tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

トランプさんのアカウント停止される

2021年01月10日 22時33分24秒 | 文化社会
「トランプさんのアカウント停止」
 ツイッター社がトランプさんのアカウントの永久停止を決めたそうです。

 停止を決めたのは、一介の(?)民間企業で、停止したのは現職のアメリカ大統領のアカウントです。
  理由は、トランプさんのツイートが「更なる暴力を誘発する恐れがある」という事で、同社の「暴力賛美を禁じた規約」に違反するとしています。

 これは先のトランプさんの「国会へ向かおう」というツイートが、群衆による国会議事堂の一時占拠につながったことにはじまり、その後も、その行動の肯定するようなツイートが続いたことに対し
て、上記規約を適用したという事です。

 それにしても、私企業が大統領のアカウントの永久停止を実行するとうのは「さすがに「アメリカの企業は凄い」という感じを持った方も多いのではないかと思います。

 しかし、考えてみれば、あの状態の中で、国会議事堂を占拠(一部破壊行動も含む)した群衆にエールを送り、更にその動きを鼓舞するようなツイートを続けるという事になると、ツイッターの効果を利用して、社会に混乱をもたらすことは許さないという、いわば社会正義に則った行動に踏み切ったという事でしょう。

もちろんツイッター社には何の損害も与えず、見方によってはツイッター発信の効果を広く認識させる効果もあったのでないかという見方もあるでしょう。わが社は単にメディアを提供しているだけと言い切る立場もありえるでしょう。 

 にもかかわらず、ツイッター社はトランプさんのアカウント停止に踏み切り、トランプさんは有力な発言メディアを失い、意気阻喪し(代替メディアの効果は小さかったようで)、弱気な(正常な)発言を口頭でださなければならなくなったという見方も可能でしょう。
 アジテーション的な発言はツイッターではやりやすいが・・、という面もあるでしょう。

 さすがにアメリカ社会のあり方は、それなりに凄いな、日本企業だったら、そこまでやらずに、「触らぬ神に祟りなし」でしょう、という人もいるようです。

 こうしたアメリカ企業の行動に対しては、逆に「言論の自由の反する」という見方あるようで、アメリカのメディアの中でも、また日本の報道の中でも、言論の自由との関係を考える見方の紹介もあります。

 確かに言論の自由は大切です。しかし、それは「いかなる場合に、何を言ったか」という言葉の中身の普遍的な倫理性や合理性によって判断されるべきものでしょう。

権力者の発言でも、言論の自由の範囲外であれば認めないという普遍的な民主主義の立場からトランプさんのアカウントを停止したというのは、アメリカの民主主義の健全性を示すものではないでしょうか。

 「言論の自由は何のために存在するのか」、この議論が今後も徹底的に行われて、民主主義の健全な発展が進み続けることを期待したいと思います。

第3波急拡大は政府の読み違いから?

2021年01月09日 21時39分53秒 | 政治
第3波急拡大は政府の読み違いから?
 後手後手に回る政府の新型コロナ対策を見ていてつくづく感じることは、やっぱり政府は新型コロナの脅威を読み違っていたなという事です。

 もともと日本人は生活習慣から見ても、国民としての生真面目な態度から言っても、感染症に対する対応は、恐らく欧米人よりも確りしていたのではないでしょうか。

 例えば、家の中に土足で入らないという習慣も、言われてはいませんが、コロナ対策としては大事な事だったのかもしれません。
 また、日本人は公共の場での道徳律については、マスク着用の例でもそうですが真面目に順守します。

 今年4月、5月の緊急事態宣言の効果もこうした種々の積み上げで、大きな成果を上げたのではないでしょうか。

 この成果を見て、政府は新型コロナに対して、比較的克服し易いという意識を持ったのではないでしょうか。

 政府の安易な態度に気付いたのは7月ごろでした。その頃の政府発言は、首相以下関係閣僚ほぼ共通で、「まだ医療提供状況に余裕があるので、もう少し状況を注視して」といったものでした。

 繰り返されるこの発言には 大変な違和感を感じました。
常識的には 「・・余裕があるので」の次にくる言葉は、「今のうちに対策を徹底し早期解決を・・」 というのが本当ではないでしょうかと思ったからです。

 たとえてみれば、火事や公害と同じです。火事はボヤのうちに消し止めれば容易です。燃え広がるのを「注視して」いたら大変なことになります。公害も発生源に手を打つのが常道で、拡散してからの除去は大変です。

 初期消火重視、発生源での除去は、我々は経験から学び、政府も産業界も個人も、日本では生真面目にやられてきたことです。先ほどの違和感というのは、そうした教育を受けたことから、自然に感じることになったのでしょう。

 政府が読み違ったのは、新型コロナも、一般的な風邪などと同じ程度のものだろうと見たことでしょう。
例えて言えば、風邪をひいても、マスクをして出社して、無理せず暖かくしていれば自然治癒するだろうと考えて頑張る仕事熱心なサラリーマンと同じで、他人にうつしたら悪いといった配慮まではとても気が回らないといった状態だったのではないでしょうか。

  専門家の中には、新型コロナウィルスは容易な相手ではないという意見を持つ方多かったようです。しかし、当初、政府は専門家会議の意見は聞くが、決定は政府がするといった姿勢が明瞭でした。

 政治家には多くの利害集団がついています。そこからの声と、学術の見地からの判断を根拠にした専門家の意見との双方のバランスを適切に判断し、先行きに誤りのない政策を取ることが政府にとっては必要だったのですが、そこに読み違いが生じた様です。
 その結果が「もう少し状況を注視して」という言葉になったのでしょう。そして到達したのが現状の感染爆発です。 

 例えれば、「ボヤ」の現場で「も少し状況を注視」しているうちに、火事になり、さてやっぱり「消火」となったという事で「しょうか」。
洒落にもなりませんが、今後については上手くいくことを願うばかりです。

 一言付け加えますと、この政府の読み違いの原因がどこから来たかという事を国民は最も知りたいのではないでしょうか。 

アメリカ社会の劣化の速さに驚愕

2021年01月09日 00時22分05秒 | 文化社会
アメリカ社会の劣化の速さに驚愕
 新型コロナ感染者数の増加には、正直いって恐怖感を感じる所です。こうした感染症というのは、一旦タガが外れると、まさに爆発的なものになるという現実に、我々高齢者は勿論、若い方でも恐ろしさを感じておられる方も多いのではないでしょうか。

 そうしたさ中ですが、太平洋の対岸のアメリカで、これもまた恐るべきことが起きていたことを知って、改めて、人間社会の脆さ、弱さといったものに驚くとともに恐ろしさを感じたところです。

 トランプ大統領の、「国会議事堂に向かおう」という言葉に乗って、多くは共和党支持の普通の市民でしょうか、国会議事堂の窓ガラスまで破壊して、一時は国会議事堂得お占拠し、死者まで出すという事態が、世界随一の先進國、民主主義国アメリカで発生したのです。

 はっきり言ってしまえば、トランプの4年間、わずか4年間でアメリカは大きく変わったのではないでしょうか。

 最初は、アメリカの栄光を取り戻す、そしてアメリカ・ファースト、自尊心は高いが、現実は恵まれない人達に、民主党政権が悪い、アメリカは世界から食い物にされている、とアメリカの被害者意識を刺激し、その矛先が民主党、中国をはじめ諸外国な向けられることになり、それが次第にエスカレートしたようです。

 被害者意識で人心を掌握するという事はよくあることですが、共和党支持者には忽ちにして受け入れられ、この4年間アメリカの変容は著しいものがありました。

 今回の選挙は、大げさに言えば世界中が注視していたのでしょう。しかもトランプさんが勝つ可能性もあったわけですから、黙しつつ大きな懸念を持っていたという所だったのでしょう。

 結果的にはバイデンさん勝利で世界中ほっとしたのでしょう。
 しかしその後に起きたことはまさに異常でした。トランプさんは自分自身の被害者意識を訴える人になって、国会議事堂占拠事件が起こりました。
ここまで来て、アメリカの良識、アメリカの民主主義がアメリカ国民にとって大事なものという事が、共和党支持者の中でもはっきりしてきたようです。
 (しかし、なおアメリカは巨大なトランプ信者がいるようです。)

 ヒットラーがナチズムによる独裁に成功するまでの現実は見ていませんが、インフレや失業が時にリーダー次第で、簡単に民主主義を崩壊させたわけで、それに類似した現象を、改めて見たような恐ろしさを感じたのは私だけではないのではないでしょうか。

 建国以来240余年、民主主義国家の典型のような歴史を作って来たアメリカにしてこんなことが起きるというのは、人間社会というのはそんなに脆く、また民主主義というのはそんなに弱いものなのかという怖さを教えてくれたように思えます。 
 
 それにつけても恐ろしいのは、一国のリーダーとして如何なる人を選ぶかという問題です。これは基本的には国民の民主主義についての意識の高さによるのでしょう。

 そして意識の高さは選挙の時だけではなく、常にリーダーの行動を客観的に見る能力という意味でも大事なのでしょう。 
 トランプさんの頭の中、その行動を共和党支持者たちがより客観的に見ていれば、ここまで来る前に適切に対処することもできたのでしょう。

 是は是、非は非が、立場や身びいき、自己都合、忖度などによって曲げられるようになると、たぶん社会は混乱するのでしょう。
 矢張り民主主義は国民の意識の高さによって素晴らしかったり、ダメだったりするのです。

 さて、アメリカを横目で見ながら、今の日本の状態はどうなのでしょうか。少し本格的に考えた方が良いようなことも多々あるのではないでしょうか。

いよいよCNFの時代が来るか

2021年01月07日 20時55分55秒 | 科学技術
いよいよCNFの時代が来るか
 CNFについては、皆様既によくご承知のことと思います。かつてこのブログでも 取り上げましたが、あえてCNFとは何かを繰り返します。

 CNF、セルローズ・ナノ・ファイバーはセルローズをナノレベルまで分解したものでそれを原材料にすると重量は鉄鋼の1/5、強度は鉄鋼の5倍という素材ができ、軽量強靭な構造物から、人の肌に潤いを与える化粧品素材まで多様なものが出来るのだそうです。

セルローズとは、「植物細胞の細胞壁および植物繊維の主成分で、天然の植物質の1/3を占め、地球上で最も多く存在する炭水化物である。繊維素とも呼ばれる」(ウィキペディアより)、という事で、木質は勿論、藁やサトウキビの搾りかす、天然繊維の古着からもとれるという事です。
 原材料はいたるところにあり、鉄より優れた性能の原材料という事で将来の利用は広範囲で、先ずは自動車のバンパーやボディや、住宅の部材などという事になるのですが、製造コストが高くて、いまは化粧品に配合利用されているほか限られた範囲でしか利用されていませんが、製造コストが安くなれば、鉄鋼やカーボンファイバーにとって代って世の中を変えていくと言われます。

 そのCNFの製造コストを5分の1に下げる技術が東亜合成によって開発されたという報道が今日の日経産業に出ていました。

 それでもまだ高価だろうと思いましたが、少量のCNFを混ぜることによって、樹脂製品の強度は格段に上がり、その分、原材料の使用量は減り、強度は上がり、軽量化が可能になるとのことです。

 詳細は、日経産業その他同社のHPをご覧いただくとして、こうした技術開発が、続々出てくるようになれば、日本の産業、ひいては日本経済も、再び活況を取り戻し、長期の停滞から脱出の可能性が高まるという期待が大きくなるという事でしょう。

 再生可能エネルギー、蓄電技術、蓄電技術にもつながる水素貯蔵技術などなど、世界で見ても、日本の先行する分野は少なくないと思うのですが、日本の近年の技術開発の進捗状況は、何かもう一つ元気がないように感じられます。

