁量がある」ところ、月額か日額かは裁量のうち、ということ。

 一方、こちらの岐阜地裁の住民訴訟の弁論は12月14日。
 複雑な思いだ。
 今日のブログ末には、行政委員の問題と裁判についてまとめたダイヤモンド・オンラインの相川さんの記事「地方自治“腰砕け”通信記」を記録。

 (このブログの関連エントリー) 
 2011年9月28日ブログ ⇒ ◆住民訴訟:仙台市の非常勤、報酬違法 「月数日に30万円不合理」 仙台地裁/「判決全文」にもリンク

 2010年7月13日ブログ ⇒ ◆非常勤行政委員に月額報酬の返還・差し止め住民訴訟/今日弁論/岐阜地裁

 2010年4月29日ブログ ⇒ ◆行政委員の高額な月額報酬の返還と差止め訴訟。大阪高裁判決。岐阜県知事は日額方向に見直しか

 2009年2月4日ブログ ⇒ ◆行政委員の月額報酬は違法/支出差し止めを命じた大津地裁判決/日本中、同じ状態

 2010年2月21日ブログ ⇒ ◆住民監査請求/委員らは不当利得として4億3310万円返せ

 2010年3月29日ブログ ⇒ ◆住民監査請求は却下された

   2010年4月18日   ⇒ ◆行政委員の月額報酬は妥当か/4月26日に提訴することに

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●行政委員の月額報酬の是非で弁論 最高裁、判断見直しか
     朝日 2011年11月24日21時29分
 滋賀県が非常勤の行政委員に対し、実際の勤務日数にかかわらず月額で一定の報酬(約19万~23万円)を支給しているのは違法だとして、住民が県に支出の差し止めを求めた訴訟の上告審弁論が24日、最高裁第一小法廷(横田尤孝〈ともゆき〉裁判長)であった。裁判はこの日で結審し、判決は来月15日に言い渡される。

 一、二審は、実際の勤務日数が少ないことを理由に支出の差し止めを命じ、県側が上告。上告を退ける際には必要ない弁論が開かれたことで、結論が見直される可能性がある。

 弁論で県側は、自治体の財政が厳しくなっている社会情勢を考慮すべきだとした二審判決に対し、「裁判所が地方議会の裁量を制限するものだ」と主張。
 住民側は「一審判決後、全国二十数県で行政委員の報酬が日額制に改まった。行政の動向に逆行すべきではない」と反論した。


●大津市:非常勤行政委員、月額から日額制へ 報酬審決定 /滋賀
               毎日新聞 2011年11月11日 
 大津市の特別職報酬等審議会(会長=真山達志・同志社大教授)は9日、月額制としている非常勤の行政委員の報酬を日額制に改めることを決めた。「地方自治法の原則に従うべきで、例外規定には当てはまらない」と判断した。11日に目片信市長に答申する。市によると、日額制になれば全国の中核市や県内自治体で初。
 大津地裁、大阪高裁で県が敗訴した月額報酬の違法性を巡る訴訟=最高裁で係争中=を受け、市が審議会を設置。慎重な意見も出たが、「月額制とする合理的な理由は見当たらない」と結論づけた。【加藤明子】

●行政委員報酬 月額から日額制、加速
          東京 2011年10月30日 朝刊
 教育委員会や公安委員会など自治体の行政委員会委員(非常勤)の報酬について、月額制を違法と判断した二〇〇九年の大津地裁判決後に、神奈川、茨城、群馬の首都圏の三県を含む二十九道府県が日額制を導入したことが分かった。
 報酬制度を検討中の石川県が調査した。
 一方で同判決後、月額制を容認する判決が東京地裁など六地裁で続いており、司法判断の行方を見極めながら対応を図ろうとする自治体もある。 (横井武昭、室木泰彦)

 選挙管理委員長を除く行政委員の月額報酬について、大津地裁判決は勤務日が少ないなど実態に合わないとして初めて違法と判断。月額報酬を疑問視する声が高まった。

 調査によると、判決後に日額制を導入したのは二十九道府県あり、このうち静岡など四県がすべての行政委員会委員の報酬を日額制に変えた。神奈川、茨城、群馬など十七道府県は、一部の行政委員会の報酬を日額制にした。残る愛知など八県は月額報酬を低く抑え、勤務日数に応じ日額報酬を加算する月額・日額併用制とした。

