TPP・11:日本の取るべきスタンス
平成不況とアメリカの関係は前回で「いざなぎ越え」に入るところですが、いずれ続けることとし、今回は米抜きTPP、通称TPP・11について取り上げました。
TPPについては当初「 TPPの胡散臭さ」などと書いてきましたが、これは、アメリカが自らの万年赤字を何とかしようとの意図が見え隠れするからでした。
しかし、その後の進展ではアメリカ代表のフロマン氏の人柄か(日本代表の甘利さんの努力もあったのでしょう)アメリカの都合だけでなく12カ国全体の発展に役立つようなものになりました。
TPP決着の中身と説明を聞いて」を書きましたが、一方アメリカではTPP反対の意見が強まり、トランプ政権はTPPなど無視することになりました。
環太平洋諸国の将来に役立つものであってもアメリカが当面損するならやらないという事でしょう。
先ずは損得勘定に立つトランプ政権らしいところですが、TPPが、紆余曲折の末、アメリカ抜きでやろうという事になったのは関係国の素晴らしい判断だと思います。
アメリカも自分に関係ないものを壊す事は出来ませんし、壊してしまえば、そこへ出てくるのは中国という懸念もあったのでしょう。
自国の利害優先のアメリカは多国間交渉には興味を示しません。多国間交渉は参加国みんなの役に立つことを優先し、自国の利害はその中に見出すというのがその本質でしょうから、TPPは、環太平洋諸国の共生と共益を求めるものです。
この、共生と共益の思想は、日本に似合っています。日本は戦後、アジアにおいて、平和と経済発展を最重視し、「人畜無害で役に立つ国」というスタンスで外交経済活動をやってきたと思います。
これは、そのルーツを遡れば、2000年以上も前の日本、 外来文化の影響で倭国大乱などと言われる状態になる以前の1万余年の日本文化の形成期「縄文時代」に培われた日本固有の文化(注)と言われるものにあると言えるようです。
アメリカは万年赤字に悩まされ「日本は沢山の武器を買ってくれる」などと国民に説明しなければならない状況です。
一方アメリカが警戒する中国は、その巨大さの故でしょうか国の統一、ガバナンス維持に巨大な金が必要でしょう。
アメリカは、今現在「アメリカ・ファースト」、中国は、かつて「愛国無罪」などという言葉が流行した国です、人畜無害と安心できない要素があるようです。
日本は、そうした意味では、経済、技術、文化など、いろいろな意味で、共生、共益を実践できる国でしょう。
安心して付き合える国「日本」、付き合って損しない国「日本」というのが、TPP・11でも、日本の取るべきベストのスタンスという事になるのではないでしょうか。
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(注)縄文時代には戦はなく、征服・被征服の関係も奴隷制度もなかったという研究結果が一般的です。
平成不況とアメリカの関係は前回で「いざなぎ越え」に入るところですが、いずれ続けることとし、今回は米抜きTPP、通称TPP・11について取り上げました。
TPPについては当初「 TPPの胡散臭さ」などと書いてきましたが、これは、アメリカが自らの万年赤字を何とかしようとの意図が見え隠れするからでした。
しかし、その後の進展ではアメリカ代表のフロマン氏の人柄か(日本代表の甘利さんの努力もあったのでしょう)アメリカの都合だけでなく12カ国全体の発展に役立つようなものになりました。
TPP決着の中身と説明を聞いて」を書きましたが、一方アメリカではTPP反対の意見が強まり、トランプ政権はTPPなど無視することになりました。
環太平洋諸国の将来に役立つものであってもアメリカが当面損するならやらないという事でしょう。
先ずは損得勘定に立つトランプ政権らしいところですが、TPPが、紆余曲折の末、アメリカ抜きでやろうという事になったのは関係国の素晴らしい判断だと思います。
アメリカも自分に関係ないものを壊す事は出来ませんし、壊してしまえば、そこへ出てくるのは中国という懸念もあったのでしょう。
自国の利害優先のアメリカは多国間交渉には興味を示しません。多国間交渉は参加国みんなの役に立つことを優先し、自国の利害はその中に見出すというのがその本質でしょうから、TPPは、環太平洋諸国の共生と共益を求めるものです。
この、共生と共益の思想は、日本に似合っています。日本は戦後、アジアにおいて、平和と経済発展を最重視し、「人畜無害で役に立つ国」というスタンスで外交経済活動をやってきたと思います。
これは、そのルーツを遡れば、2000年以上も前の日本、 外来文化の影響で倭国大乱などと言われる状態になる以前の1万余年の日本文化の形成期「縄文時代」に培われた日本固有の文化(注)と言われるものにあると言えるようです。
アメリカは万年赤字に悩まされ「日本は沢山の武器を買ってくれる」などと国民に説明しなければならない状況です。
一方アメリカが警戒する中国は、その巨大さの故でしょうか国の統一、ガバナンス維持に巨大な金が必要でしょう。
アメリカは、今現在「アメリカ・ファースト」、中国は、かつて「愛国無罪」などという言葉が流行した国です、人畜無害と安心できない要素があるようです。
日本は、そうした意味では、経済、技術、文化など、いろいろな意味で、共生、共益を実践できる国でしょう。
安心して付き合える国「日本」、付き合って損しない国「日本」というのが、TPP・11でも、日本の取るべきベストのスタンスという事になるのではないでしょうか。
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(注)縄文時代には戦はなく、征服・被征服の関係も奴隷制度もなかったという研究結果が一般的です。