神戸市中央区、JR神戸駅東側に位置し、海を見下ろす立地の観覧車が目印の「神戸ハーバーランド」。昭和57年(1982)11月に貨物駅としての営業を終了した旧国鉄の湊川貨物駅や沿岸一帯の工場の跡地約23haを、昭和60年に再開発。1992年9月に街開きされました。
対岸のメリケンパーク側に神戸ポートタワーや神戸海洋博物館といった観光施設が揃うのに対し、ハーバーランド側には神戸モザイクなどの複合商業施設が林立しており、少し大人のお洒落な神戸といった感じでしょうか。
で、今回モザイク側を選んだ理由は、何かのチラシで目にしていた「モザイクジャズフェスティバル」。海を見ながらジャズに触れられるなんて、いかにもお洒落な神戸に似合いのイベント(⌒∇⌒)
と・・・とても楽しみにしていたのですが、すでに演奏者の周囲は黒山の人だかり。軽快な音楽は聞こえますが、人垣の中に立っていると、香水なのか、葉巻なのか、それとも体臭なのか・・・何とも形容しがたい匂いにむせて咳が止まらなくなり、早々に退散(^^;) しばらく海風に吹かれて呼吸が整うのを待つことに。
そんな時、高浜岸壁の南端にちょっと不思議な建造物を発見。側の説明で神戸港に現存する最古の信号所建造物「旧新港第五突堤信号所」と知りました。1990年に新港第5突堤で信号所としての役割を終え、今はハーバーランドのシンボルタワーとして人々を出迎えています。
折角のハーバーランド訪問でしたが、もう一度あの人ごみの中に戻る気力も無いので、早々に帰路に着くことに。バイクに戻る道すがらに見かけた「史跡 明治天皇御用邸跡」の碑。
二つの「稲荷大明神」の鳥居額が掛かる朱の鳥居。祠は清潔にお守りされています。
神戸市内にはかなりの数の歴史的な建造物(ビルディング)が残されています。まだデジカメがなかった頃、ビルディング巡りをして沢山の写真を残しましたが、今はその元気もなく(^^;) 手元にはバイクのタンデム席から通りすがりに写した写真がわずか二~三枚。ここは三宮の高架下、当時大学生だったご亭主殿が二度目のデートで連れて行ってくれた場所ですが、おもちゃ箱をひっくり返したような商店街にワクワクしたのを覚えています。
「神戸朝日ビルディング」は明治44年(1911)旗手組の施工。昭和9年(1934年)に建てられた旧神戸証券取引所の外観部分を低層部に再生利用し、1994年に「旧日豪会館」として竣工されました。アーチ型のファサードが印象的で、クリスマスシーズンには毎年可愛らしいクリスマスツリーが飾られることでも有名です。
「商船三井ビルディング」は、大正11年(1922)に大林組によって、旧大阪商船神戸支店として竣工。大正期のオフィスビルとして唯一現存する建物で、海岸通沿いに面して建つレトロな建物のなかでも、ひときわ目をひくアメリカルネサンス様式の華やかなビルです。
東洋一の貿易港として賑わった神戸の中心部、旧居留地の最南端を走る海岸通。そこには他にもまだ幾棟かの建物があり、ほぼ全部が国の登録有形文化財に指定されています。1995年、未曽有の大震災を経て、それでもなお不死鳥の如く復活した神戸の町並み。その建物をもう一度ゆっくりと見て歩きたいと思いながら、結局・・叶わずに終わってしまいました。
訪問日:2007年5月5日