久しぶりに三浦しおんを読んだ。「墨のゆらめき」である。
のっけから、映像がうかんできた。そう「まほろ駅前多田便利軒」の映画だ。老舗ホテルのホテルマンとホテルの筆耕士である書道家との物語なのだが、ホテルマンが永山瑛大、書道家が松田龍平というわけだ。
著者はそんなこと考えてもいなかったはずで、読む側が勝手に映像化しただけなのだが、読みながら同時に映像が頭の隅で展開するのは思いのほか楽しいわけで、私はごくまれにそんな読書をすることがある。
主に浅田次郎や横関大の小説が多かったが、三浦しおんは初めてだった。
いずれも過去に作品がドラマ化や映画化されているからなのかもしれない。相変わらず、著者の男目線は見事過ぎて、どこから生まれるのか不思議でならない。まあ、書き手が男だろうが女だろうが、作品とは関係ないわけで、それをとやかく言うのは野暮というものだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます