「巨人7‐2阪神」(28日、東京ド)
目を疑う光景だった。阪神・能見が巨人打線を相手に失点を重ねていく。3回6安打5失点で降板。エースがよもやの背信投球で、9連戦の大事な初戦に土をつけた。
1点の先制援護をもらい、向かった初回のマウンド。いきなり1死満塁のピンチを招くと、村田へのフォークが暴投となり同点を許す。さらに2死二、三塁から高橋由の打球が能見を襲う。強烈なライナーを左すねに受け、何とかボールを手にしたものの、一塁への下手投げ送球が、ブラゼルのはるか頭上に、大きくそれた。
自らの暴投とエラーで失点する“独り相撲”。三回にも高橋由に2点適時打を浴び、この回でマウンドを降りた。五回を持たずに降板するのは、2回1/3を6失点だった10年4月13日の巨人戦(東京D)以来。降板後に「中継ぎ陣に負担をかけて申し訳ない」とコメントし、治療のため試合中に宿舎に引き揚げた。
6日に甲子園で2安打完封勝利を飾るなど、巨人戦は昨年8月2日から4連勝中だった。藪投手コーチは「かなり強烈に(打球が)当たっているから。影響がないと言ったらウソになる」とかばう。ただ「向こうも研究してきたね」というように、巨人打線が変化を見せてきたのも事実だ。
次戦は4日の巨人戦(甲子園)に登板予定だが、常川チーフトレーナーは「(左足の状態は)明日になってみないと分からない」と説明。病院に行く予定はないが、登板回避となれば、連戦が続くチームに影を落とす。