 一部を日額制とした十七道府県のうち、勤務日数を基準に日額制に改めるかどうかを判断したのは神奈川など五県。神奈川の場合、拘束時間が長いなどの理由で、公安委員と、監査委員の一部は月額制を維持した。他の十二道府県は、勤務日数に業務の特性を加味して判断した。

 一方、千葉など十二府県は全行政委員会で月額制を維持した。
 また東京、埼玉、栃木など六都県は、判決前から一部に日額制を取り入れていた。
 大津地裁で争われた事案は上告中で、十一月二十四日に弁論が開かれる。大津地裁判決後の宇都宮など六地裁判決は、すべて月額制を合法と判断しており、大津地裁判決も最高裁で覆る可能性が指摘されている。
 石川県は検討委員会を設けてどう見直すか検討しており、最高裁判決後に決めることにしているが、一部委員からは「結論が延びるほど(月額制で)多くの税金が投入される」との声も出ている。

 ルール形骸化で「もらいたい放題」の行政委員
住民訴訟で原告に軍配を上げた仙台地裁の気概

      ダイヤモンド・オンライン 【第39回】 2011年12月9日 相川俊英 地方自治“腰砕け”通信記


原告側がめったに勝てない住民訴訟
仙台地裁の判決がイメージを覆した!


 住民が行政(自治体)を訴えるいわゆる住民訴訟で、原告側の勝訴となるケースはめったにない。日本の裁判所は行政の違法行為を指摘する住民側ではなく、相手側に軍配を上げるのがほとんどだ。

 そうした司法の判断に「結局、裁判官も行政マンと同じお役人にすぎない」と、不信感を募らす住民も少なくない。裁判官が自分たちの訴えをきちんと受け止めず、行政側の言い分をそっくり鵜呑みにしているとの不満である。

 住民訴訟はいつも住民敗訴――。そんな半ば諦めの声が全国に広がる中で、誰もがびっくり仰天する判決が飛び出した。仙台地方裁判所が今年9月、ある住民訴訟で原告勝訴を言い渡したのである。
「それほど働いていない人にこんなに支払うのは、税金の無駄遣いだ。そもそも日額制が原則なのに、特別な事情のないまま月額制にしているのは、不当だ」

 こう語るのは、「仙台市民オンブズマン」のメンバーで弁護士の齋藤拓生さん。
 齋藤さんら「仙台市民オンブズマン」は、仙台市が非常勤行政委員に月額で報酬を支払っているのは勤務実態に合わず不当だとして、報酬の支出差し止めを求める住民訴訟を起こしていた。月にわずか2、3日しか勤務しない非常勤行政委員に、月額約10万から約30万円もの報酬を支払っているのは、違法だと訴えたのである。
 これに対し、仙台地方裁判所は9月15日、「非常勤行政委員の報酬は、勤務に対する給付としては著しく不合理だ」と認定し、齋藤さんらの訴えを認める判決を下した。

 自治体の中で重要な役割を担う存在でありながら、何をやっているのか住民からはよく見えない部署がある。その代表事例と言えるのが、監査委員会や教育委員会といった行政委員会だ。専門知識が必要とされたり、公正中立な立場が求められる業務を合議制で行なう、自治体の執行機関の1つである。

行政委員会の設置は、法律の定めるところにより、権力の集中を排除する意味もあって、首長から直接の指導や監督は受けない。また、委員は専門家など一定の選任資格が定められ、議会での選挙や同意などによって選ばれる。
「人格が高潔で識見のある者」が就く特別なポストとされた。委員には任期があり、また、自らの意に反して罷免されることはない。職務の独立性を保障しているのである。

 市町村に設置される行政委員会は、教育委員会や選挙管理委員会、人事委員会または公平委員会、監査委員会、農業委員会、固定資産評価審査委員会の6種類。都道府県には教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会、監査委員会、公安委員会、労働委員会、収用委員会、海区漁業調整委員会、内水面漁場管理委員会の9種類である。

「日額制」を原則と規定する地方自治法
例外の月額制を逆手に取った行政委員

 各種行政委員は一部を除き、ほとんどが非常勤である。また、各委員会には事務局が常設されており、自治体職員が常勤スタッフとして配置されている。彼らが委員の職務を補助する建前となっている。

 地方自治法は、こうした非常勤の行政委員の報酬について「勤務日数に応じて支給する」とし、「日額制を原則」と規定している。その上で、但し書きに「条例で特別の定めをした場合、勤務日数によらずに報酬を支給できる」と書き加えている。
 この規定は、1956年の法改正で盛り込まれたもので、当時選挙管理委員会や人事委員会などの非常勤行政委員が、常勤職員とほぼ同様に出勤していた実情を反映させたものだ。

