tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

NGR(国家の地球的責任)、特に大国の責任とは?

2019年01月05日 15時48分58秒 | 国際経済
NGR(国家の地球的責任)、特に大国の責任とは?
 2019年、平成31年は、何か波乱の幕開けの様相になってきました。
 象徴的なのは、年末年始にかけてのNYダウの乱高下です。東京市場も確りその後追いをしています。ただ問題なのは、円高が進んだことで、108~107円台をつけています。

アメリカでは、株価暴落の1月3日、FRBのパウエル議長が、ジョージア州でのイベントで、アメリカの景気は着実という認識を示し、金利の引き上げについては先延ばしも考え忍耐強く対応すると強調したそうで、同じ場にいたバーナンキ、イエレンの歴代議長も、それを支持したという事でした。

 その結果、4日のNYダウは830ドルを超える値上がりになったようですが、これがアメリカ経済の実態を表すものか、いわゆる口先介入のようなものなのかは、今後の動きをもう少し見ていく必要があるでしょう。

 世界の覇権国、基軸通貨国のアメリカが好況というのは多くの国にとって有難い事ですが、その好況が、万年赤字の上に成り立っているのですから、持続可能性に限界がある事は当然予想されます。

 今迄も、ニクソンショック、プラザ合意、リーマンショックと他国に負担を強いながら繁栄を維持してきたわけです。
 この実態は、トランプさんが「アメリカを再び偉大に」と言って関税障壁、ドル安政策で守ろうとすればするほどその病状が進行するという結果になるのでしょう。

 アメリカの関税障壁やドル安政策の相手は、さしあたって中国、それに日本といった事になるのでしょう。
 最近の中国との話し合いを見ていますと、自由主義経済のアメリカが関税障壁を主張し、共産主義の中国が自由貿易を主張するといった、世界があべこべになったような様相です。

 1月8日から始まる米中貿易交渉がどんなことになるか、従来は、自由化推進のアメリカを支持してきた日本が、中国が自由貿易を主張するようになってどういう態度を取るのでしょうか。
 その成り行きは恐らく同時並行的に日本にも関係してくるでしょうから、これからの日本の対応も容易ではないでしょう。

 世界の2大大国の間が貿易戦争となれば、世界経済への負の影響は必至です。2大大国が自己の利益を優先しようと、2国間交渉で鎬を削り、他の国々がそのプロセスや結果が世界経済に与える悪影響を一様に心配する構図は、今後の世界経済あり方にとって決して良いモデルとはいえないでしょう。

 このブログでは、かつてから NGR(Nation’s Global Responsibility) 
を主張していますが、特に大国にあっては、地球規模で世界に貢献するという視点が大切ではないでしょうか。

 もしトランプさんの好きな2国間交渉で賢明なディールが成立しなければ、国連や、WTOなどの国連傘下の機関が、権威をもって問題解決が出来るような地球規模の体制作りに協力するといった、合理的な思考回路をも持ってほしいとつくづく思うところです。