不思議な国の同一労働同一賃金
外国から見れば、日本は不思議な国のようです。どこの家にも神棚と仏壇があったり、国を挙げて侵略戦争をしたかと思ったら、平和主義になったり、オイルショックで一番困るかと思ったらジャパンアズナンバーワンになったり、ところがその直後から20年以上も不況が続きジャパンシンドロームと言われたり、世界一の個人貯蓄を持ちながら、政府は世界一の借金政府だったり、どの国でも大問題の若年失業率は世界も驚く低さだったり・・・。
世界では当たり前の同一労働同一賃金が、改めて政策目標になり、今国会で成立させようと安倍政権が頑張るという景色も、欧米から見れば不思議でしょう。
マーケットが適切に機能するようにすれば自然と同一労働同一賃金になるはずなのに日本ではそうなりません。
その日本で、法律で同一労働同一賃金をやろうというのですから、これは大変でしょう。もともと出来ないようになっているのです。
ということで、今回の法律で、先ず諦めたのが、正社員の中では、同一労働同一賃金でなくても構わないという点です。正社員間では触れないことにしたようです。
結果的に、同一労働同一賃金は、「正社員と非正社員」の間だけの問題になりました。
同じ職場で正社員と非正社員が同じ仕事をしていたら均等待遇にしましょう。同じような仕事をしていたら均衡待遇にしましょう、という事だそうです。
同じ職場というのは、事業場ではなく同じ企業という事だそうです。
現実には、正社員は、新卒一括採用で入るのが一般的で(もちろん中途採用もかなりありますが)、仕事は何をするか決まっていない採用(人材採用)です。入社後、仕事は社内異動で変わりますが、賃金は職能資格制度などで仕事の内容とは別で(属人給)、毎年の定期昇給や考課査定で決まります。
一方、非正規社員は、「これこれの仕事をする方求めます」という求人広告に応募し採用になります。もともと職務給で、賃金水準は地域のマーケットで決まっています。
ところが、偶々採用された会社が賃金の高い会社で、同じような仕事の正社員の賃金が高いと、多分その高い賃金に合わせないといけない事になるのでしょう。逆に低い賃金の会社に入ると、同じ仕事をしていても、地域の相場のままという事でしょうか。
同じ非正社員でも、入った会社の賃金水準によって、賃金は変わってきます。
正社員の賃金は、マーケットではなく、その企業の賃金制度で決まりますから、企業ごとに格差があります。多分、非正社員の賃金も、企業間の格差に合わせて格差が生まれるのでしょう。これは同一労働同一賃金ではなくて、非正社員にも企業別の賃金格差を認めるという仕組みです。
これから、国会でもいろいろな議論があって、最後にどう纏まるのか解りませんが、外国から見ると、また不思議な国の要素が一つ増えるのではないでしょうか。
賃金の決定方法や、その結果生じる格差をより合理的なものにするというのであれば、もっと違った合理的な方法があるように思うのですが。
外国から見れば、日本は不思議な国のようです。どこの家にも神棚と仏壇があったり、国を挙げて侵略戦争をしたかと思ったら、平和主義になったり、オイルショックで一番困るかと思ったらジャパンアズナンバーワンになったり、ところがその直後から20年以上も不況が続きジャパンシンドロームと言われたり、世界一の個人貯蓄を持ちながら、政府は世界一の借金政府だったり、どの国でも大問題の若年失業率は世界も驚く低さだったり・・・。
世界では当たり前の同一労働同一賃金が、改めて政策目標になり、今国会で成立させようと安倍政権が頑張るという景色も、欧米から見れば不思議でしょう。
マーケットが適切に機能するようにすれば自然と同一労働同一賃金になるはずなのに日本ではそうなりません。
その日本で、法律で同一労働同一賃金をやろうというのですから、これは大変でしょう。もともと出来ないようになっているのです。
ということで、今回の法律で、先ず諦めたのが、正社員の中では、同一労働同一賃金でなくても構わないという点です。正社員間では触れないことにしたようです。
結果的に、同一労働同一賃金は、「正社員と非正社員」の間だけの問題になりました。
同じ職場で正社員と非正社員が同じ仕事をしていたら均等待遇にしましょう。同じような仕事をしていたら均衡待遇にしましょう、という事だそうです。
同じ職場というのは、事業場ではなく同じ企業という事だそうです。
現実には、正社員は、新卒一括採用で入るのが一般的で(もちろん中途採用もかなりありますが)、仕事は何をするか決まっていない採用(人材採用)です。入社後、仕事は社内異動で変わりますが、賃金は職能資格制度などで仕事の内容とは別で(属人給)、毎年の定期昇給や考課査定で決まります。
一方、非正規社員は、「これこれの仕事をする方求めます」という求人広告に応募し採用になります。もともと職務給で、賃金水準は地域のマーケットで決まっています。
ところが、偶々採用された会社が賃金の高い会社で、同じような仕事の正社員の賃金が高いと、多分その高い賃金に合わせないといけない事になるのでしょう。逆に低い賃金の会社に入ると、同じ仕事をしていても、地域の相場のままという事でしょうか。
同じ非正社員でも、入った会社の賃金水準によって、賃金は変わってきます。
正社員の賃金は、マーケットではなく、その企業の賃金制度で決まりますから、企業ごとに格差があります。多分、非正社員の賃金も、企業間の格差に合わせて格差が生まれるのでしょう。これは同一労働同一賃金ではなくて、非正社員にも企業別の賃金格差を認めるという仕組みです。
これから、国会でもいろいろな議論があって、最後にどう纏まるのか解りませんが、外国から見ると、また不思議な国の要素が一つ増えるのではないでしょうか。
賃金の決定方法や、その結果生じる格差をより合理的なものにするというのであれば、もっと違った合理的な方法があるように思うのですが。