 先日は、コロナワクチンの開発で日本が全く出遅れてしまったことを嘆きましたが、これについては昨日の朝日新聞が、業界の問題と政府の政策の両面からの報道をしてくれました。

 こうした日本の近年の技術革新が精彩を欠く根本的な問題は、政府の科学技術政策、研究開発推進に対する態度にどうも気合が入っていないという事にあるのではないかという点については折に触れて書いていますが、そうした中で、今日の日経産業の記事は、明るい未来を予感させるものでした。

 科学技術立国日本のパワーの開花を具現化するような、すばらしい開発のニュースが続くことを期待したいと思う所です。

ベーシックインカムの応用問題

2021年01月06日 22時57分43秒 | 労働
ベーシックインカムの応用問題
 ベーシックインカムについては 過去にも一度取り上げました。確かに社会保障制度の充実を考えれば、有効な選択肢の一つではないかと思われます。

 全世界を見回せば、実験的に導入した国や地方自治体などはありますが、未だに恒常的な制度として長期に亘って導入している例はないようです。

 本来の趣旨は、すべての国民に安定した健康的な生活を保障するという社会保障の目的からすれば、税収の一定部分を割いて、全国民一律、あるいは一定の条件を満たす場合に、一律に健康な生活を営むための最も基礎的な部分について一定額を給付するというのは、1つの理想形かもしれえません。

しかし現実の場では、そうして理念の実現のために、ベーシックインカム制度ではなく、生活保護制度や、最低賃金制度などの方が一般的に普及しているというのが現状でしょう。

 理由はいろいろあると思いましが、ベーシックインカムの水準をどうするか、いかなる支給条件が適切なのか、全国民一律というのは納得性があるのかなどといった種々の問題があるのでしょう。

 そんなことを考えていたのですが、実は、今度のコロナ禍のような、特別の条件の中で、一定期間(コロナ終息まで)ベーシックインカムの考え方を導入するというのは、もしかしたら適切なイデアではないかという感を強くしたところです。

 端的な例を1つ上げてみれば、今回のコロナ禍の中で、当面の事業継続に問題を生ずる例はかなりあるようです。勿論コロナが収まれば、事業再開は可能なのでしょうが、コロナの中では事業継続は不可能というケースも多く、従業員の雇用継続は不可能という事になる例も多数でしょう。

 TVのルポなどにもありますが、会社の寮に入り、安定した生活が出来ている人が、突如として会社の縮小あるいは閉鎖、休業といった事態によって、解雇となった場合、収入と住居を一挙に失うことになります。頼れる所があればいいのですが、そうしたところがない、あるいはあっても諸種の事情で頼る訳にもいかず、いきなり路上生活者、あるいはその予備軍(失業保険期間中)になるといったことが現実に起きているようです。

 当然最低賃金制度は役に立ちませんし、生活保護はというと、多くの人は、社会生活の敗者のような印象をもっていて、親戚や知人の手前、申請に二の足を踏む場合が多いようです。しかもコロナさえ過ぎれば何とかなるという思いもあり、この一時的な苦境をいかに生き抜くかが現在・現実の問題といった状況という事でしょう。

 こうした場合に、適切な申請条件を定めて、例えば月額15万円とか、生活保護並みの20万円とかというベーシックインカムを給付するという事で、路上生活者への転落を防止することが可能ではないでしょうか。

 今、コロナの中で、本当に必要な人たちのところに政府の手が届いていないという声が多く聞かれます。社会事業者や、労働組合などの炊き出しに並ぶ人の多くはこんな手で救えるのではないでしょうか。

 政府はすでに、国民1人当たり10万円、(総額13兆円?)の支給をしていますが、本当に必要な人に適切な給付という事であれば、より少額の原資で、より効率的な本当に必要な人達への援助になるのではないでしょうか。

