tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

岸田総理は中国と徹底話し合いを

2023年03月03日 11時56分56秒 | 国際関係
今日は3月3日。桃の節句の穏やかな春の日に、こんな心配をしなければならないというのは残念なことですが、やはり日本国民が安んじて平穏な日々を過ごせるように、総理にはお願いしなければならないのでしょう。

前回指摘しましたように、現状では、日本の空にミサイルが飛んでくるかどうかは、日本国民の意思とは関係なく、中国、アメリカの意思決定の結果によるという客観情勢が見えて来ているのです。

こうした客観情勢に対して、日本国民の意思を代表して日本へのミサイル飛来の可能性をゼロにする努力を日本政府に徹底してやってもらいたいというのが、大多数の国民の気持ちではないでしょうか。

政府が想定しているのは、「台湾有事」だという事は明らかです。これは中国では国内問題という認識ですが、中国にも、台湾にも、歴史的なかかわりは勿論、文化的、経済的そして草の根的にも格別の親交がある日本です。すべきことはありそうです。

アメリカの対中関係と日本の対中関係にはまさに「質的」な相違があるはずです。
当然、アメリカ国民の対中意識と日本国民の対中意識は質的に異なるでしょう。しかし、今の客観情勢は、アメリカの対中関係、対中意識によって、日本国民の意識とは関係なく戦争に巻き込まれ、日本にもミサイル飛来の可能性があるのです。

政府は、日本は民主主義国で、国民が選挙で選んだ政権のやることは日本国民の意思を代表するものという考え方をお持ちなのでしょう。
しかしそれは間接民主主義の誤用で、日本にミサイルが飛来してもいい(仕方ない)という理解は、自民・公明両党の意識であって、国民の意識でない事は明らかでしょう。

選挙で多数を取り、政権を取れば「何でも出来る」というのは民主主義からの逸脱で、独裁制への第一歩でしょう。民主主義の本来の意味の的確な理解こそが大切なのです。

現状、中国との話し合いは、アメリカとの話合いに較べれば、遅々としています。
アメリカは同盟国だから、それは当然というかもしれません。
しかし何か紛争が起きる恐れがある時に、本当に重要なのは、同盟国よりも想定紛争相手国との話し合いではないでしょうか。

特に、日本の場合は、中国との関係には長い歴史があります。東洋の隣国としての草の根の親近感も基本的に存在しているのです。

勿論アメリカも「台湾有事」などはない方がいいと思っているでしょう。国民生活の安全、安定、安寧には、「有事」などない方がいいのは決まっています。
前回触れましたCSISの報告書も、紛争のシミュレーションの結果の人的・物的の犠牲の大きさを示すものとして読むべきなのでしょう。

こうした諸点を十分に考慮すれば、日本が本気になってやるべきことは、中国と十分話し合い、同盟国であると同時に、対中関係に歴史のある独立国としてアメリカを助けるためにも「有事」を避けるための外交に専心すべきでしょう。

岸田総理が国民にその方針を明示すれば、日本国内には、多くの人が総理の下に中国に対して日本の持つ知識と知恵を提供して、総理を支える動きも起きるでしょう。

日本の持つ対中関係の蓄積の上に、「台湾有事」の未然の防止のための最大限の努力が岸田総理には期待されるところです。
そしてそれこそが、日米同盟の意義を生かす、本来の日本としての努力という事になるのではないでしょうか。