2023年6月24日
久しぶりにさくらに乗って、午後から大阪での司法ソーシャルワーク研究集会に参加。
テーマは「刑事事件に社会福祉専門職が関わる時に生じるジレンマ」でした。
まずは 山口県立大学の水籐昌彦先生が 基調講演
簡単に刑事手続きと更生支援の概要を話された後、支援にあたってのジレンマを話されました。SWにおけるジレンマとしては 刑事司法の持つ権力性・強制性に起因するジレンマ また、所属組織と専門職倫理の二重性に起因するジレンマ、問題設定の基準に起因するジレンマ、自己決定の尊重と社会の安全のバランスに起因するジレンマなどがあると説明され、刑事司法と福祉の相互理解の不足、法的思考と臨床的思考の違い・・・ジレンマは不可避であり、それは支援者としての成長の機会になりうる、また、ジレンマの完璧な解決策はないが、倫理綱領や行動指針を参照にしながら状況に応じた対象と事後の振り返りが有効で、燃え尽きないためには、自分自身をケアすることを考えていくことが大切だと話されました。
「元祖更生支援計画」の原田和明さんは「社会福祉事業としてのジレンマ」と題して
事業の経営面から報酬が入らないと事業としては成り立たないが、受けるところがない中でも何もしないのはSWの倫理として、受けないわけにはいかない!と原田さんのさまざまな取り組みを紹介しながら熱く話されました。
フロシキフクシ代表の小川多雅之(社会福祉士)さんからは
時間的制約、原型、対審、文化の違い、関係性それぞれのジレンマについて話されました。
特定非営利活動法人チェンジングライフの野田詠さんは「刑事司法に関わる立ち直り支援者のジレンマ」と題して
対象者との関わりにおけるジレンマ、チームでの関わりにおけるジレンマ、また関係機関との関わりにおけるジレンマについて話されました。
最後に立たれた中井真雄弁護士(大阪弁護士会高齢者・障がい者総合支援センター運営委員会ひまわり委員)は福祉職との協働でのジレンマとして弁護士活動は点での関わりが基本であり、この事件での本人の利益を図るのが仕事である。また問題解決の手段の違いがある。法律職内部でのジレンマとしては 障がいがあることについての無理解、身体拘束に対するジレンマ(→責任能力を争うとなると時間がかかる)ことなどを話されました。
夕方には広島で人と会う約束があったため、弊会までいることはできなかったのですが551蓬莱の豚まんを買って帰ってきました。