天野、紹介ありがとう!曰く、熱い男とのことでしたが、この冬の寒さには耐えかねています。
クルーザー班4年トリマーの伊東です。最近主将としてのブログを連発していたので、たまにはJ/24のトリマーとして発信していきたいと思います。
メイン・ジブ
ジェノアセールと
スピネーカー
風情も何もなくなってしまいました。J/24の4枚のセールを詠んだ自由型です。ディンギー班の人に「ジェノアセールってなんですか」と聞かれることが多いのですが、ジブと同じようにアップウィンドで使うヘッドセールで、風速10m/sくらいまでならこのセールを使います。メインとオーバーラップするくらい面積が大きいので強風ではデパワーしきれなくなるので、470みたいなジブに替えます。黒い(ものが多い)です。素材も柔らかめです。タイトル画はジェノアが映える写真を選びました。
ご存知ヨットの動力源は帆が風から受ける力です。風下に進むときはセールの受ける抗力を目一杯に受けて、風上に切り上げていくにつれて揚力の力を借りながら走ります。
これは「イカ東」発言なんですが、揚力って流体力学の賜物なんです。でも実際はどうしてセールに揚力が生じるか、をはっきりと説明するのはその道の人でも難いらしく、ベルヌイの定理っていう流体力学の授業で絶対習うやつで説明できそうなんですが、完全に説明するにはそれだけでは不十分だったりするみたいです。何はともあれ、この不思議な力で走るヨットって、面白い乗り物だとつくづく思います。
神秘的な力を借りているからか、船の走らせ方は、ひとそれぞれで、教わる人によって違うことを言われるなんてことも多々あります。それだけに小手先の知見を応用すれば速くなる(なった)気がしてしまうのですが、このコンディションなら「こうやって走らせよう」といった「大きな思想的なもの」をブレずに持ち続けるのが大事なんじゃないかと最近思っています。
ヘッドセールトリマーとしてのここまでの1年間は辛いときも多かったです。艇のスピードの悪さは、誰の目にも明らかなので逃げ場がありません。ごまかしがきかないんですよね。しかも、往々にして悪いパフォーマンスの原因はうまく言語化できないことが多い。でも、どうやったら速く走れるのか、社会人・諸先輩方に話を聞いたり、話し合ってみたり、はたまた禅問答の様にぐるぐる考えたりして、それを実際に海の上で試してみる。その内たまに上手くいくことがあって、その瞬間はトリマーやっていて良かった、と思えるのです。艇のスピードを担うトリマーというポジションをやらせてもらっていることに誇りと感謝を感じています。妥協せず、誰よりも速くなることを目指すのがヨット部4年目への抱負です。
某バウマンに倣って下の句をつけて筆を置こうと思います。
今年一年
はやさ求めて
さて、明日は五熊が書いてくれます!寒さを忘れられるようなブログをお待ちしております!(笑)
仰秀トリマー 伊東秀晃