メキシコ中部を19日に襲ったマグニチュード(M)7.1の大地震による死者は、20日までに少なくとも230人が確認された。首都メキシコシティで校舎が崩落した小学校では、少なくとも生徒21人と大人5人が死亡。懸命の救助作業が続いている。
首都南部コアパ地区でエンリケ・レブサメン小学校では校舎の一部が崩落。アウレリオ・ヌニョ教育相によると、児童2人と大人1人の行方が分からない状態だが、11人が救出された。さらに、20日の救助活動で女の子1人ががれきの下に生きて埋まっているのが確認された。
女の子が手を動かしたのを救助隊員が気づき、水を与えるためにホースが降ろされた。慎重な救出作業が続いているという。
市民保護庁のボランティア職員エンリケ・ガルディアさんは、学校の崩落現場に集まった人たちに、複数の生存者がコンクリートの破片の間で動けずにいる温度スキャナーで確認したと説明した。
「生きてる! 生きてるんだ!」とガルディアさんは叫び、「同じ場所で壁を何度もたたいた人もいるし、照明の合図に反応した人もいる」と述べた。
7歳の娘を探して近くで待っていた母親は、報道陣に、「私がいまどんなに辛いか、想像もつかないはずです」と話した。
地元紙によると、現場では200人の警官やボランティアのほか、500人の陸軍と海軍関係者が救出作業に当たっている。
19日の地震で少なくとも209の学校が被災し、15校が深刻な被害を受けた。学校のほか、教会など複数の建物が倒れた。崩れた教会内にいた複数の信者が死亡した場所もある。
エンリケ・ペニャ・ニエト大統領は3日間の服喪期間を宣言した。
メキシコではちょうど32年前の1985年9月19日に、首都を中心に1万人以上が死亡したメキシコ大地震が起きている。今月7日にはM8.1の地震が起き、同国南部で90人以上が死亡したばかり。
今回の地震は、32年前の大地震を追悼する救助避難訓練がメキシコシティで開かれてる最中に起きた。
パレスチナの子どもたちに自由と平和を!