 以上勿論数字や方法論についても詰めたものではありません、しかし、コロナ禍のような異常事態の場合、より少ない原資で、より効率的な国民への援助を考えた場合、ベーシックインカムという方法論の活用を考えてみるのも何らかの役に立つかと思い敢えて書いてみました。

二階発言の怪

2021年01月05日 22時43分14秒 | 政治
緊急事態宣言は何のため
 今日テレビを見ていましたら、自民党の記者会見でしょうか。自民党の二階幹事長がこんな発言をしていました。

「事態を見極めたうえでの適切な判断だ。特に医療体制を守る意味で、緊急事態宣言の重要性は誰もが承知していることであり、しっかりと万全の態勢で臨んでいきたい。」(NHKのネット情報から転載)

  政府のコロナ対策が後手々々という世論を意識しての発言と思われますが、遅れていることの言い訳か正当化でしょうか。確り状況を見極めてやっているという主張も含め、緊急事態宣言で打撃を受ける人たちたちへの配慮も意識して、各方面への細心の注意の上の発言のようにも感じられました。

 しかし、聞いていて違和感を禁じ得なかったのは、(実は政権内部の方の発言でも、同じような違和感を感じたことがこれまでも多々ありましたが)何のために緊急事態宣言をするかの理由についてです。

 「緊急事態宣言」を出すのは何のためでしょうか。恐らく誰に聞いても、大抵は「そりゃあ、コロナのこれ以上の蔓延を食い止め、少しでも国民の不安を減らすためでしょう」とか「国民の生命と健康を守るためでしょう」と言われるのではないでしょうか。

 二階発言には、国民という言葉がありません。二階発言を素直に理解すれば、コロナ問題は、医療体制の問題だという事になります。緊急事態宣言は、医療体制が崩壊しないために出すという事になるのではないでしょうか。

 そういえば、第3波が来る前にも、「 未だ医療体制に余裕があるから、そんなに心配しなくてもいいのではないか」という趣旨の発言が閣僚などから何回かあったことを思い出します。

 なぜ「国民」という言葉が出なくて「医療体制」になってしまうのか、緊張して、いろいろなことに配慮していると、かえって本音が出てしまうのでしょうか。それとも本当に医療体制さえ余裕がれば、もっと感染者や重症者、死者が増えても構わないと考えているのでしょうか。

 自民党は、改憲やイージスアショアの議論で、いつも「国民の生命と財産を守る」と言っていましたが、今こそ「国民の健康と生命を守るために」といった欲しいものです。

コロナ後のための政府の姿勢

2021年01月04日 20時12分14秒 | 文化社会
国民との真剣な対話が必要
 前回、コロナ後の経済回復に向けての経済政策のヒントが見えたと書きました。

 その第一は、国民全体が、自分たちの消費が落ち込むと、日本経済がマイナス成長になるという実体験をしたこと、
 第二は、政府が給付金を出しても、金持ちは使わない(預金残高になっている)という現実が見えたこと、
この2つでした。

 この2つのヒントを応用してコロナ後に向けての日本経済の活性化政策を考えると、下のようなことが重要になると思われます。

まず、日本経済を安定成長路然の載せるためには、消費を順調に伸ばしていかなければなりません。消費の重要性はコロナの経験の中で国民にも十分に理解されたはずです。

GoToの時の反応を見ても、日本人は単なるケチなのではなく、有意義なこと、楽しい事には、積極的に金を使って快適な社会生活を送ることには積極的な国民なのです。

ただ、年金問題をはじめとして、漠然とした大きな将来不安が、真面目な日本人には強い負担となって、 消費を抑え、貯蓄して将来に備えるという経済的には負の行動に行きがちなっているのがこれまでの状態です。

この経済の循環を変える。消費を引き出すことによって、直接日本経済成長率を押し上げ、成長加速の中から将来不安を解消する豊かさを生み出していくという積極的な経済循環に変えていく方向に方向転換するのです。まずは政府が、国民にもよく解るように、国民の疑問に答えつつ、責任感を持って説明をしていくことが必須でしょう。

