2021年度「政府経済見通し」を見る
今週月曜、18日に内閣府より来年度(平成3年度)の「政府経済見通し」の閣議決定版が発表されました。
昨年出した平成2年度の「政府経済見通し」は、「見通し」ではなく「希望数値」だなどと言われましたが、結局はコロナ禍で、現実は政府の希望とは反対のマイナス成長になっています。
来年度の「見通しも」多分に希望的なものですが、国民も、まともな経済への復帰を希望していますから、そのつもりで点検してみたいと思います。
まず実質GDP の成長率ですが、今年度の「実績見込み」5.2%のマイナス成長、そして来年度の「見込み」はプラス4.0%で、今年のコロナによる落ち込みを7~8割がた取り返すという数字になっています。(以下、数字はすべて実質値です)
勿論、コロナは第3波で終わり、4波は避けられ、ワクチン接種は順調にいき、コロナ禍は沈静に向かい、オリンピック、パラリンピックも何とか実施され、世界経済も、日本経済もコロナ終息の見通しが立って、ほっと一息という前提でしょう。
世界経済については「国際機関等の見通しを基準にした」と注書きしています。
中身を見ますと、GDPの過半を占める「民間最終消費支出」が今年度のマイナス6.0%から3.9%のプラスに、民間住宅も同マイナス6.7%から1.8%プラスに小幅回復、頼みの民間企業設備は、あまり期待していないようで、同マイナス8.1%から2.9%のプラスの回復の見込みです。
こう見ますと、確かに回復は回復ですが、今年度の落ち込みに比べれば、回復な鈍く、政府としては、民間の回復のペースについては慎重な見方が目立つといった所です。
一方、政府支出の方を見ますと、巨大な補正予算を組んだ今年度が、政府支出全体で3.7%のプラスで、内、政府消費支出が3.2%、固定資本形成(政府の投資支出)が5.4%です。公共投資でGDPの落ち込みを支えようとした形ですが、1人10万円や、GoToの補助金、企業への給付金などは、合計10兆円~20兆円という巨大な額ですが、GDPにはそれほど反映されていないような気がします。
来年度については,政府消費支出、固定資本形成は共に3.3%のプラスで、ほぼ今年度並みの財政テコ入れを見込んでいるようです。
経済成長には役に立つでしょうが、いずれ赤字財政で賄うのでしょうから、財政再建はますます遠のき、将来への心配の先送りは明らかです。
そして、予想外に大きくのGDPに寄与することになっているのが財貨サービスの純輸出(輸出-輸入)です(輸出には外国人観光客の買い物も含む)。
昨年度-6.7%、今年度マイナス13.1%だった輸出の伸びが来年度は11.4%のプラスになる見通しで、来年度のGDP成長見込みの4.0%の内0.7%が純輸出によるものです。
その他気の付くもの挙げますと。雇用者報酬の伸びは1.5%、雇用者の伸びは0.7%で、この差0.8ポイントは、1人当たりの賃金(正しくは人件費)上昇の見通し、企業所得は今年度19.4%のマイナス、来年度は17.2%のプラスで、かなり回復、失業率も今年度3.1%から来年度は2.7%に改善、世界のGDP成長率は5.9%で日本より高い(国際機関予測)、円レートは $1=¥104.4としている(円高になると成長率は見通しより落ちる)などです。
コロナ次第、ワクチン次第、日本人の適切な行動次第、そして最も重要なのは「政府の誤りない政策の実行」次第の来年度ですが、何とか予想外の改善が実現して欲しいものです。
今週月曜、18日に内閣府より来年度(平成3年度)の「政府経済見通し」の閣議決定版が発表されました。
昨年出した平成2年度の「政府経済見通し」は、「見通し」ではなく「希望数値」だなどと言われましたが、結局はコロナ禍で、現実は政府の希望とは反対のマイナス成長になっています。
来年度の「見通しも」多分に希望的なものですが、国民も、まともな経済への復帰を希望していますから、そのつもりで点検してみたいと思います。
まず実質GDP の成長率ですが、今年度の「実績見込み」5.2%のマイナス成長、そして来年度の「見込み」はプラス4.0%で、今年のコロナによる落ち込みを7~8割がた取り返すという数字になっています。(以下、数字はすべて実質値です)
勿論、コロナは第3波で終わり、4波は避けられ、ワクチン接種は順調にいき、コロナ禍は沈静に向かい、オリンピック、パラリンピックも何とか実施され、世界経済も、日本経済もコロナ終息の見通しが立って、ほっと一息という前提でしょう。
世界経済については「国際機関等の見通しを基準にした」と注書きしています。
中身を見ますと、GDPの過半を占める「民間最終消費支出」が今年度のマイナス6.0%から3.9%のプラスに、民間住宅も同マイナス6.7%から1.8%プラスに小幅回復、頼みの民間企業設備は、あまり期待していないようで、同マイナス8.1%から2.9%のプラスの回復の見込みです。
こう見ますと、確かに回復は回復ですが、今年度の落ち込みに比べれば、回復な鈍く、政府としては、民間の回復のペースについては慎重な見方が目立つといった所です。
一方、政府支出の方を見ますと、巨大な補正予算を組んだ今年度が、政府支出全体で3.7%のプラスで、内、政府消費支出が3.2%、固定資本形成(政府の投資支出)が5.4%です。公共投資でGDPの落ち込みを支えようとした形ですが、1人10万円や、GoToの補助金、企業への給付金などは、合計10兆円~20兆円という巨大な額ですが、GDPにはそれほど反映されていないような気がします。
来年度については,政府消費支出、固定資本形成は共に3.3%のプラスで、ほぼ今年度並みの財政テコ入れを見込んでいるようです。
経済成長には役に立つでしょうが、いずれ赤字財政で賄うのでしょうから、財政再建はますます遠のき、将来への心配の先送りは明らかです。
そして、予想外に大きくのGDPに寄与することになっているのが財貨サービスの純輸出(輸出-輸入)です(輸出には外国人観光客の買い物も含む)。
昨年度-6.7%、今年度マイナス13.1%だった輸出の伸びが来年度は11.4%のプラスになる見通しで、来年度のGDP成長見込みの4.0%の内0.7%が純輸出によるものです。
その他気の付くもの挙げますと。雇用者報酬の伸びは1.5%、雇用者の伸びは0.7%で、この差0.8ポイントは、1人当たりの賃金(正しくは人件費)上昇の見通し、企業所得は今年度19.4%のマイナス、来年度は17.2%のプラスで、かなり回復、失業率も今年度3.1%から来年度は2.7%に改善、世界のGDP成長率は5.9%で日本より高い(国際機関予測)、円レートは $1=¥104.4としている(円高になると成長率は見通しより落ちる)などです。
コロナ次第、ワクチン次第、日本人の適切な行動次第、そして最も重要なのは「政府の誤りない政策の実行」次第の来年度ですが、何とか予想外の改善が実現して欲しいものです。