チマチマ毎日

木工屋と陶器屋の夫婦が作るセルフビルドの家と、まいにちの生活、道具のあれやこれや。

はじめての映画

2009年09月29日 | 読む見る聴く&思う

 昨日は先日あった運動会の振替休日。
息子を連れて名古屋今池シネマテークに映画を観に行くことに。
息子は生まれて初めての映画鑑賞。



観たのはチェコアニメーション、イジー・バルタ「屋根裏のポムネンカ」
バルタ監督満を持して放つ長編最新作ですよっ!!


  ほこりまみれ、煤まみれの屋根裏部屋は別世界。
  うち捨てられた人形や銅像、おもちゃや虫たちが静かに
  あるいはせわしなく暮らしている。
  青い目の人形ポムネンカ(「忘れな草」の意)は、ガラクタでできた
  シュ ブルト、壊れたマリオネットのクラソン、くまのぬいぐるみのムハと
  古いトランクの中で平和な日々を送っていた。


 くまのムハはルームシューズで眠る習慣


   その屋根裏の果てに住む悪の親玉フラヴァ(銅像)が手下を使い
   かわいいポムネンカをさらっていてしまう。
   クラソンとムハは意を決しタンスの壁を登山しシーツの洪水をかわし
   枕の雲から降る綿の雪に凍えながら悪の帝国へむかう。
   シュブルト、ねずみのキュリーやブタのルージェンカたちも一致団結し
   ガラクタを集めて作った飛行機(計器が秀逸!)や船に乗り
   愛しいポムネンカを奪いかえしにいざゆかん!



映画自体は字幕だけどあらすじがわかりやすいので
少しの解説をしてあげるだけで息子は食い入るように画面にくぎづけ。
途中「こわいこわいー」と手をぎゅうとにぎってくる。
おとなでも深層にぐっとくる怖さを感じるから子どもはもっと感じているだろうな。


                    パンフの表紙も愛らしい 



 わたしは古いものへの愛着が強いのかな、もう画面を観て震えてくる。
捨てられたストーブや空き缶、ほうきなどでできた機関車、きっぷが連なる列車、
食卓にはおままごとに使われてたカップ、おさら、お玉どれ一つとっても
古いものはうつくしい。
くまのムハはいつもトランクを二つもって歩くんだけれど、
この中にはベッドがわりのルームシューズ、ガラス製のティーカップとポット、ほかにもいろんなものが詰め込んである。
このトランク自体も水色に赤い十字が描いてあって(おそらく救急箱)欲しくなってしまう。
バルタ監督のひとつひとつのモノに対する愛情がしみしみあふれ来るのだ。
どれをとってもすべてに愛の目が注がれ、いらないものは何一つない。
画面からは目が離せない。



わたしたちの家にも目の届いていないすみっこに、きっと「彼ら」はいる。
わたしたちの姿を見るとなんでもない捨てられたモノになり転がって見せるけれど
「彼ら」はこっそりと食事をし眠り、そして毎日誕生会をひらいている。









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