 各種行政委員を一律で月額制にしたり、法律で個別に月額制するのも妥当でないと考え、自治体の自主性を尊重して条例による例外(月額制)を認めることになったのである。

 つまり、非常勤行政委員の勤務実情により、例外的に月額制を採用してよいというのが、そもそもの法の趣旨である。

 ところが、である。ほとんどの自治体がいつの間にか原則と例外を逆転させ、非常勤行政委員の報酬を月額制にしてしまったのである。同時に、行政委員のポストを特定団体や議員、自治体OBなどの指定席に変えていった。

 まるで、委員にふさわしい「人格が高潔で識見のある人物」が、行政周辺にしか存在しないかのようになっていった。
 こうして行政委員と行政の馴れ合い関係が深まり、行政委員の職務は事務局の手の平で踊るだけになっていった。独立した執行機関というよりも、単なる事務局の追認機関に変質していったのである。

 行政委員会制度の形骸化、ないしは、御用委員会化だ。もちろん、全国の自治体に共通して見られる現象である。

仙台市の言い分に説得力はまるでなし
勤務実態を丹念に分析した画期的な裁判

 仙台地裁の裁判官は、非常勤行政委員の勤務実態を詳細に分析し、その上で判決を下している。膨大な議事録を読み込み、さらには非常勤委員らの証人尋問まで実施した。

 これにより、「勤務時間以外に事前準備などに相当の時間を費やす」「本業の活動が制限される」「人材確保の見地から月額制が必要」といった仙台市の主張は、ことごとく退けられた。

 なにしろ、当の非常勤行政委員らから「総選挙だからといって大変ということはない」(選挙管理委員)「本業に支障はない」(人事委員)「委員に就任するまで月額報酬制を知らなかった」(監査委員など)といった証言が飛び出したのである。仙台市の言い分に説得力がないことが明らかになったのだ。

原告の齋藤弁護士は「当局が提出した書類や主張だけで判断する裁判官が多い中で、議事録を読み込み、委員の訊問まで行なって勤務実態を丹念に分析した上での画期的な判決だ」と、評価する。

平均勤務日数2.0日で29万8000円?
全国に見られる行政委員のやりたい放題

 では、非常勤行政委員の勤務実態とその報酬はいかなるものだったのか。裁判所の認定(06年度から09年度)によると、監査委員(有識者)の月平均勤務日数はわずか2.0日で、月額報酬は29万8000円。日当に換算すると、14万9000円になる。
 市選挙管理委員は月平均1.7日の勤務で、報酬は月20万3000円。日当換算で11万9000円となる。会議への出席が主な仕事で、独自に調査や研究を行なうことはなく、会議も1時間程度で終わる。

 なんともおいしい仕事ではないか。人格が高潔な人物に対してとはいえ、いったい何のために高額な報酬を支払い続けるのか。その実態を知れば知るほど、疑問が膨らむはずだ。そして、その原資が血税であることに着目すれば、怒りが沸き上がってくるのではないか。

 非常勤行政委員の月額制を違法とされた仙台市は、9月27日、日額制では行政委員の成り手がいなくなると思っているのか、判決を不服として控訴した。ちなみに、国の非常勤行政委員は日額3万7000円以内で、各庁の長が定める日当制となっている。
 非常勤行政委員は全国の自治体に存在し、そのほとんどが月額の報酬を手にしている。しかし、そうした事実を知らずにいる住民も多く、是非をめぐる議論は一部の自治体にとどまっている。

 全国の自治体が早急に改善すべき課題であることは、間違いない。


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08:34 from web
昨日のニュースで、東電が原発事故の汚染水を海に流すとの報道。「海や大気を汚す」ということへの不感症。「誰も認めることがない」のに、体質はなかなか転換しない⇒◆放射能汚染水、海へ放出検討/抗議で撤回/判断能力の欠如/「原発推進者の無念」⇒http://t.co/mr4F6Aa7
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 昨日のニュースで、東電が原発事故の汚染水を海に流す、と報道されていた。
 またか、とあきれた。
 「海や大気を汚す」ということへの不感症。
 
