昨日に引き続いての末社紹介、驚く事ではないのですが、これから紹介する末社は全て国登録有形文化財の建造物になります。
本殿の後方に位置する「荒熊(あらくま)天王社」。千鳥破風付入母屋造檜皮葺で、正面に軒唐破風付一間向拝を設け、勝運必勝・武道向上のご威徳があります。
鳥居の内、拝殿の下より神域を守護されるのは備前神狐の一対。流石に備前焼の陶工が生み出した神狐様。独特の風貌に心惹かれます。
更に玉垣の内より神域を守護される神狐さん一対。お顔が黒いのは、社殿前に置かれた線香台から流れる煙で長い間いぶされた所為なのです。
本殿の西北に南面して建つ「朝日天王社」。眼病平癒のご威徳があります。
明治42年(1990)の建造で千鳥破風付入母屋造檜皮葺、正面に軒唐破風付一間向拝を設けています。
社殿の左右より神域を守護されるのは備前焼神狐さん一対。さらに社殿の真下で神域を守護されるのは神殿狛犬を思わせる獅子一対。
香炉台の左右には、可愛いという表現がぴったりきそうな狛犬さん一対。阿形さんの手の下には昔何かがあったのでしょうか?
本殿東北に建つ「日車(ひぐるま)天王社」。学業成就のご遺徳が有ります。
明治40年(1908)の建造で、千鳥破風付入母屋造檜皮葺、正面に軒唐破風付一間向拝を設け、龍の丸彫や唐獅子の脇障子など、豊かな彫物装飾をもちます。
社殿下より神域を守護されるのは、青備前と呼ばれる非常に珍しい神狐さん一対。一見何でもないように見えますが、実はとても貴重で高価なお狐様なのです。
一体だけになってしまった神狐さんですが、赤いべべがとても可愛らしく見えてしまうのは何故でしょう?
本殿東側末社群の中央に建つ「三光(さんこう)天王社」。乳病平癒のご威徳が有ります。
昭和2年の建造で千鳥破風付入母屋造檜皮葺、正面に軒唐破風付一間向拝を設け、水引虹梁や繋虹梁を龍彫刻とする他、中備や方立、脇障子、腰板など華やかな彫物装飾で充たされています。
社殿の下より神域を守護されるのは備前焼き神狐さん一対。何ともひょうきんに見えてしまう表情は、焼き物が生み出す所以かも知れません。
ひょうきんな表情の備前焼き神狐さんだけでは心許なかったのでしょうか?まるで外堀を守るように生真面目な面立ちの神狐さんが付き添っています。
夜守天王社の北に位置する「妙正(よしまさ)天王社 」。僧侶守護のご威徳が有ります。大正6年(1917)の建造で一間社流造檜皮葺、正側面に擬宝珠高欄付切目縁をまわし、正面に浜床と浜縁を付けるのみで、装飾的要素を抑えた社殿となっています。
その浜縁のうちより控えめに社殿を守護されるのは、備前焼神狐さん一対。長く尖った鼻筋や、ピンと立った耳などは俊敏な狼かイヌを連想させます。
岡山県周辺域においては「最上稲荷」は、「伏見稲荷大社」・「豊川稲荷」と並ぶ日本三大稲荷の一つとしていますが、「豊川稲荷」では「伏見稲荷大社」と佐賀県の「祐徳稲荷」とし、「祐徳稲荷」では「伏見稲荷大社」と「最上稲荷」としています。ちなみに「伏見稲荷大社」では、「三大稲荷は地域により異なる」として、三大稲荷の三社を限定することはしていません。・・・う~~~んやっぱり本家の余裕でしょうか😄
ちなみにこの最上稲荷、岡山県内では最も多くの人が初詣に訪れると言われています(二番目は由加山)
最後は参道途中に建立されていた「亀趺(きふ)」。食いしばった口から漏れるのは・・・・「お・・重い・・・」
(※)「亀趺」とは台石の一種で、石碑を載せる台石を大亀の形にしたものの事を言います。
参拝日:2010年3月3日&2015年4月25日
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