tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

当面の景気、アメリカ、日本

2023年03月13日 13時29分00秒 | 経済
アメリカから突然にシリコンバレー銀行(SVG)が倒産などというニュースが入って来て、アメリカの金利引き上げの先行きが不透明です。

SVGの倒産も、FRBの金利の上げを見誤り債券価格の低下によるものだそうで、FRBが金利引き上げ幅を下げるのではという見方から円が急騰したり、その影響で、ダウが暴落、日経平均が大幅に下げたりマネー経済は混乱状態です。

アメリカでは預金は完全保護すると言って混乱の収拾をいそいだり、預金保障には限度があるなどといわれたりしているようですが。パウエルさんのインフレ抑制の姿勢は変わらないようです。

実体経済の方を見ますと、アメリカの消費者物価は一応沈静傾向ですが、しつこく上っているものもあるようです。

そろそろ2月の数字が発表になりますが、1月の数字で見ると前月比で12月には7.2%下がっていたガソリンが1.9%上昇、先行きは不透明。一時は新車より上っていた中古車もずっと値下がり続きですが、配管の都市ガスが上がり始め1月は前月比6.7%の上昇、その他食料品は0.5%ですが、外食0.6%、宿泊0.7%、運送費0.9%、医薬品等1.1%(急騰)とこれらは年率にすれば10%前後の上昇です。

総じて人件費の関係するものが上がっている気配で、物の値段は沈静化しても賃金上昇の影響は消えないという傾向が見られます。

恐らくFRBは賃金上昇に強い警戒感を持っていると思われ、パウエルさんも過去(レーガン時代)の経験から賃金インフレストップが最終目的と思われるところです。

日本では、今春闘の賃上げ率は3%前後になると従来の予測を改定するシンクタンクが多くなっているようですが、アメリカの賃金インフレが5~6%に達しているのに対し、日本の場合はせいぜい1%程度と考えられます。

そういう意味では、日本の経済の現状は、基本的には、従来の沈滞状況から多少の活性化の方向に進みつつある程度の状況という事で、健全化の方向ですが、アメリカのインフレ体質のぶり返しとそれに対抗する金融政策の激しさで、為替の変動が大きくなり、その影響を受けざるを得ないという迷惑が悩ましい所です。

しかし、プラザ合意のような大きな為替変動への対応には、10年、20年の月日が掛りましたが、現状では110円~130円といった範囲の辺りのようですから、着実に日本経済は回復路線に入って行くことが可能だろうと見ているところです。

この辺りの状況も、ついでのコロナの先行きについても、夏ごろまでには何となく目鼻がついてくるのではないでしょうか。

あとは、戦争の激化と、テレビでやっていた南海トラフ半割れ大地震とが最も恐ろしい事のようです。