すごくクールな映画だ。
'50、'60の懐かしいサウンドがヒップホップ音楽とマッシュ・アップして、心にジンジン響いてくる。その斬新なフレーバーに、みぞおち辺りにある敏感な部分をあやうく撃ち抜かれそうになってしまった。映画としてはベタなストーリーの展開だが実話に基づいているというから、生徒と教師の心の交流に胸が温かいもので満たされたような気持ちを感じた。事実は小説を超えるものなのだろう。何世代も受け継がれた本物の社交ダンスだからこそ、最新のヒップホップ・カルチャーとでも想像を超えてうまく融合できるものなのかもしれない。
さて、映画のあらすじは、落ちこぼれの生徒たち、問題のある家庭、気難しい校長という背景に、名のあるボールルーム・ダンサーのデュレイン。最初は社交ダンスなんて退屈だと思っていた生徒たちはデュレインに触発され、いつしか定石通りの予定調和の展開がはじまるというストーリー。心に残るセリフで物語が進行していく。
校長はデュレインが落ちこぼれ生徒たちをダンスを通じて教育すると聞いて
”Okay, where is the camera?”ドッキリカメラ? 誰しもが現実離れした話と思うかも。このwhere is the camera?ってフレーズは最近のアメリカ映画によく出てくる。アメリカもテレビの影響大なんだなあ。
フムフム。その昔、戦いに長けた男はダンスも優雅に踊れたらしい。ダンスってそうなんだ!
In ancient times, it was believed that any man who could kill with speed and accuracy should be able to dance with grace as well.
ダンス教室の落ちこぼれの金髪女子高生に対して、”自分のためのダンスだろ!”
You need to dance for yourself, not for anybody else.
金持ちの子女たちが習っている上品なダンスを見てびびった生徒たちに
(そんなちんけなツー・ステップでこいつらガキがうまく踊れんのかよ?
Some bargain basement two-steps while these kids got the real moves?
ー奴らはただ長い間ダンスをならっているだけだ。それだけ。さあ。
They've simply been doing them longer, that's all. C'mon, c'mon.
私が教えたのはお前らが価値があるってこと。
What I have taught you has value.
なにをするかって?奴らを驚かしてやれ。あいつらはお前らのことをなんとも思っちゃいない。だから、お前らがこれまでして来たこと以外、失うものなんてなんにもないんだ。
Yeah, so what the hell are we supposed to do?
Surprise them.
Everyone competing expects nothing-- nothing from you, so you have nothing to lose, except everything you have achieved so far.)
最後のPunk Assってところ、泣き笑いしちゃいますね。
(今、話し合うべきは、勝ち負けじゃなくて疑っていることだ。自信がないのなら家で引きこもっていろ。自分が信じられるのならそれで勝てるかもしれない。誰一人、落ちこぼれなしで! Punk Assが1人か2人いるかもしれないが。
So what we need to focus on now is not winning or losing, but doubting.
So if you're not sure, then sit down, just stay home.
But if somewhere you see a dot, a glimmer of belief in yourselves, then you might have what it takes to win.
Not a single reject. Maybe a punkass or two.)
ブログで世間に対して勝手な愚痴を言いがちだけど、はっと気づかされる
(親のせいにしたり、環境や政治、貧困のせいにするのは簡単だ。だけど自分の責任をきちんと理解さえしていれば、問題は発生しないんだ。
It's much easier to blame your father, your mother, the environment, the government, the lack of money, but even if you find a place to assign the blame, it doesn't make the problems go away.)
PTAを相手に、ダンスを通して人間形成ができることを説く。感銘したおばさんが思わず、”大人のダンス教室は?”。うまい、台詞回しだ。この映画を観ている観客も一緒になってダンスをしたくなってしまう。
(もし、あなたの16歳の娘さんが強くて自分自身を信じられるのなら、自分をだめにする馬鹿な奴らにむざむざやられはしないでしょ?何か質問は?-大人のダンス教室はあります?
Now, if your 16-year-old daughter is strong and secure and trust herself, how likely is she to let some idiot knock her up?
Are there any questions?
Do you teach adult classes?)
”ダンスしている間は心が休まって、嫌なことはみんな忘れることができるの”黒人の女の子のセリフ。
It's just this place where it gets all silent and I forget about everything bad.
♪一人ぼっちのあなたに魅せられました♪
♪It was fascination I know Seeing you alone♪
Take The Lead Tango Scene HOT!!
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