tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

見えて来た? トランプ流ディール戦略

2025年02月04日 15時37分01秒 | 経済

昨日1000円超の下げだった日経平均が今朝は600円以上戻しています。「さて原因は」といえば、言わずと知れたトランプさんのディールという掌の中での意思決定の結果です。

メキシコ、カナダに対しての25%の関税の今月4日からの引き上げを1カ月伸ばし、交渉に入るという事になったからです。

もともと、この関税引き上げの理由としてフェンタニルという軽度の麻薬の密輸が主な要因に挙げられていたようですが、それですべての関税を25%というのはやり過ぎと思っていた人も多いようで、アメリカのマネーマーケットも、トランプ大統領がこんな株式市況の下落を喜ぶはずはないと考えていたようです。

結果は、1夜にして状況は変わり、フェンタニルの密輸は合同の捜査機関を作るという事で具体策の交渉に入り、その間1か月の先延ばしという事のようで、具体的な政策は、より現実的なものになるようです。

但し、もちろんのことですが、それが順調に進むかどうかで、関税の方も引き上げ政策が消えたわけではありません。

トランプ政権の第2幕が始まって以来、世界中の評論家が、「この4年間は何が起きるか解らない」といった言い方をしているようで、疑心暗鬼というような雰囲気がいっぱいですから、鬼面人を驚かすような発言(Ⅹでの表明)がトランプさんから出ると、世界の世論は混乱するのですが、今回は、差し当たって常識的なレベルに落ち着く可能性もありそうです。

とはいっても、それで落ち着くかというと、それも大変解りにくいようですから、やはり何事も予断は許されないという雰囲気は、いつまでも消えないのでしょう。

恐らく自分のやることは出来るだけ大げさに、断定的な形で発言して、より多くの人に強い関心を持たせるという事については天才的な着想を持っているのがトランプさんという人かもしれません。

しかし、やることが、世界中の人が、出来そうもないと思い,手を拱いて思案投げ首といった問題を取り上げ、簡単に結論や可能性を明言し、それへの取り組みを具体的にやって見せるという事は、アメリカという覇権国の大統領だからこそ大見栄を切って発言し、行動できるわけで、他の国のリーダーでは手の届かない事でしょう。

そして、それを平然と発言し、トランプ劇場を作り、主役を演じることを、楽しんでいるがごとくにやって見せるという所にこそ、トランプさんの真骨頂があるのでしょう。

勿論、それが成功するかどうかは、解りません(多分本人にも)。そしてその際に活用する手段が「ディール」なのでしょう。その手段が、時に「ディール」を越えて、トランプさん自身が口では嫌っている「世界の警察」であっても「戦争」ではないという見方も多分当たっているのではないでしょうか。 

そんな気持ちで「観劇」することで、自分の気持ちを落ち着かせて、トランプさん関連のニュースを見て行こうと思っているところです。


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