チマチマ毎日

木工屋と陶器屋の夫婦が作るセルフビルドの家と、まいにちの生活、道具のあれやこれや。

おばあさんのカレー

2022年01月13日 | 日々のつれづれ

 

 慌ただしい年始も終わり、あと少しで学校が始まるという11歳息子の

のんびりした冬休みの終わり頃。

私が草刈りや頼まれごとで通っているおばあさんから電話があり

「カレーが作りたくなって〇〇(息子の名前)に食べてもらいたいんで

来て〜待ってるで〜」と。

 

 

 

ということで息子を連れておばあさんのうちにカレーをご馳走になりに行った。

 

おばあさんのお宅は以前はなかなか片付けができていなくて

台所も居間もいろんなものがいっぱい溢れていたけれど

最近ヘルパーさんや娘さんのおかげでだいぶきれいになってきている。

日のあたる居間に座らせてもらう。

座卓にはすでに2つのコップにお水が注がれている。

畑から採ってきたキウイには砂糖がかかっている。

待っていてくれたんだね。ありがとう。

 

カレーが出てきた。

一口。ふむ。甘めでおいしい。全体に薄めの味付けで優しいカレー。

「辛くないよ。おいしいから食べてみて」。

息子も食べ出す。

「昆布入ってるで。魚も入れた。はちみつも入れたしとにかく

いろいろ入れた」とおばあさん。

 

昆布は意外と合っていた。まろやかさを増しておいしい。

魚、これはカレーの風味に負けてどこに入ってるかわからない。

何かの煮付けも入ってるような。

 

急に息子の食べる手が止まった。

それからなかなか食が進まなくなった。

 

おばあさんは息子にカレーを食べさせたくて私たちを呼んだ。

(ほれ、もっとちゃんと食べて!)とこっそり息子を促す。

「残してもええよ〜」とおばあさんは言うけど、

いやいや、ここは完食でしょう。

息子、ゆっくりだけど食べ切った。少し何かを残してはいたけれど。

 

おばあさんは子どもが食べるところを見たかったんだな。

だから子どもが好きそうなカレーを作ってくれたんだな。

その気持ちはわたしにもわかる。

 

残ったカレーをお土産にもらい「ごちそうさまでした〜!」

とおばあさんちを後にする。

 

帰り道、息子に「どうして急に食べるのが遅くなったの?」と聞いた。

「カレーの中にジャリってするものがあった」という答えだった。

実はわたしも何かわからない焦茶色のお肉を噛み当てたとき

お香のような味がして「?」と思ったのだけれど

この歳になるとあまり気にならなくなるもので、そのまま食べていた。

息子は気になってしまったんだろう。

まあでもよかった、食べ切ってよかった。

 

さていただいたカレーを夕飯に温め直して出した。

やっぱり何かお香のような味がするものがある。

イノシシか何かを煮しめてあるような、そんな感じなのだけれど

なぜかお香の味がする(お香を食べたことないけれど)。

それを丁寧にとりのぞいて食べる。

するとおいしいカレーなのだ、おばあさんカレー。

子ども向けにとうもろこしもいっぱい入っている。

にんじんも大きく柔らかい。ジャガイモは煮溶けている。

 

おばあさんはこうやってたくさん作って人にご馳走するのが好きだ。

作ると疲れてしまって、しばらく寝ないといけなくなるけど。

ちょっと前は息子さん娘さんお父さんそして

お客さんたちの分も含めてたくさんたくさん作っていたんだろう。

 

今はウチもその御相伴に預かって、いろいろいただいている。

次はなんだろう。

 

 

 

 

 


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