明治時代の世界情勢は、まさに帝国主義が牙をむいた時期にあたる。イギリスを中心とした欧米諸国で産業革命が起き、その工業力や国力を使い欧米諸国はアジアに進出。
最初に犠牲になったのはビルマだ。
中国もまたアヘン戦争によりかなり疲弊し、民衆は困り果て太平天国の乱を起こす。そこにつけこんだ英国はアロー号事件を起こして多くの利権を奪う。
一方、西洋ではクリミア戦争が起こり、英仏とロシアの争いの影響がさまざまな地域に及ぶ。アメリカ・メキシコ戦争があったのもこの頃。
東洋のはしっこの島国、ウブな外交ビギナー国家・日本は、近代国家として列強はしくれにならなければ明日はない時代だったわけだ。アフリカ諸国、インド、そして中国、日本はそれらの国の二の舞いになるわけにはいかなかった。
あの時代。世界情勢が不安定になれば、きまってキリスト教徒の敵、ユダヤ人の虐殺が起きる。ロシア帝国のユダヤ人弾圧を止めたのは巨額の資金援助を受けた日本だ。しかし、外交上手のロシアから戦争賠償金をもらうことはできず、日本は膨大な借金を抱えることとなる。
今、またロシアはウクライナをめぐり、アメリカと北大西洋条約機構(NATO)ときなくさい煙を上げている。アメリカの目線は中国にはない。極東をめぐる情勢は、また急変をよぎなくされる。けっして平穏なわけではない。