 そして、今朝のニュース。
 漁業者の抗議を受けて、撤回もしくは凍結し、再検討する方向らしい。

 「誰も認めることがない」のに、堂々と「展望」するというのは当事者能力の問題。
 当事者としての判断力の欠如だと思った。
 この体質はなかなか転換しないだろう。

 ところで、現地の関係者のことを二つ記録。
 そのひとつは、事業者側に勤務してきて、その反省として書物を出した「原発推進者の無念」という本の著者のこと。

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●放射能汚染水、海へ放出検討 東電、保管に行き詰まり
     朝日 2011年12月8日13時57分
 東京電力福島第一原発の放射能汚染水について、東電は8日、処理したうえで海に放出する計画を検討していることを明らかにした。東電は国の基準以下で通常の運転で海に放出しているレベルとしているが、原子炉内の核燃料を冷やすために使った水が含まれている。汚染水の保管が行き詰まりつつある問題が背景にある。漁業団体から抗議の動きも出始めた。

 東電によると、1~4号機のタービン建屋などにたまった汚染水をセシウム吸着装置などで浄化し、津波で入り込んだ海水による塩分を除いて淡水化したものを放出する。新たな浄化装置の追加も検討している。近く経済産業省原子力安全・保安院に提出する中期的な施設運営計画に盛り込む方針を関係団体に伝えた。

 処理水の保管タンクにはすでに計約10万トンたまっている。来年3月には、タンクがいっぱいになる見込み。タンクを増設する敷地は限られる一方で、1日400トンとみられる建屋への地下水流入は続いている。原発内での再利用や地下水の流入防止策も検討するものの、限度があるという。放出時期や量、処理後の濃度などは未定だとしている。

●低濃度汚染水 海へ 福島第一 来春計画
       東京 2011年12月8日 夕刊
 福島第一原発の事故で、東京電力は八日、福島第一原発敷地内の汚染水を浄化処理した上で、来年三月ごろ、海へ放出することを検討していると明らかにした。通常の基準未満にまで放射性物質を減らし、環境への影響はないと説明している。全国漁業協同組合連合会(全漁連)は反発している。

 福島第一原発の建屋地下には高濃度の放射性物質を含む汚染水が約七万五千トンたまっている。東電は一日千トンのペースでこの水を浄化。うち約五百トンを原子炉内の冷却水として再利用している。

 差し引きの五百トンが余剰で、東電は現在、敷地内に設置したタンクで保管している。増設計画の分も含めて約十四万トンの容量を確保しているが、来年三月上旬にいっぱいになる見通しになっている。

 一方、建屋地下には一日あたり数百トンの地下水が流入している。このため、余剰の処理水を減らすために浄化のペースを落とすと、建屋地下の高濃度汚染水があふれる心配が出る。東電は地中壁の設置などで地下水の流入を防ぐことも検討したが、有効な手段は見つかっていない。

 東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「将来の見込みがない中、いつまでもタンクの増設を続けるわけにいかない」と説明。将来的に敷地外へ放出する方針を全漁連へ伝えた。放出する水は、通常時の原発なら海洋放出が認められる程度まで放射性物質を減らし、海洋への影響は出ないようにする。

 東電は近く処理水などの放射性廃棄物の取り扱いを取りまとめ、経済産業省原子力安全・保安院に提出する予定。一方、全漁連は「低濃度とはいえ、さらなる風評被害や国際的な批判を招くのは必至。到底許されるものではない」との抗議文を東電などに提出した。

 東電は今年四月、浄化前の汚染水一万一千五百トンを「比較的、濃度が低い」として海へ放出。近隣諸国や関係団体への連絡が遅れたため批判を受けた。

●【原発】海への汚染水放出計画は「許しがたい」
       テレ朝 (12/08 11:53)
 東京電力が福島第一原発で処理しきれない汚染水を海に放出する検討をしていることが分かり、漁業団体が強く抗議しました。

 第一原発の建屋には、注水で発生する高濃度の汚染水に加え、一日に最大で500トンの地下水が流入しています。一部は注水に再利用していますが、地下水で増える分はタンクに移送しています。しかし、来年3月にもタンクがいっぱいになる可能性があり、東京電力は濃度を基準値以下に下げて海に放出する検討を始めました。

 全国漁業協同組合連合会・服部郁弘会長:「我々の思いを一切取り入れていない、何も考えていない。漁業者はどうなってもいいのかと」
 全国漁業協同組合連合会の服部会長は、汚染水の放出計画に抗議する文書を東京電力の西沢社長らに渡しました。服部会長は、4月にも汚染水が海に放出されたことを踏まえ、「さらなる風評被害や国際的な批判を招く計画は到底許されない」と抗議しました。