家計でも日本経済でも基本は同じです、親が節約ばかりで、教育にもその他の多様な活動も制限して、いくばくかの貯蓄を子供に残すのと、子供のために教育やその他の活動に出来るだけのカネをかけて、子供が自力で頑張っていく力をつけるのと、そのどちらを選ぶかの問題でしょう。

30年余の平成長期不況の中で、少子高齢化の将来不安を過剰に意識し、日本人は積極的な活動を忘れ、貯蓄に力を入れ過ぎる生活を選ぶという消極的な生き方に偏り過ぎたようです。

次に第二のヒントですが、高所得者は更に所得が増えても、消費はそんなに増やさないという現実です。おしゃれ、美食、国内・海外旅行、観劇・観戦も限度があります。
特にこのところの流行は、余裕資金があればマネーゲームにカネをつぎ込み、投機資金の時価総額を増やすことのようですが、これは経済的には単なるギャンブルでGDPの増加には関係ない行為です。

こうした、カネ、マネーの流れを、実体経済の活発化の方向に向けるためには、最近顕著に進んでいる 格差社会化への動きを逆転し、所得格差縮小へ舵を切ることが最も効果的でしょう。そして、政府としてこれを実質的に可能にするのは、所得税の累進率を高めることです。

所得税の累進率は、かつての高度成長期の日本では、格差の少ない国日本という形で、北欧諸国とともに、世界トップクラスの低いジニ係数を実現し、社会の安定化に大きく貢献していました。

その後アメリカのレーガン政権のとった所得税のフラット化を真似て最高税率を50%に下げるという行き過ぎをやり、その後55%に引き上げましたが、 かつての80%台には遠く及びません。

 働き方改革の中で政府も掲げている同一労働同一賃金などを理屈通りにやれば、日本国内の賃金格差は著しく拡大するでしょう。日本の民間企業は伝統的に 賃金格差の少ない賃金制度を持っていました。これは企業内人間関係の安定、ひいては日本社会全体の安定に大きく貢献していました。

 コロナ後の日本経済社会が、アベノミクスの日本に戻るのではなく、より安定した経済社会の発展に適したものにしてくためにまずは上記のような国民生活の積極政策、所得税制の改革が必要でしょう。

 そしてそのためには、政府が、「決める政治」を掲げて「思い込み」や「思い付き」で政策を打つのではなく、常に国民との対話を積み重ね、国民の望む社会の実現のために、誠実に努力することが必要でしょう。国民のために役に立つのが政府であるという民主主義の本来に立ち戻ることがまず必要なのでしょう。

 コロナ後のためには、これらに加えて、いくつもの大事な点があります。それらについても、随時取り上げていこうと思っています。

コロナ対策の中で見えた重要なヒント

2021年01月02日 17時15分45秒 | 文化社会
コロナ後の経済活性化のために
 コロナ第3波という形で日本の主要都市を中心に繁殖力(人間にとっては感染力)を強めているコロナウィルスに対抗するために今、我々にできることは対人接触をできるだけ避けることでしょう。

 もっとはっきり言えば、コロナウィルスの宿主になっている人(PCR陽性:感染者)との接触を徹底して避けることです。
 東京都、埼玉県、埼玉県、神奈川県が今日、国に緊急事態宣言を要請しました。県内はもちろん県境をまたぐ移動もウィルスにとっては繁殖のための絶好のチャンスです。何せ、日本人はまだ95%以上が耐性のない人なのですから。

 ところで今日の本題は、この1年近くのコロナウィルスと対応の努力の中で、これまでの低迷する日本経済の原因について、少なくとも2つ、気づいた点があるという事です。

 コロナがインフルやサーズと似たような状態に落ち着いた時、日本が一昨年の低迷状態の経済に戻るのではなくて、より元気な経済に戻るためのヒントが、この1年ほどの経験の中から得られたのではないかという事です。
 
