どうしてこの鳥は手のひらに乗っているの---
それはまず最初にうちの居間のガラス戸にぶつかって
気絶していた、とそこへチイがやってきてここぞとばかりに
くわえて逃げた。
チイは鳥を捕れるくらい俊敏なネコではないのでこういう機会を
のがすと獲物に触れることは出来ない。くわえてさささと走り出す。
でもわたしが追いかけてしまった。不器用に鳥をくわえて
逃げようとするチイには簡単に追いついて、わたしは鳥をチイから奪ってしまった。
チイごめんよ。でもまだ生きてるかもしれないし。チイはどうせ野生の鳥は食べないし、悪いけどちょっとちょうだいね。
でももう死んでいた。首がぐらぐらする。死んだふりしてるのかなって思ったけど、もうびくともうごかない。
父ちゃんの手のひらにのせて見る。
とてもきれいでちいさくて軽い。
それから父ちゃんが埋めました。
ジョウビタキはよくくる。
葉っぱの落ちた柿の木が好きらしく、よくここにとまってる。
しかしタマがそれをよく知っていて張っている。
頭だけになったジョウビタキも父ちゃんが埋める。
メジロは一週間前にこの冬初めて会った。
でもその後の寒波でどこぞへ行ったらしい。
こういうときはどこで暖をとっているんだろう。
大雪の降ったあとの太陽がいっぱいの日、まだ外は真っ白で空気もきーんと冷えこんでるのに鳥の声がすごいときがある。
朝から曇ってて陽がささない寒い日は声も聞こえない。
この父ちゃんの手のひらに眠っている鳥はなんというなまえなんだろう。
調べてみたけど、案外わからないもんだ。