「おわら風の盆」と「平成中村座」、どちらも行きたいものだ
昨日のことだが、郵便を出しに郵便局に行った際、いくつか記念切手が目についた。日本郵便に民営化されて以来、ずいぶんとたくさんの記念切手が販売されている。そんな中で、目についたのは「50円」の「おわら風の盆」の記念切手だ。「風の盆」は、「80円」の記念切手も既に販売されている。
さてこの「おわら風の盆」は、高橋治著『風の盆恋歌』(1985年、新潮社刊)で一躍全国区での広がりを見せ、石川さゆりの同名の唄は、多くの人を魅了して、狭い八尾のまちに今では全国から約30万人が訪れるという。
さてこの『風の盆恋歌』について、文庫版の「解説」を書いている加藤登紀子によると、「この小説は男と女の恋という形をとってはいるけれども、実は、風の盆を描きたいという著者の狂おしいほどの情熱によって書かれたものだと思う」と書いている。「なるほど、その通りだ」と頷いた。そして、この小説を読み、私もまだ見ぬ「風の盆」に魅了されてしまったからだ。
そんな「おわら風の盆」の地である八尾を一度だけ訪れたことがある。富山でお話をする機会を与えていただき、その際にワガママをいい、お車でご案内いただいた。もう10数年も前のことだろうか。
しかし今、「風の盆」の記念切手を見ていて、今度は本番の「おわら風の盆」に身を置いてみたいという衝動が突き上げてきている。
そして今日は、中村勘三郎が5年ぶりに浅草寺境内で「平成中村座」を復活させるとのニュースを見た。片岡仁左衛門も出演しての「仮名手本忠臣蔵」の演目は魅力的だし、公演期間中浅草界隈は、江戸時代の街並みが復元されると聞いては、無性に行きたくなった。
貧しい身には、今の世はあまりに誘惑が多すぎる。困ったものだ。