個人的に思入れの強いさんさ踊り。岩手・盛岡の大きな祭りで、岩手の各地に伝承されている。
初めて出会ったのは遠野。遠野の写真を撮りに通いつめてたころ、遠野祭りで遠野各地の踊りが披露された。
当時の遠野って、車は数多く走っているものの、道で現地の人とすれ違うことはめったになかった。ごくたまにすれ違うとすれば、観光スポットで観光客に出会うぐらいのものだった。なので、遠野って牛や馬ばかりで、人はいないんだとばかり思ってた。
ところが遠野祭りでは、それこそ地域をあげての人出。何十人もの、きれいな娘さんたちが踊りを披露。さすがは歴史のある町だと見直したものだった。よそ者にはめったに見ることのできない土地の人々に、祭の原点を見たように思えた。
東北美人。例えば秋田の小保内美人。昔は、角館南女子高の登校する時間帯には、駅前にカメラマンが並んだものだった。角館はそんなことも誇りにする町だった。
今はどうかわからないが、よその町で女子高生の写真なんか撮ってたら、間違いなく警察に通報されるだろう。その意味で、角館の人々は、写真の芸術性を深く理解し、そうした人と人のふれあいを大切にする人たちだったにちがいない。
失われつつある、人と人のふれあい。きずな。さんさ踊りは、そんな大切なことを思い出させてくれました。
ありがとう。