 その第一は、経済はこんなに大きく 消費動向に影響 されているのだという事です。

 第二は、政府がいくらカネを国民に支給しても、使わなくも済む人たちは 殆ど使わないらしいという事です。

 ところで、ご承知のように、アベノミクスで、いかに政府がカネや太鼓で、経済成長政策の宣伝をしても、景気がどうにも低迷状態から抜け出さない理由は「消費不振」にありました。

 企業設備は何とか弱いながら堅調と言われていましたが、消費不振は異常なほどでした。家計調査では可処分所得上昇、消費支出減、平均消費性向低下という事も常態でした。
その大きな原因が、政府が国民に与えている将来不安にあることも指摘されていました。

 政府は仕方なくインバウンド、外国人観光客の消費に頼ろうとしたようですが、これはコロナでほぼ全滅です。

 一方国内のGoTo 政策は、コロナの第3波を呼びましたが、はしなくも、我慢強い日本人も「楽しもう」という気持ちは強いという事を例証したようです(これは第3のヒント)。

 このあたりの状況をしっかり見ますと、コロナ後の日本経済の活性化を考えるヒントが見えてくるのではないでしょうか。

 この経験を上手く生かせば、コロナ後の日本経済の活性化への可能性も見えてくるように思えませんでしょうか。
 次回はそのあたりを少し考えてみたいと思います。

2021年、明けましておめでとう御座います

2021年01月01日 20時07分39秒 | 文化社会
本年も何卒宜しくお願い申し上げます。

 今年は、年明けから波乱の年のようです。
 最大の問題は、コロナの第3波が猛威を振るう中で、政府の対コロナの方針が、いまだに定まっていなことにあるようです。

 経済の問題は、完全にコロナに振り回されています。
今までの政府のコロナ対策は、国民に対策行動の指針を示し、後は国民の個々人の努力に任せ、政府は経済活動の積極化でコロナ禍に対抗していこうと考えて来ていたようです。

 そこには、国民が確り行動すれば、コロナは防げるはずだ、マスク、手洗い、3密回避のコロナ対策は国民の自助に任せて、政府は経済活動の活発化で、GDPの落ち込みを防ぐことが最も大事なことだ、という方針だったのでしょう。

 しかしコロナウィルスは国民の自助努力の間をかいくぐって種の保存、自己増殖に成功してきました。人間の努力に隙間があれば、容易に新しい宿主(人間)を見つけ増殖します。

 現状の第3波の状態は、コロナウィルスの自己増殖の成功を日本人に見せつけました。その証拠は感染経路不明者の増加です。言われたことは確りやったと思っていても、相手は容易にスキを見つけるようです。

 つまり今、日本人は対コロナで負けているのです。作戦を立て直さなければならないのでしょう。
 更に徹底したコロナウィルスの封じ込め政策が必要なのです。ワクチンの普及までにはまだ時間があります。その間、何をすればよいかはすでに世界の経験の中ではっきりしています。

 それは「検査と隔離の徹底」でしょう。特に日本の政府は、理由は解りませんが、検査の徹底には異常に不熱心でした。

 検査の不徹底を放置する理由の説明もないままに、経済活動の活発化に踏み切るという、誤りを犯したのではないでしょうか。

 今後の対コロナの政策(作戦)は、先ずコロナの制圧、それに目鼻をつけて、初めて経済対策の方に注力が出来るという王道に戻ることでしょう。二兎を追ってはいけません。

 もう一つ、日本の企業を含む専門機関のワクチン開発の状態が全く見えないというのは何故でしょうか。
 それ程、日本の開発能力は落ちてしまっているのでしょうか。世界主要国の為政者は、ワクチンの自国開発に異常なまでの熱心さを持っています。
 この点、政府と開発機関との関係はどうなっているのでしょうか。マスコミにも是非、ワクチン研究開発の現状の報道を期待したいと思っています。

 今年は、先ずこの辺りから、国民に解りやすい政策発表が政府から出て、マスコミかその周知の徹底や解説をし、日本としての覚悟のほどが国民によく解るような状態に早急になってくれることを期待したいものです。