昨日、2022年1-3月のGDP速報が内閣府から発表になりました。
この所の四半期の実質GDPの対前期の動きを見ますとコロナ次第で、昨年の1-3月が-0.3%、4-6月が+0.5%、7-9月が-0.7%、10-12月が+0.9%で今年の1-3がつが-0.2%と毎期+と-を行き来しています。
この1-3月のマイナスは勿論オミクロン株感染急拡大のせいもあるでしょうが、次第に国際情勢の多様な影響が出て来そうです。これはまず、原油を中心にした国際的な原材料価格の上昇問題、3月からはウクライナ関連で、対ロシア経済制裁問題をはじめ国際関係の諸問題、金融政策格差による為替レートなどが影響して来そうです。
これからますます波乱含みの国際情勢がGDP統計に影響するのは典型的にGDPデフレータなど諸種の物価の動きを通じてで、これまでは名目値と実質値があまり違いませんでしたが、これからは「実質値+物価上昇率=名目値」の中の物価上昇率が大きくなるので、景気の判断が難しくなる感じです。
勿論国民生活には実質成長率が最も大事でしょうが、企業の売上げや利益には名目成長率も大きく影響するからです。
ところで少し長期的な目で、この1-3月期のGDPの対前年同期比で、この1年間の変化を見てみます。
大変奇妙なことにこの1-3月は昨年の1-3月に比べて名目成長率は-0.2%で、実質成長率は+0.2%なのです。
物価が上がって来ているのに、名目成長率が実質成長率よりも低いとは何事?政府の計算違いじゃないかと言うとそうではないのです。
国内需要は昨年1-3月より(オミクロンにもめげず)名目2.6%、実質0.7%伸び、家計最終消費は名目2.5%、実質2.0%伸びています。
家計の消費は,この3四半期、次第に対前年同期比で増加幅が大きくなり、順調に見えます。
名目と実質の差(デフレータ)を見ますと、企業物価も入っている国内需要は1.9、消費者物価に相当する家計消費は0.5と企業物価は上がっても消費者物価の上昇はまだ小さい事が解ります。
こう見てきますと。国内需要は家計消費も含めて何とか堅調なのですが、実質成長率をマイナスにしている元凶は「海外需要(輸出マイナス輸入=純輸出)のマイナスだな」ということになって来ます。
輸出は海外の景気回復もあり順調で名目15.3%、実質4.5%の増加です。
しかし、その一方で、輸入が名目32.3%、実質7.3%の増加になっているのです。
輸出物価も上がっていますが、輸入物価の上昇の大きいことが解ります。
ということで、輸入はGDPのマイナス要因ですから、特に名目値ではその影響が大きく出て海外需要の寄与度-2.8%ということになり,国内需要の+2.6%から差し引くとGDP名目成長率-0.2%になるわけです。
実質では、輸入価格の上昇分がデフレータで消えて「量」の増加だけになります。輸入の増加は上述のように32.3%から7.3%になるので、海外需要の寄与度は-0.6%になり、国内需要の成長率0.7%から差し引くと0.2%のプラス成長(四捨五入の影響が0.1%あるようです)ということになるのでしょう。
価格変動、諸物価上昇は簡単には収まらないでしょうが、次期以降は海外の景気の持ち直しが進み、輸出も堅調、コロナも沈静傾向で、家計消費も徐々に回復という傾向を期待したいと思います。
この所の四半期の実質GDPの対前期の動きを見ますとコロナ次第で、昨年の1-3月が-0.3%、4-6月が+0.5%、7-9月が-0.7%、10-12月が+0.9%で今年の1-3がつが-0.2%と毎期+と-を行き来しています。
この1-3月のマイナスは勿論オミクロン株感染急拡大のせいもあるでしょうが、次第に国際情勢の多様な影響が出て来そうです。これはまず、原油を中心にした国際的な原材料価格の上昇問題、3月からはウクライナ関連で、対ロシア経済制裁問題をはじめ国際関係の諸問題、金融政策格差による為替レートなどが影響して来そうです。
これからますます波乱含みの国際情勢がGDP統計に影響するのは典型的にGDPデフレータなど諸種の物価の動きを通じてで、これまでは名目値と実質値があまり違いませんでしたが、これからは「実質値+物価上昇率=名目値」の中の物価上昇率が大きくなるので、景気の判断が難しくなる感じです。
勿論国民生活には実質成長率が最も大事でしょうが、企業の売上げや利益には名目成長率も大きく影響するからです。
ところで少し長期的な目で、この1-3月期のGDPの対前年同期比で、この1年間の変化を見てみます。
大変奇妙なことにこの1-3月は昨年の1-3月に比べて名目成長率は-0.2%で、実質成長率は+0.2%なのです。
物価が上がって来ているのに、名目成長率が実質成長率よりも低いとは何事?政府の計算違いじゃないかと言うとそうではないのです。
国内需要は昨年1-3月より(オミクロンにもめげず)名目2.6%、実質0.7%伸び、家計最終消費は名目2.5%、実質2.0%伸びています。
家計の消費は,この3四半期、次第に対前年同期比で増加幅が大きくなり、順調に見えます。
名目と実質の差(デフレータ)を見ますと、企業物価も入っている国内需要は1.9、消費者物価に相当する家計消費は0.5と企業物価は上がっても消費者物価の上昇はまだ小さい事が解ります。
こう見てきますと。国内需要は家計消費も含めて何とか堅調なのですが、実質成長率をマイナスにしている元凶は「海外需要(輸出マイナス輸入=純輸出)のマイナスだな」ということになって来ます。
輸出は海外の景気回復もあり順調で名目15.3%、実質4.5%の増加です。
しかし、その一方で、輸入が名目32.3%、実質7.3%の増加になっているのです。
輸出物価も上がっていますが、輸入物価の上昇の大きいことが解ります。
ということで、輸入はGDPのマイナス要因ですから、特に名目値ではその影響が大きく出て海外需要の寄与度-2.8%ということになり,国内需要の+2.6%から差し引くとGDP名目成長率-0.2%になるわけです。
実質では、輸入価格の上昇分がデフレータで消えて「量」の増加だけになります。輸入の増加は上述のように32.3%から7.3%になるので、海外需要の寄与度は-0.6%になり、国内需要の成長率0.7%から差し引くと0.2%のプラス成長(四捨五入の影響が0.1%あるようです)ということになるのでしょう。
価格変動、諸物価上昇は簡単には収まらないでしょうが、次期以降は海外の景気の持ち直しが進み、輸出も堅調、コロナも沈静傾向で、家計消費も徐々に回復という傾向を期待したいと思います。