●汚染水海に放出計画 東電3月にも 漁業団体が猛反発
        スポニチ [ 2011年12月9日 06:00 ]
 東京電力は8日、福島第1原発で貯蔵している低濃度汚染水を来年3月上旬にも海洋に放出する計画をまとめた。1~4号機の建屋地下などの汚染水から放射性物質を分離し、処理した後の水。放出する場合は、これまで除去していない放射性ストロンチウムの処理技術を開発し、放射性物質の濃度を法令で定める周辺海域での基準以下まで下げるという。

 これに対して、全国漁業協同組合連合会は8日、東電本店を訪れ、西沢俊夫社長に抗議文を手渡した。「さらなる風評被害を招く海洋放出は許されない」と指摘。「4月の汚染水流出事故以降、二度と海へ流出させないよう強く申し入れてきたにもかかわらず、これを無視した計画書の提出は許しがたい」としている。経済産業省にも抗議文を提出した。

 農林水産省の筒井信隆副大臣は、東電が海洋放出を行わないと約束しているはずだとの認識を示した上で「認めるわけにはいかない」と述べた。

 第1原発では4日、高濃度の放射性物質を含む汚染水を処理した後に淡水化する装置から水が漏れているのが見つかった。放射性物質ストロンチウムなどを含んでおり、約150リットルが海に流出した。

●【原発】汚染水の海洋放出を計画書に盛り込まず
        テレ朝 (12/09 05:50)
| 使い方は? 東京電力は、原子力安全・保安院に提出した計画書に福島第一原発からの浄化された汚染水の海洋放出を盛り込まなかったことを明らかにしました。

 東京電力、松本純一原子力・立地本部長代理:「(海洋放出は)まだ決まっていないということで、今回の報告から外した」
 福島第一原発から出た汚染水は、浄化されて原子炉の冷却に使われるほか、仮設タンクにも貯蔵されています。来年3月上旬にはタンクがいっぱいになるとして、放射性物質の濃度を基準値より下げて海に放出する検討を始めていました。しかし、漁業団体が強く抗議したことなどを受けて、東京電力は、保安院に提出した第一原発の運用計画に汚染水の海洋放出を盛り込みませんでした。今後については、「やるともやらないとも意思決定ができていない」と検討を続ける方針は変えていません。

●「原発事故風化させない」
       (2011年12月9日 読売新聞)
 被災地の現状について講演する長谷川さん  東日本大震災の東京電力福島第一原発事故で計画的避難区域に指定されている福島県飯舘村の酪農家、長谷川健一さん(58)が7日夜、久留米市で講演した。事故から間もなく9か月になろうとする中、苦難の日々を振り返りながら、「事故を風化させてはならない」と訴えた。

 被災地から遠い九州の人に震災について改めて考えてもらおうと、久留米青年会議所が主催。市民ら約150人が耳を傾けた。

 長谷川さんは同村前田地区で牛50頭を飼育していた。しかし原発事故の影響でうち12頭が殺処分された。現在は同県伊達市の仮設住宅で暮らしているが、村民有志と「全村見守り隊」を結成し、交代で村を巡回している。

 長谷川さんは「日本は国策として原発を推進したのに、事故が起きたときの対策を何もしていなかった」と批判。酪農家の女性が「ごめんね」と泣きながら殺処分される牛を見送った光景や、「原発さえなければ」との書き置きを残して酪農仲間が自殺したことなどを悔しそうに振り返った。

 さらに、「福島の子どもたちが差別されることのない社会をみんなで作っていかなければならない」と述べ、事故を語り継ぐことの大切さを強調した。

 長谷川さんや地元大学生らによるパネルディスカッションもあり、「(九州に住む)自分たちも考えなければならないことがある」などの意見が出た。


●ザ・特集:「福島第1」20キロ圏内から避難中 原発推進者の悔恨
             毎日新聞 2011年12月8日 
 ひとりの「原発推進者」が、東京電力福島第1原発事故で家を追われた。敦賀原発(福井県)などを稼働している「日本原子力発電」(原電、本社・東京都)元役員で、原発事業に長年関わってきた北村俊郎さん(66)だ。今秋「原発推進者の無念」(平凡社新書)を出版した。寒風の吹く福島へ、その「無念」を聞きに向かった。【江畑佳明】

 ◇原子力は行き詰まると思った。まさか大規模汚染とは。
 ◇「事故の可能性1/10000」。今考えれば確率論は誤り。
 ◇電源喪失の可能性排除し、現場で確認しなかった。

