何度か広島へも講演などで来られたことのある、保坂展人世田谷区長が「縮電」という言葉を使っておられる。面白そうなので彼のブログから1ページを全文勝手引用…
午前中から気温があがって、湿度も上がっているように感じる。夏の到来を前に、「節電・縮電」への取り組みを始めたいと書いたら、その「縮電」とは如何なものなのかとツイッター等でおたずねがあった。正直に言うと、厳密な定義の下に言い始めた訳ではない。しかし、「節電しましょう」というだけだけ物足りない感覚があり、「縮電」という言葉も添えてみたというのが当初の出発だった。なぜ、「節電」だけでは物足りないのかと言えば、昨年の東日本大震災と原発事故の「3・11」以後の記憶の中で語られた「節電」のニュアンスにいくつかの疑問と違和感を持っていたからだろうか。 昨年の今頃は、「夏の盆踊りは節電のために自粛した方がよいでしょうか」という問い合わせを受けたことを思い出す。「クールシェア」という言葉が出てきた最近と違って、昨年の状況は、1970年代のオイルショック時に言われた「電力需要の総量規制」としての「節電」が必要だというわけではなく、節電の必要は電力需要が逼迫するひとときのピークカットが必要だということ。だから、夜の時間に町内会の盆踊りを実施する方が、エアコンを稼働させて家にいる人たちが外出して集まるわけだから地域的な電力需要は低く抑えられるし、そもそも盆踊りで使用している提灯は自家発電で点灯している場合が多いので、効果的節電のために盆踊りは迷うことなく実施すべしと答えてきた。それでも、「自粛」という言葉の裏に、こんな災害の直後に、お祭りをやるのは不謹慎ではないかというブレーキがきいていたとも思う。 先日の自然エネルギーに関するシンポジウムでも「ピークカットのために自治体で呼びかけをすることは出来ないのか」という意見が出ていた。電力会社に代わって電力需給をコントロールすることは出来ないが、何らかの呼びかけをすることが出来ないかを考えてみたい。電力を送る側からの仕掛けではなく、電力を使う側からの抑制が出来るシステムをつくっていくことが大切だ。さらに「3・11」以前と同じ電力消費、生活スタイルを変えることを意識的に取り組むことで、電力使用のピークの時に、夏の暑い日の午後、個々にエアコンのきいた部屋で過ごすというパターンを減らしていく努力だ。 小規模分散型電源を家庭や地域に設置していくことを進めながら、まずは取り組むべきは「節電」「縮電」だと改めて思う 。「縮電」という言葉に、単なる電気使用量の節約ではなく、意識的に生活スタイルの転換をめざす意味を込めていきたい。 |