tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

ご存知でした?アルミで水素製造

2021年01月15日 17時05分28秒 | 科学技術
ご存知でした?アルミで水素製造
 先日は、CNF(セルローズ・ナノ・ファイバー)製造の大幅コストダウンに東亜合成が成功したというニュースをご紹介しましたが、今回も未来につながる科学技術のご紹介です。

 富山県高岡市のアルハイテックという企業が、世界で初めてのアルミの廃材で水素を作るという実証実験装置作って研究を進め、この春にも水素製造装置の外販に入ろうという勢いだそうです。

 すでに地方紙でも日経新聞でも、日経産業新聞でも報道されていますから、ご承知の方も多いかと思いますが、世界で初めての装置(同社)という事ですし、アルミ(アルミの廃材)があればどこでも水素が作れるという魔法のようなお話ですので、つい取り上げたくなってしまいました。

 アルミは水と反応させれば水素を発生するという事はどこかで習った記憶がありますが、それが実用化されつつあるという事は、日本の技術開発もやっぱり凄いのかというのが実感です。

 同社はトヨタと組んでという事ですが、確かにアルミエンジンを作ればアルミの廃材は山ほど出るわけで、再利用しにくいアルミの廃材から水素という事であれば、素晴らしいことです。

 アルミが水と反応して水素を作るには、錆びていない純粋のアルミでなければいけないのだそうですが、その辺の技術は私には解りません。勿論その辺りが技術革新の心臓なのでしょうが、同社のHP などを見ますと、水素製造効率を高め、利用した後の水酸化アルミニウムは繊維製品の難燃剤の原材料として必要なものという結構なお話のようです。

 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のニュースにもアルハイテックの紹介がありまして、実証装置は1時間2㎏の水素を生産できるが、早晩5㎏にする、とあります。
 
 5kgというとトヨタの水素自動車ミライが700キロ走れる量だという事です。どこでも、いつでも水素が簡単に製造できるようになると、水素自動車には随分便利になるという事でしょう。

 ネットで見ますと、何か所もの高専で、「アルミで水素」の研究が盛んなようです。
 水素の時代が来ると言われていますが、かつて取り上げたこともある 燃料電池 の多様な用途の開発・普及につながる可能性は大きいのではないでしょうか。

 こうした日本の中小企業の元気さが、ここ数年の沈滞とコロナの追い打ちで低迷・混乱の日本経済・社会の、力強い支えになって呉れそうな気もするところです。