メイショウがまたもや石橋守を男にする

　石橋守調教師といえば、騎手時代はメイショウサムソンで皐月賞、ダービーを制した、運の強い男。その男が開業10年目にして、やっとつかんだ重賞が毎日杯だった。奇しくも、師を男にしたメイショウサムソンと同じ冠名のメイショウタバルだ。そのメイショウの馬が、今度は調教師としてG１のタイトルを掴み取る。そんな物語があってもいいではないか。

　また、鞍上が先に事故死した藤岡康太と同期の浜中俊というあたりも、めぐりあわせという気がしてならない。

　もちろん、メイショウタバルを推す根拠はある。

　とにかく、毎日杯が素晴らしすぎた。重であの時計は並みの馬では絶対に出せない破格の時計なのだ。その証拠に、後続を1秒ちぎっての大差勝ちだった。良馬場だったら、もっと時計が出たはずだ。皐月の舞台は、スピードが要求されるだけに十分チャンスはある。

　下馬評は、重なら浮上という評価が多く、絶対に人気になることはない。思えば、メイショウサムソンも確か、皐月賞は6番人気かそこらだったはずだ。

　まして、ルメールが大本命レガレイラに騎乗できなくなったことも、大波乱を予感させる。