今年のチューリップ賞は、桜花賞を占うというより、単純にレースとして面白そうだ。
未勝利馬、1勝馬、2勝馬、キャリアも1戦から5戦、しかも重賞2勝を含む3勝馬まで出ているのだから、大変だ。
そんな多彩な顔ぶれの中で。ここはキタウイングに注目。普通であれば、新潟2歳SとフェアリーSを勝っており、実績ダントツで人気になるはずなのだが、たぶんそうはなるまい。過去5レースで最上位人気は2戦目の新潟未勝利戦の3番人気で、そこで初勝利を挙げたのだが、新潟2歳Sは4番人気、フェアリーSに至っては11番人気での勝利である。ちなみにジュベにも出走しており、その時は8番人気の14着と惨敗しており、それがフェアリーSで人気を下げた原因でもある。さすがに今回はそこそこ人気にはなるが、それでもせいぜい3番人気、4番人気あたりだろう。
桜花賞の権利は賞金的に間に合っているが、トライアルへの出走は、おそらく休養明けで臨んだジュベの大敗を踏まえてのことだろう。それだけ、陣営は本番に色気を持っているということだ。叩き台として出るなら、ここは仕上げも7、8分だろうから勝つのは厳しいともいえるが、重賞を2つも勝っている実力が伊達でなければ、あっさり勝っても不思議じゃない。父ダノンバラード、母父アイルハヴアナザーという渋めの血統も、逆に応援したくなる。何より名前がいい。ここで勝つようなら、一気に本番の主役になる。キャリア5戦は昭和の競馬っぽくて、昭和の歌姫のヒット曲の馬名と重なる。桜の舞台へ翼広げて飛び立つ。