・・・・・・(略)・・・

 原電時代は、東海原発、敦賀原発で長く勤務。主な仕事は、原発労働者の安全管理。原発建設や定期点検の現場で、足場の悪いところの有無、手すりの強度など事故予防に努めた。原発全体の構造も自然に覚えた。「原子炉から何から、原発全体を見ないと安全管理はできないですから」

 目の当たりにしたのは、それだけではない。メンテナンスを請け負っている下請け、孫請けの多重構造。大手電力会社や原子炉メーカーの閉鎖的な体質……。「トイレのないマンション」と例えられるように、使用済み核燃料は蓄積される一方。その再利用を狙った高速増殖炉「もんじゅ」は、度重なる事故で軌道に乗らない。「電力の安定供給」という錦の御旗(みはた)の下で、いくつもの懸案が先送りされていた。「負の側面」が気になり、業界誌に原稿を書いては、警鐘を鳴らした。「原発事業はいつか行き詰まると考えていた。でも、まさか、放射能汚染が大規模に広がる事態は予想していなかった」

 原発の安全性を、住民集会で説明したこともある。「事故発生の確率は1万分の1と極めて低い」と解説すると、ある住民が「それは明日起こる可能性もあるということですよね」と指摘した。返す言葉がなかった。「今考えると、あの確率論は誤りだった」

 事故後、妻に「これまで『スリーマイル島レベルの事故は日本では起きない』とさんざん言っていたじゃないの。原子力業界に苦言を呈したのはわかるけれど」と何度も叱られた。重く響いたという。

 結果論かもしれないが、地震大国で海岸線の長い日本で、大地震や大津波で原発が破損する可能性は、素人でも想像できる。専門家はなぜ、思いが至らなかったのか。

 「それはね」と、ひと呼吸置いて答えた。

 「『世界に冠たる無停電の実績がある日本で、長時間の電源喪失は考えにくい』と統計だけで判断し、そういう発想を排除したからです。現場に足を運び、『本当に電源回復できるか』などを確認していない。そこに最大の問題がある」。また、チェルノブイリ事故の教訓も「政府や電力会社は『炉のタイプが違う』という線引きをしてしまった」と指摘する。事故の可能性を少なく見積もった結果、日常の避難訓練は簡素化され、住民も危機感を持たなかった。

 厳しく批判するその視線は、どこか寂しげだった。

     ■
 「ビッグパレット」の敷地には、川内村、富岡町のプレハブの臨時庁舎があり、原発事故で避難した人たちの仮設住宅も隣接している。周囲を歩きながら、避難生活の話になった。

 消費期限切れのパンが提供されるほど貧しい食糧事情。行政からの情報不足。誠意を感じさせない東京電力の賠償対応。元の生活に戻れるかわからない不安……厳しい現実と向き合ううちに、原発への考えを変えざるを得なくなった。「いったんこんな大事故が起こった以上、原発はもう、経済的に割に合わないことが明白になったのではないか。これから人口減の時代に入り、エネルギー需要も減少へ向かう中、どう考えても説得力のある論理形成は難しい」

 自然と庭のある暮らしを求め、妻とネコたちと、いおりを結んだ富岡町。福島第2原発の所在地で、交付金で行政サービスが充実しているのも魅力だった。自宅は福島第1原発の半径20キロ圏内の警戒区域に含まれ、立ち入り制限されている。事故後一時帰宅できたのはわずかに3回。放射線量は北村さんの推計で年間40ミリシーベルト以上、とても元の暮らしに戻れる見込みはないという。「自宅の不動産価格はゼロでしょう。老人ホームに入る資金に、と考えていたんですけどね」とぽつり。

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 長年携わった原発によって、現在の生活と老後の未来予想図が奪われる--。何と皮肉な現実だろうか。

 「それでも」と北村さんの声が大きくなった。「私は原発を推進した者として、また被災した立場として、自分の経験を発信し続けるべきだと思っています。その責任がある」

 事故後、講演に招かれることが多くなった。被害者となって初めて、無批判な原発推進の怖さを再認識した。自分もその流れの中にいた自責の念が、発言の原動力になっている。

 参事を務める日本原子力産業協会は原発関連企業や自治体で構成されている。脱原発派から見れば原発推進側だ、と言われるかもしれない。「批判は予想しています。しかし内部にいながら原発の問題点を指摘してこそ、意味がある。これまでは内部の批判を受け入れる体質が業界になかった。出版後原発OBから『よくぞ書いてくれた』と激励の手紙をもらいました」

 取材を終えると、すでに日は沈み、冷たい風が吹き付けていた。


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